{引用=


理由しか言ってくれない舌先に 角砂糖一つ乗せる雨の日


小さくて子猫よりもやらかくて 明日には消える初雪みたいで


五月雨の震えるような優しさは 今日よりも先、明日 ....
{引用=


ごめんねとさよならばかりを繰り返し わたしの傍で疲れて眠る


なんでかな、沼のような沈黙は 全部わたしのせいだと思う


20センチ高いとこから見られると おなかのう ....
{引用=

呼吸をしていた
それなのに産声じゃなかった
あなたを呼んでいた
それでも求めてるわけじゃなかった

願いが響くなら
言葉の海に声を沈めて
それがあぶくになれば今すぐになれ ....
{引用=

*指先をソーダ水に浸しては 「なんで今日も消えてしまうの?」*




きみの傷んだ香りを吸い込んで透明になる
ぽつり ぽつりと
夜を揺らして泡がはじける
指を
小さ ....
{引用=

*ちりちりと揺れてる空の片隅へ 帰るきみは恋も知らない*




イヤフォンをして
黒板に鼓膜の言葉を連ねていた
うっすらと覆い被さる、夕焼けは恋人の色だった
 ....
{引用=

*降りしきるきみの海のまなざしが わたしの中へ流れ込めよと*




右手の小指いっぽんから
左手の人差し指いっぽんへ
さざんかのかきねを散らしていく君の振動が伝わる
 ....
{引用=

*夢で君にくちづけをしてしまった*

わたしの身体はしなやかに発熱していたので
玄関で横たわり熱を果てしなく放出した
可哀想な傷たちが肌を走り回る
扉の向こうでしとやかに雨が ....
{引用=

兄が
妹に言う

(おまえは冷血動物だね)

ああ、そうですお兄さん
そんなことをあなたはいまさらいうんだね
あなたが温かい血の塊を全部貰ったから
わたしのものはもうと ....
{引用=


なんでだろうかものすごくかなしくなって
デスクトップをじぃっとみつめているうちに
呼吸するように当たり前だとなみだが零れて
わたしの鼓動がものすごく頭に響く

しっかりと ....
{引用=


懐柔されていく日々に
きみはわたしをどう見るだろうか
転がり続けていた二足の靴が
もう誰の影も踏めなくなって
それからきみは諦めようと何度も手を洗っている
いわゆるともだ ....
{引用=

私はいっつも赤いマフラーして
私はいっつも赤いヘッドフォンして
そんで黒い服ばっか着とるんやけど
それはなんでかってきかれても困ってしまう
赤はずっときみの色やし
 ....
{引用=


繋いだ指を
震えさせたきみをぼくはどうして抱き締めよう
愛し方がわからないなんてそんな青さが
空に溶ければ柔い雨

ぼくを見上げる二つの黒い瞳が
濡れてしまうなこんな日 ....
{引用=月の無い空に踏み出した
僕らの星が降る





綺羅星よ、名も無い僕のカタルシス 溢れるきみの瞳を舐めれば


吐く息が溶けてきらめくこの町の 空を見上げるまなざしのおと ....
{引用=


鉛色の風が
立ち竦む香りをわたしの額に浴びせる
(さざんか さざんか)
嘘つきたちの赤い舌びらが
一面に敷かれるこのアスファルトの上に
膝をついている、足を汚している
 ....
{引用=

群青の金魚を掬う午前四時 涙をのませて。カンパネルラ


ぼくたちの間に光る星屑の甘さを揺らして廻る車輪よ


十字架を背負って羽ばたく泣き虫は優しい毒を敷き詰めていく
 ....
{引用=

健全に降り注ぐ真白な陽差しの中
(それは、きらきら きらきら)
色をすくいだそうとしているわたしの手は
とっくに諦めを知っているのです

ハレーション起こした空色みたいに
 ....
わたしの好きなあなたの匂いに
あなたはずっと気付くこともなく生きてきて
あなたが好きだと言ってくれたわたしの匂いに
わたしはずっと気付くことなく生きている
これからもずっとわからないままに
 ....
自分は間違っちゃいないんだと
そんなことを言うのは難しくて
そういう感覚の儘
腕の傷は消えないな
わたしの肌の下に埋まった青い言葉たちが
解読出来るほどに器用じゃない頭で
恋してる、世界中 ....
{引用=


滑るあなたの感触を憶えている夜に
赤い爪へ哀しみを載せれば
空に刺さった月の破片が名前を欲しがっていた

ささくれた薬指の皮を切ろうと鋏を探すんだけど
探すんだけど
部 ....
{引用=


飲まなかった眠剤を
ひとつぶ ひとつぶ
湿った土に埋めて
紫がかった芽が見えてきた朝から
八年間くびをそのままに待ち続けたら
柿がなる

たわわに実る柿の実は
わた ....
{引用=


ぼくのものじゃない長い髪が浴槽の排水口へ流れた
その後を追うように
ぼくのものじゃない子供が流れていった
だから蛇口を勢いよく捻り
ざあざあといっぱいに水を浴びせ
そうす ....
{引用=



そんな言葉には
騙されないよという彼がいて
だから私は
ああ
こんな言葉では
信じてもらえないのだなと笑って
求められているのは
私の本質だろうか
生き方だろう ....
{引用=



言葉の降らない日々でも
きみに痛々しい愛(のようなもの)だけを送りつける
ぼくの先端から零れていく赤い信号が
次々と毛布にシミをつくるんだけど
乾いた風に投げ出してしま ....
無いものを描いてベランダ吊るしたら明日はきっと涙雨です
機能しない体温計の水銀はわたしの胸の中身と一緒
質問を垂らしてみたら何重も波紋が踊った恋人の明日
ないているわたしが理解できないと声 ....
{引用=



ざいじょうをのべてときみにいわれたら どれもまだまだみすいだという
ぶらんこにのせてゆらしたげんざいが  ぼくをあだむにさしてくれない
ざっしからきりとるつみのいろどり ....
握力が蒸発しちゃってあかないの 飲ませてちょーだいポカリスエット


平熱が五度八分ってひくいから 七度二分にもキスにも目眩


あつくなる舌で転がす体温計 ピピピと鳴るまで風邪の味見


朝夕に二錠 ....
{引用=



波に揺られているのがあたりまえでした
足が地に着いていたことなど稀で
たくさんのしあわせに濡れては
なんて、寒いんだろうって思っていた

あなたがとてもかなしそうで
 ....
{引用=



滲んできた雨が
ぽつりと靴に刺さる白い真昼
耳の寂しいわたしは
(あぁ ピアスがほしい)

なだらかな耳朶に
ひそやかな穴をあけてしまうことは
どうしようもなく哀 ....
{引用=


ぼくの酸素マスクの隠し場所をあんたたちは知らないという日常です
真白な晴空の淵にしがみついている愛着がはやく流れされていけと願う毎日です
アスファルトの裂け目にくるまれている苔の
その淡 ....
{引用=


この空に底があるとして
それなら沈んでいるのは
きみが何万光年も前にさけんだ言葉のなきがら。
鈍色に光っているそれら

かえりたかったところ、

わたしの瞳の縁で ....
あぐり(150)
タイトル カテゴリ Point 日付
降りゆくものは短歌5*10/1/6 20:10
嵐舞う短歌4*10/1/5 15:22
指先にあぶく自由詩3*10/1/5 15:17
Dear Girl 夜顔自由詩3*10/1/5 15:14
Dear Girl 茜の空自由詩2*09/12/27 0:20
Dear Girl  雪花帰路自由詩5*09/12/26 20:16
夢で君にくちづけをしてしまった自由詩4*09/12/26 20:14
かえる自由詩2*09/12/20 19:37
名付けてしまう自由詩6*09/12/18 0:08
夢に流す自由詩1*09/12/17 23:25
きみのいっちゃん好きなとこ自由詩3*09/12/16 23:33
空に青く自由詩2*09/12/16 10:10
ふたごの星自由詩3*09/12/16 10:06
嘘ほどに赤くない日々自由詩4*09/12/15 0:23
明星トレイン短歌4*09/12/12 5:52
最良の快晴をきみの胸に思い描くということ自由詩5*09/12/12 5:50
かおる自由詩2*09/12/12 2:47
機関銃を抱いて自由詩5*09/12/3 23:46
破片を隠すあなたの手は、綺麗ね自由詩4*09/12/3 22:02
自由詩7*09/12/1 23:42
あいさない自由詩3*09/11/18 23:50
霜月の窓から洩れて自由詩5*09/11/18 23:47
きみだけの自由詩4*09/11/16 23:45
水は紅短歌2*09/11/9 23:54
ざぶざぶと わけいるなみの つめたさに にてたといきで ぬれ ...短歌2*09/11/8 23:30
発熱インサイド短歌2*09/11/7 16:03
せめて自由詩4*09/11/2 21:01
雨粒が耳にあける穴にたまる自由詩2*09/11/2 20:53
青い果実自由詩4*09/10/29 1:00
この空の底に自由詩7*09/10/26 23:09

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