冷たい
がらんどうに
詰め込んでいたのは
なんだったのか
忘れて久しい

そこに
入っていたのは
確かに
拍を打っていた
 
    はずだった

冷たい
がらんどうに
 ....
忘れてしまっていたはずの言葉を
反射させられるようになっていた

どうやら
自分は戻ってきたらしい

自然に発せられていたはずの言葉に
けっつまづいて
唇を思いっきり噛んでしまった
 ....
私のおっぱいは
今じゃ毛むくじゃら
立ってもわからない
メラニンが多い

私のおっぱいは
寄せても上がらない
レロレロされもしない
メラニンだけが多い


  二つつまんで
  ....
ウサギが跳ねてる
なんのその
指先かじかむ
なんのその
船長の罵声
なんのその

今日は乗り合い
沖日和

しぶきがかかる
なんのその
しょんべん跳ね返る
なんのその
電動 ....
今日のどんぶり
アンバランス
明日は食えない
はいバランス
膨らむ財布にゃ
硬貨バランス
10円玉だけがやけに多い

崩れちまった
睡眠バランス
脳内麻薬でアンバランス
千鳥足を ....
逆光でぎらつく
海面に
浮かんでいるはずの
浮き一人
波にもまれて
パイプ椅子ふっとばすよな
風に吹かれ
時折
糸に引っ張られ

逆光で
海面がぎらついている
周りの浮きも
 ....
雪が降る
雪が降る
銀色きらきら
雪が降る
真っ黒の天上の彼方から
きらきら
きらきら
雪が降る

降り積もったはずだった
銀色は
消えていく
水の底
大地に触れて
砂に触 ....
猫が浮かんでいた
足跡は
浜辺には残っていなかった
腹が膨らんで
それでバランスを保っていた
その下に
エメラルドの群れが
見え隠れする

猫の首は
だらしなく折れ曲がり
海底を ....
エメラルド走る
エメラルド走る
ひるがえって
銀色
鈍く光る

エメラルド走る
エメラルド走る
ひるがえって
銀色
鈍く光った瞬間

漆黒の彼方に
閉じられる

エメラル ....
私はニンゲンであったから
冷たい雨の下で
蛙たちと共に飛び跳ねることはない

私はニンゲンであったから
蛙たちは
安全な距離を保とうと必死になる
沼に飛び込む
水面に波紋がたつ
大き ....
まな板から
はみだしたしっぽの
先を掴みながら
開いてみた体からは
血は一滴も見つからなかった

変わりに
エーテルを失って
散りばめられることのなくなった
星達の塊の袋が
だらん ....
がたがたになった
コンクリートに
濁った赤が染みこんでいく
粘度は高く
糸をひいている
海水で洗い流す
呼吸できずに
目を白黒させている
有機物が
外装を傷つけながら
外装をはがし ....
 沼は待っていてくれた。ホテイアオイは相変わらず所狭しと繁殖し、岸際を覆っていたが昨日ほどではなく、私は胸をなでおろした。この分ならば、釣りになるだろう。キャスティングするのに邪魔になる風もない。まだ .... 波紋がひろがっていた

天上からも貫ききれず
水底からも貫ききれず
貫き通せなかった
幾多の
もろもろが
波紋となって
分解され
吸収され
なにごともなかったかの様に
戻されてい ....
Mは

もう名前すら忘れてしまった

突然消えてしまった


彼の為のコースがぽっかりと空いた
選手登録表が
一つ埋められなくなった
仕事が増えた


マリファナをやっている ....
「あの家は『違うひと』だから近づいてはいけない。」

と、何度教えられたことだろう。
私の家だけだったのかもしれないし、そうではないのかもしれない。
けれども、父・母、そして親戚の会話の中でも ....
「隊では一、二を争いました。」
射撃の腕を買われ、十一年式軽機関銃の射手に選ばれたというその人は、嬉しそうに話していた。日本の銃器類は思っているよりも評判は良い。その人は「十一年式は三発ずつしか撃て ....
 中学生の弁論大会から始って、合唱で、芝居の真似事でステージに立ち、今では自作の詩の真似事の朗読なんかを行うようになってきた。
 これがいつまで続くのかはわからないが、様々なステージを経験している ....
何万年かの後
私は
泥岩の一部となり
ばらばらになった
私達は
組み立てられて
私になるのかもしれない
全く新しい名前をつけられて
全く新しい人生を
与えられて
母を持たず
産声 ....
期講習では立ちっぱなしなので、足の裏が痛くなる。
クーラーが直撃する場所に教壇があるので、時々おなかが危うくなる。
ので、理由をつけて教室内をあちこちと動き回る。
やっぱり足の裏は痛くなる ....
雪なのか
塩なのか

雪なのか
塩の固まりなのか
降ってくる
ぶつかり合う
不明瞭な
界面は
混じり合うことなく
ぶつかり合い
共に
音なく
砕け
一つになり
砕け
混 ....
文鳥は
  帰ることができませんでした

    あんなにうとましく思えた
    ステンレェスが
    今では
    こんなにも
    いとおしく想えるだなんて

文鳥は
 ....
 昨年の今頃だったろうか、何故だか消防設備士の勉強をしていて、火災報知機にも色々あることを学んだ。煙感知器とか、熱感知器とかあって煙感知器とは発生する煙によって生じる光の乱反射の量から火災と判断するも .... 鈴が鳴る
鈴が鳴る

あの世と
この世が
繋がって
竿先
細かく
引き絞られる

鈴が鳴る
鈴が鳴る

掛かってしもうた
あの世のモノが
激しく
激しく
身をくねらせ ....
  (序の刻)

ああ
そこにあるのは
あれは虹であって
虹ではないのです
天に昇ることを許されなかった
屍たちの描いた
放物線なのです
無残にも
灼熱地獄に照らされた
残尿の
 ....
ずいぶん前から
四人に分け与えられていた
空間は
たった一人に占有されていた
十七年近く
四人で分担し合っていた
空間は
たった一人に委ねられるしかなかった

残された空間に
話し ....
忘れてしまった
味覚が
どうしても
取り戻せなくて
ひたすら
食ってみるのだが

  味はない
  正確には
  なにかしら
  味のようなものはするのだが
  それは
  識 ....
海に刺されたその日
雲は裏切り
風は行き過ぎた

生意気な
月が笑うた次の日
一緒になって笑う
星達が


  いい加減
  頭にきたので
  砂を
  生贄とした


 ....
片付けすら
進んでいない最後の夜
チキンラーメン
食い尽くし
財布の中身
使い果たし

片付けすら
進んでいない最後の夜
最後の孤独を思い返す
雨が降って
外にも出れず
盗まれ ....
踏み外した大地に
交差する
踏み外した大地に
降り注ぐ


交差する
ちっぽけな
億万兆
降り注ぐ
ちっぽけな
億万兆


垂直に立っているはずだった
水平に見渡すはずだ ....
北村 守通(241)
タイトル カテゴリ Point 日付
跡地自由詩010/2/8 0:21
釣り座で考える自由詩310/1/11 1:54
海面に阻まれているブルース自由詩210/1/5 0:56
沖釣り乗り合い戦自由詩209/12/4 0:43
バランス!バランス!アンバランス!自由詩109/11/22 20:06
釣り人引き揚げる自由詩109/11/22 0:34
カサゴ自由詩109/11/15 23:17
海水浴場自由詩3+09/11/9 0:46
なぶら自由詩009/11/7 2:27
雨の下釣り人は独り自由詩1209/10/6 3:55
釣果の確認自由詩409/9/25 3:03
野締め自由詩209/9/19 3:45
帰ってきた沼でフライロッドを継ぐ自由詩109/9/13 21:33
通り雨が沼を覆う自由詩3+*09/9/6 3:04
失われた水泳部員自由詩209/8/26 2:24
違う存在散文(批評 ...1+*09/8/21 16:23
ある戦争体験者と話をしながら散文(批評 ...309/8/20 9:48
ステージ振り返り散文(批評 ...009/8/6 13:34
タイムカプセル自由詩5*09/8/5 4:38
帰京前夜自由詩7*09/8/4 15:47
フェリー自由詩5*09/7/27 2:07
文鳥自由詩4*09/6/29 1:26
にんげんの穴散文(批評 ...109/6/21 23:47
月明かりの下の顔の見えない釣り自由詩409/6/12 1:16
幻影海峡自由詩509/6/3 17:49
生家自由詩409/6/2 23:19
餓鬼自由詩209/6/1 2:38
自由詩5*09/5/15 14:33
サヨナラ国分寺自由詩8*09/5/6 3:23
天気雨自由詩109/4/24 3:34

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