つるりと逃げ出す言葉は
重心を同じところに留めようとする
こちらの思惑を知っていて
その裏をかくイタズラを仕掛ける
追いかけるとき進む道は
こちらが選んでいるようで
あちらの作戦通りのポイ ....
煎餅の臭いとディーゼルカーの音 男と女がイビキで話す


背比べ ギャラリーいてもいなくても 靴は厚底 踵は浮かす


「セミの今年最初の声を記録せよ」 無理難題を気まぐれに課す
 ....
傘泥棒に負けたメンタルコンディション 誰かにいて欲しい雨の駅前


タイル地の床のアートと靴音と 一秒先の世界の終わり


階段の一段上 同じ高さの視線が好きで貴方と過ごす


皮を ....
妬ける石にコカ・コーラを垂らす音 理性はどちらも止められなくて


貼り付いたラムネの空の甘い匂いだけを集めた鍵付きの部屋


カレー鍋煮込む間に読むタウン誌のラーメン見惚れ出かけ ....
主のいない部屋で汚れしか見ない心の隠し場所は言わない


「君を守る」歌を集めて火にくべる 情報戦に備え鍛える


笑顔の在庫が尽きて初めて迎えられる場所もあるのだ拉麺啜る

 ....
鈴の前だから
見せられない
すぐ鈴がくる
待てまずいだろう

まだ歪みは残り
素肌とはいえない
ままよママとダンス
仮名にして名を消せ
 公園を歩く澄花さんと私のすぐそばで鳥の鳴き声がした。目を合わせた私たちは、息を潜めて足音を消して、鳴き声のする椿の木にそっと近づいた。鳴いていたのはメジロだった。少しだけ鳴きにくそうにしていたけれど ....  冬の陽射しはなにか暖色系の粒子のようだった。体全体を引き締める寒さを、ほどよい負荷にしてくれる繊細さで頬をあたためた。枝の枯れた木々が覆う公園の歩道を抜けて広場にでると、水仙の花が一面に咲いていた。 ....  政志くんと会い、レグラスと交信して初めて迎える休日だった。特に予定はないが、ある場所に行くことを何となく決めていた。前日のお酒が少し残っていたし喉も乾いていた。裂けるチーズの輪切り、水菜と大根のサラ .... 「コーヒー豆をください。インドネシア200g コロンビア200g まろやかブレンド200g でお願いします。それとちょっとお手洗いをお借りします。」

こんなふうに帰りがけにコーヒー豆を頼み、準備 ....
「よかったよー。これ、ほとんど断られるんだ。慣れてるけど、凹むんだよね。だから入隊してくれるの、嬉しい。ありがとう。」
「いえ、こちらこそ、よろしくお願いします。ところで、今からフィットネスクラブに ....
 意味がわからない。最初にその人と話したときはそう考えた。いまでもわかってはいないけれど、そのときのわからなさは、身体中がふわふわして頭が妙に重くて、臍から下の感覚がほとんどなかったと思う。なにしろ唐 ....  私はオリジナリティーという言葉をあまり信じていない。言葉は語り継がれるもので誰かが一人占めできるものではないから。それに誰かが作品として発表した言葉やものの考え方に似たものが過去にあったからといって ....  いまだに雑味というのがどのような味なのか分からない。多分コーヒーの味を科学的に分析した本を棚の奥から引っ張り出して調べれば書いてあるのかもしれないが。雑味というのは自分が求める味を邪魔する味のことだ .... 松の木の吐瀉の薫は 昔日の落武者か昨日の酔っ払いか


法律と噂話で塞がれた言葉こぼれる針山の上


光のない部屋を満たした粘い黒あなたと吸い込み汚しあう夜


芯が熱く眼を ....
 5回に2回しか考えていることを言葉に出さない そういう私の上澄みを皆が好いてくれていた 淡白であとを濁さない演技で 私なりに道を極めていた 対話を悲しみでもみ消す以外の表現をまだ知らなかった 時には .... 傷ひとつ負わないために纏う黒 磨いた爪で掻き鳴らすギター


縦横のパステルカラー過去形の絆ぬくめるクリームシチュー


空焚きで割れた土塊不機嫌を怯え見上げる視線から逃げる

 ....
かつてそこは湖だった 生活の毒が冷たい凶風に舞う


ほんの一回噛んだ砂の記憶のために理性で味わう間引き菜の浸し


暗闇も深夜放送も愛せない夜のために砂嵐を録る


撫でた ....
ツナの缶を洗って切った手のひらは撫でる義務から逃げ出したくて


塩鮭と白飯に泣いた人がいる 切り身に塩をふって寝かせる


破裂した冷凍コロッケ冷飯と混ぜて炒めて皿にのせ焼く
 ....
正しさを振り回して攻撃するな自分でやれと正しさがいう


ゼムクリップのゆるい縛りで強さよりは声かけて離れて声かけて


「嫌だ」を公開処刑で奪い去る 少女のそれを無視した罰で
 ....
 中村くらげさんの提唱された「自分の詩を読み返そうキャンペーン」に、短歌もありと拡大解釈してのってみました。作品数が少ない私ですが、いつも5首まとめて投稿している短歌をバラしてみたところ、ベスト3 .... 順位のない星占いの English 誤訳しないで誤読してみる


90度で固定された視界からチラシのようなありふれた空


袖口の緋色の染みに宿るX 左手と眼と記憶を喰った

 ....
サイレンを塞ぐ手のひら 許された騙りを口に含み 流した


「過去ノコト気ニセズキミヲ愛シマス」 「キチント知ッテ出直シトイデ」


終わらない 誰かのための美しさ 立ち居振舞い  ....
比喩ではない 武器を用いて空想を人に押し付け 許された者


罰を受ける幸福をポロスに説いたソクラテス読む初等教育


くぐもった大音量の泣き声が置き去りにした 犬のおまわりさん
 ....
下の毛の白髪数えて笑いあい 少し長めに撫でて濡らした


パスミスをパスミスにしない聞き方で心を溶かすけれど触れない


見る見ない見てほしくない見られたい 知り尽くしてる視線が愛 ....
棘が眼に刺さり 蔓が身体を縛る 花柄の裂け目から蛾の群れ


舌打ちの余韻が汚す残り時間 泥つきの靴とビニール傘と


缶入りの言葉使いこなすために繰り出す喋り 少しの孤独


 ....
陶製の午後は日かげの手ざわりと埃のにおい くもを踏みたい


割れた爪が挟む髪の毛 濡れた服 風に飛ばない足下の綿毛


風船が歪み飛び出す水の球 複眼の視界から逃げられず

 ....
旅先に秘密を託す オフライン 海に流した小瓶と真珠


苛立ちを鎮める空想砂時計 記憶の棚に並ぶコレクション


「恋文の推敲は眠りのあとに」 掟に背いた罰は苦くて


「植 ....
さじで湯をはじいて散らす 珈琲香 ゆで卵の白身を刻む音


万年筆への熱量ともにするふりで近付いたひと 見抜けなかった


晴れのち雨 すがりつく昔の歌を上書きし終えた土の匂い
 ....
空想のまどろみ壊し 会いに行く 友のいまの言葉を知りたくて


気後れを包む 途切れのない言葉 壊さないまま このままいたい


問わず語りをしない守りをなぜここで 届かないままのいく ....
深水遊脚(169)
タイトル カテゴリ Point 日付
包み込む手のひらから自由詩5+*15/7/7 20:54
セで始まってスで終わる短歌2*15/6/24 1:43
雨のち曇り短歌2*15/6/11 5:35
Addiction短歌0*15/5/25 12:35
メモを片手に短歌2*15/5/14 12:40
仮名にして名を消せ[group]自由詩3*15/2/22 11:23
Miz 6[group]散文(批評 ...0*15/2/14 8:02
Miz 5[group]散文(批評 ...1*15/2/11 17:53
Miz 4[group]散文(批評 ...0*15/2/5 8:41
Miz 3[group]散文(批評 ...1*15/1/27 7:44
Miz 2[group]散文(批評 ...1*15/1/26 9:16
Miz 1[group]散文(批評 ...1*15/1/26 9:14
記憶を宿すこと散文(批評 ...8*14/12/14 12:35
That's Me[group]散文(批評 ...2*14/11/23 9:06
吐瀉の粒子短歌7*14/11/10 12:01
引け目自由詩4+*14/10/31 23:23
インタビュー短歌2*14/10/25 19:13
短歌3*14/10/4 23:06
花焼売短歌0*14/9/27 21:22
嫌だ短歌4*14/9/23 8:32
自己評価ベスト3散文(批評 ...8*14/9/19 21:35
空の葡萄短歌6*14/9/15 11:15
嘘に短歌5*14/7/23 8:13
手遅れと言われても短歌2*14/7/5 15:10
愛撫短歌1*14/6/29 0:39
17番鉄塔から短歌2*14/6/7 19:08
鈍行短歌0*14/6/1 22:22
秘める短歌3*14/5/25 8:16
[group]短歌2*14/5/16 23:33
再会短歌3*14/4/7 6:41

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