揚子江の上流に見慣れない生き物がいて
現地の人は成人の儀式にそれを食べる
雨の降る夜はいつも
腹の中で卵が孵って
鼻の穴から糸が
するすると
巻き付いて
柔らかな
殻になる

 ....
「私のひと押し詩人」というテーマでの依頼。
ひと押しというか、好きな詩人は、

1.有名で今さら紹介する必要もない人
2.ひっそりと書いていて紹介なんかされたくない人

だいたいこ ....
都議選の宣伝車が姦しく徘徊している。「お
願い」であるのなら人に迷惑をかけてもいい
らしい。名前の連呼。連呼。夜に働く人たち
の票は必要とされていない。連呼される名は
誰に名付けられたもの ....
雲はかすかに薄い。満月はわずかに遠い。星
たちは月の輝く姿に目を細め身を寄せ合いな
がらその眩しさを囁く。塔の下ではいくつか
の波が押し寄せる。浸食は彼方の記憶。崩壊
は遥かな追憶。廻 ....
レッグウィップレッグウィップ。足元にじゃ
れつくウィップ。遠ざかる遠吠えにウィップ。
深夜のアスファルトに水滴。薄い雨粒。オゾ
ンの微膜が地表にはびこり地球を覆いつくす。
オゾンウィップオ ....
夜になると
魚は目を閉じて
消えていく泡の行く末を思う
消えていく
自らの姿に思いを馳せ
静かに
目を閉じている

夜になると
魚は目を閉じて
自らの見ることのなかった風景を見 ....
知らない足音がわたしたちを追い越し
立ち止まっていることに気づく
群れるものたちのすべてが
居場所を持っているように見えて
小さな声でいることに
少しだけ疲れて

彩られた樹木たち ....
神様がやってきて
恥ずかしくて
無花果がないので
代わりに葡萄の

神様は通り過ぎて
そのまま
もう会えなくなった
股の下から
赤いものが垂れた日
くもり。非常階段へ続くベランダからは大き
な白いビルが見える。本当は白ではなく薄く
濁っているそのビルの外壁には大きなヒビが
いくつか、ひとつ、ふたつ、崩れ落ちるよう
な気配。ジェニファーの俊 ....
さいとういんこさんのお腹は大きい
大きく膨らんでいる
さいとういんこさんの子供が大人になる頃
僕はもう59歳だ
それまで生きているかどうかわからない
生きているつもりもないし
自信もな ....
帰る場所のない人こそ一点に留まる
寂しさを解体して
目を瞑る
うつむかない
前を見ない
定まらないこれは
警鐘なのかもしれない

孤独とは
つながらないことではなく
むしろつな ....
(以前書いた即興短歌。2001〜2002)



催涙ガス食らったみたいに笑いながら泣く君見て笑う僕

目の前で起こったことではない あれはテレビの中 あれは11日

名も知らぬ野花を ....
言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
争いは銃からではなく
言葉から始まることを知らなくてはならない

言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
言葉の扱いが ....
昨日の夜チャットにて即興。
一生懸命やってる方には申し訳ないです。そんな感じなので、見逃してください。。。


お題あり。4つ。



(灯篭)
灯篭の中にお化けいるよ 嘘ほんと ....
大江戸線のホストは
千代田線に乗ることができない
みどりの色の
まぶしさにうつむいて
落ちていく
その先に

大江戸線のホストは新宿で降りて
それから
鼻をかんでみる
する ....
「ノーミスの人生なんてつまらない」

という川柳なんだかアフォリズムなんだかわからない
しかし断じて詩ではない
言葉、を
得意になって語る人を
先生、と
呼ぶ身にもなってくれ

 ....
あなたがトースターなら
わたしはパンになりたい
あなたの熱でわたしは焦がれる
あなたの想いを体に刻んで

あなたがトースターなら
わたしはパンになりたい
あなたが刻んだ熱を残 ....
雲が波なら
僕たちは深海魚だ
深く、深く、
差し伸べられた手も届かない場所で
温もりも知らずに
窒息している

月明かりは
マリンスノーに似ている
それはただの幻想で
本質は
 ....
もうずいぶん昔のことなのに
最近になってもあけみは
僕の前に現れてきて
彼女はまだ
忘れていないらしい


        僕が彼女を忘れていないように
           それ ....
「あけみ」という女の子の話。
違うかもしれない。もしかしたら僕の話かもしれない。

あけみが僕のそばにいることに気づいたのは彼女の一周忌の夜
彼女にはとても好きなカクテルがあって
僕は供養の ....
他の女と遊んでるとすぐに怒って
そのくせ
中指を突っ込んでやると
悲しそうな声をあげながら
すぐに抱きついてきた
寄ってくる女を全部食ってた頃の話
たぶん好きじゃなかったと思う

包丁 ....
かわいいとか好きとかそんな
実態のないものを餌にすると
飢えてる人ほど
よく引っかかります
花束とかプレゼントとか
疑似餌(ルアー)がよく効く人もいます

小魚はリリース。
たいてい集 ....
美しい花が咲くよ
飲み込めないものを置き去りにして
美しい花が美しく咲くよ
思い出を糧に
忘れられた形を残して
美しい花が咲く美しい夜に
僕たちの魂は震えているよ
僕たちの魂は淡雪のよう ....
ふたばさん「某日」に寄せて。
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=33259




真夜中に一人というシチュエーションは、
石垣り ....
<雪見カンガルー>

どうしても雪の白に溶け合わない
自分の体を恨めしく見下ろすと
袋の中で子供たちが
凍えながら見上げている



<嫌がるラクダ>

ラクダのコブは脱着可 ....
遠く、遠く、遠い場所で
何かが揺らめいている
ように見えるんだ
そして消えるんだ
追いかけないんだ
そこにいるんだ

交接、の前の
寂しさが好きだ
触れる直前の、一瞬の孤独
 ....
子供たちの手はあまりに小さく
死を乗せるには頼りない
持て余された欠片は
静謐な砂漠の砂のように
足元に溢れ
踏み潰され

「見た? 見えた?」と誰かが囁いている
「アレかな? よく見 ....
蛹の時代は終わったと
鱗粉まみれの陽光を謳歌する
ここには花が少ないからと
蜜の代わりに蜂蜜を
葉の代わりに
デッキチェアを

さようなら、また今度、遊びましょう、晴れの日に。
そ ....
鈍色に、はぐれて
まやかしの夢を見る
空の重さに耐え切れず
落下するものを/

(そは、ありなんや

/握り締めて
熱の、かけらに酔う

鈍色の、底
契るべきものなく
 ....
「やがてぼくらは輪郭のない自由になる」に寄せて
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=10962





R.D.レインという精神医学 ....
いとう(222)
タイトル カテゴリ Point 日付
柔らかい殻未詩・独白1205/7/5 10:35
良い詩人は、、、散文(批評 ...23*05/7/1 0:17
ランドサットの日曜日未詩・独白705/6/28 13:06
塔の上でワルツを踊る未詩・独白10*05/6/25 23:32
ライト、ライト、レフト(ウィップ)、ヴァース未詩・独白9*05/6/22 0:10
夜になると、魚は未詩・独白3905/6/13 0:53
都市伝説[group]自由詩22*05/6/7 17:51
葡萄の葉未詩・独白705/5/31 16:15
すくらっく、すくらっく。未詩・独白9*05/5/25 0:13
さいとういんこさんのお腹が大きい5月22日未詩・独白1505/5/23 16:39
やみまつり未詩・独白1205/5/16 16:47
保存用短歌405/5/11 17:43
武装放棄未詩・独白62*05/5/9 22:32
二人なのかな短歌205/5/6 11:18
大江戸線のホスト未詩・独白8*05/5/3 15:22
まだ早い未詩・独白3*05/5/3 15:21
パンの憂鬱未詩・独白9*05/5/1 23:52
深海の生物は涙を知らない未詩・独白14*05/4/27 0:11
すべての世界はつながっているというのに未詩・独白1105/4/8 17:45
未詩・独白17+05/4/8 17:45
あけみ未詩・独白1505/4/8 17:44
釣りをするひと未詩・独白505/3/30 14:42
美しい夜に未詩・独白18*05/3/30 0:49
侵食と同化/「某日」に寄せて散文(批評 ...6*05/3/23 0:09
動物園 2未詩・独白10*05/3/7 17:49
セックスの話をすると腕が痺れるのでセックスの詩を書こうと思う未詩・独白12*05/3/2 0:17
さよならの挨拶を未詩・独白7*05/2/15 14:29
船旅のアゲハ未詩・独白905/2/5 10:35
水平線の濁りについて未詩・独白6*05/2/2 0:13
輪郭のない自由散文(批評 ...6*05/1/22 15:40

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