この世界には もう
ひとつも乾いた場所など無い と
そんな風に思うほど
360度 水浸しの溢れ出る水槽です。



窓を開けると 外は白い縦線で埋まる巨大な水鏡で
映った私の全身から  ....
毛むくじゃらの家猫が出かけて行ったきり
帰って来ないものだから
庭の木で啼くスズメの声が
遠慮なく鳴る目覚まし時計で
最近は、誰よりも早く窓を開けて
新しい風を味わう

あめ色の古机の上 ....
色画用紙に一日の花を描くよに



夏服の少女の贅沢なアトリエは
少し柔らかなメイプルの
敷き詰められた木床の上で
重なるパウダービーズのクッションが
転がる足先まで受け止めた ....
 今日はやたらとカラスが鳴くね

 梅雨の晴れ間の風の強い日

 まるで、おとむらいの鐘の音のよう

 黒い飛行船が青い空に消えていくよ

 風景を切り取って

 荘厳な葬送

 ....
深呼吸の意味を教えて下さい
と、遥か空に問うのです。



朝鳥が木々を揺らして
飛び立つ足元から 追いかけてくる
化学物質を溶かし空 空間を
切り裂き 切り裂き飛んで行く


 ....
郵便受けに溜まった新聞が日焼けしていた
古い日付は、風に晒されて
更に風化した遠いあなたの
背中に張り付いて 
帰ってこない のに


201号室の、窓から入る西日を受けながら
忘れて ....
    抹茶クリームあんみつ 白玉添え




でまちやなぎで待ち合わせした あのこのお口にイチゴミルク
ま行の言葉に絡まって 甘ったるいのさ とろけそうだよ



都電の ....
    田中君は今日も元気




弧を描くよな風が 短い場所でおおらかに吹いていた
湿度の低い 午後3時



フレアスカート プリーツスカート ふくらんだりして
白桃や北 ....
   
    星砂ヶ浜



夜 月光のまぶしさに
まばたき出来ない お魚が
目に焼き付ける 星のまたたき


しばしば するので 砂で洗った
こそこそ するので 飛び跳ね回っ ....
今頃は、さらさらした風が吹いてきて
いつも 左肩から
あなたを感じる匂いが します。




昨日 通ったことのない
知らない道でデジャヴした
山吹色の花咲く庭の
崩れかけた壁の上 ....
使い古された洗濯機から
排水ホースが引き抜かれた
水曜日の朝

子鬼だろうか
幽霊だろうか
革命 だろうか?

色落ちした青いシャツ
引き裂かれたピンクのハンカチ
絡まった男女の下 ....
  星の夜には
空から銀糸が降りてくるという幻想を持って
  今は亡き
あの人と、あの人と、あの人と、あの子 と
日記のような会話をします。


瞬いた先から、雫が玉のように伝わって
 ....
 堆積する僕らの羽で世界は作られるという話。


リノリウムの床を滑らない上履きの爪先
ゴム製の高音が窓に当たる
スーパーボールの見えない躍動
それが、君らの証しだ。 そして


 ....
牧場は、今日も晴れるや。
山の向こうまで続く青空に
ポツリ、ポツリ 綿雲
良く乾いた干草が ホロホロと
風に浮かびそうな具合で
何となく 美味しそうだと思うのは
雑食動物の脳内変換 ゆえ
 ....
失いかけた
午後の空白から
歌が聞こえる

 「バイバイ」と言っているんだね

とどまらない風が連れて行く
小さな声の始まり
先端が少し冷たい





君のフライングが
 ....
石鹸 ストロー 含ませて 
        空  へ。

虹の円 数秒の悦楽 
風の強い 晴れた 薄青へ
     飛んで  行け。

儚い 宙と 思慕


「そのうち」


 ....
  あれから、もう何年経ってしまったのか
  思い出したくないような そんな気持ちで
  今を生きていることを 許してください。
 
 *********************



 ....
染み一つ無い真白な紙を埋め尽くす
白い詩の燃え尽きた詩人よ
家中のペン先が折れ曲がる筆圧で
描く 角張った情景
放り出した原稿のマス目から
飛び出す遊び文字を拾い集めて
茹で上げる アルフ ....
フラッシュアニメを漁っていたら見つけてしまった・・・!
ムービーあり、ゲームあり、運動会あり???
笑える『キサキモン』ワールドをご堪能くださいませ♪
(キサキモン。スモールライトで一体どー ....
アネモネの花 流れる小川に
足を浸して赤味差す小さな、ほのか
足先の揺れる水光り
長く尾を引く清流に
白竜の子 触れるという

ロング・ロング・ア・ゴー 昔話の
ロング・ロング・ア・ゴー ....
午後に揺れる はちみつ色の池が
   とろり とろり
  眠くて仕方ありません

医学的にホルモン・バランス
春の陽気を否めませんのよ




かすんだ景色を走るの 普通電車が
 ....
連立する高層住宅の緑は孤独
メタリックな金魚は
雨の日に口を開けて上昇するんだ


施錠された鍵は傷ついている
何度も何度も何度も
屋上に取り付けられたばかりに
また傷ついている
無 ....
道端に操り人形
ごまかして 抜き足差し足
阿波踊りで路地に消えても
光りに照らされて糸 見えてますから

聖なる夜にサーチライトの雨あられ
悪行は穴の開いたカビカビチーズ
大衆の面前で焼 ....
長く伸びた草野原が
風に揺れているので 波

転げ落ちた赤い実
踊るよ 上へ上へ

昨日 満開の花びらが
今日 空へ旅立つ色彩の吹雪
舞い上がる柔らかい湿度
甘い香りを連れて 一斉に ....
ロックなポスターを剥がして花の絵を飾ったら
深窓の令嬢になれるかしら と考えているタバコ屋の看板娘
小さなガラス窓の奥に座る姿は ある意味「深窓の令嬢」?




ホッとひと息 サンタク ....
昔住んでいた家の近所の円柱形のポストから
私に 手紙を出したいんです




近くには小さな神社 小さなトカゲが住んでます
土を掘って数センチ グレーの粘土質の柔らかい土が現れて
ころ ....
花占いをする少女の背中から
日向の匂いがしたりして
指先からこぼれる花びらがオレンジで
昨日降った雨の湿土を
温かく変えて行くのは
その答えが「イエス」だからなのでしょうか

お幸せに  ....
月 太陽 侵食 やがて三日月
  雲が形を変えて流れるスピード いつもより速く
  そんな日は風が冷たい もうすぐ冬に浸る体温
  温もりが恋しい と 手足が騒ぎ出しそうだ



夜11 ....
白い大理石の上で眠りたいの 赤ワインを1本と少々飲んだのよ
ヒンヤリした床の上で丸くなって眠りたいの
ここが美術館の巨大絵画の前でもね


例えば 誰かに「あっちにお行き!」と言われたら
 ....
 もうそこに 映る事無く 古道具屋に 
       売られて行くの  三面鏡


正面より左角度横顔の すまし顔
見ては微笑む 私の髪は
ちょうど腰のあたり
窓辺から光り差して 少し赤 ....
千月 話子(147)
タイトル カテゴリ Point 日付
2005・7 雨の終わりの日記自由詩17*05/7/7 23:53
 臭う家自由詩18*05/6/25 23:35
花模様スケッチ自由詩9*05/6/19 16:54
回航自由詩8*05/6/15 23:19
ブルー・ハーツ自由詩11*05/6/8 23:46
メゾン 『ノワール』自由詩34*05/5/30 23:34
1/f のゆらぎ (3)自由詩3*05/5/22 17:29
1/f のゆらぎ (2)自由詩7*05/5/22 17:14
1/f のゆらぎ (1)自由詩8*05/5/22 17:00
ベルリン自由詩11*05/5/16 23:35
ありふれた日常と見たことのない世界自由詩3*05/5/7 17:25
金曜の星夜 土曜の月夜自由詩11*05/4/26 2:13
堆積する、あらゆる羽で世界は作られる自由詩11*05/4/15 17:30
裸のマリー自由詩10*05/4/6 17:28
陽の当たる部屋、刹那と箱と自由詩11*05/3/23 22:43
遊び飽きた日自由詩7*05/3/15 17:44
misa自由詩7*05/3/3 17:51
雪紙マイナス五度上の白詩人自由詩8*05/2/19 17:55
ドラえもんじゃないのよ『キサキモン』おすすめリ ...2*05/2/18 0:34
水辺の、ほのか自由詩8*05/2/9 23:10
うたた寝 うらら自由詩9*05/1/30 16:27
屋上スタイル自由詩13*05/1/23 16:48
テンちゅう(天誅)と申します。自由詩4*05/1/18 23:12
回遊図書/表紙自由詩8*05/1/10 17:11
どうでもいいようで極めて重要な考察自由詩7*05/1/1 0:20
赤いポストと遠い夜自由詩8*04/12/22 23:12
段々と自由詩8*04/12/11 16:27
わがままな侵食自由詩3*04/12/4 16:42
酔っ払って記憶を失くす程の勇気をください。自由詩4*04/11/28 17:08
『三面鏡』哀歌自由詩5*04/11/18 16:51

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