シュリルシュリルリシュリルリリ

僕らというこの現象は
溶けきれずにはみ出した
二酸化炭素の泡沫です
着色された青色の
歪められた電灯です
落ちることの許されない
小さき声の記号です
甘味料に騙されな ....
煉瓦を積み上げて
高く登ろうとしていたのに
周囲ばかりに積んでいたから
自分を中心に、塔を作ってしまった
出られないのだろう、と、
上しか見えない僕に言うのは
通りすがりの鳥ばかりで
うん、とも ....
2010/06/10

空気
窒素、酸素、二酸化炭素、空虚、おかしみ

ポケット
ハンカチ、携帯電話、あめ玉、コイン、鍵、決意、手


絵画、イラスト、デザイン画、タイトル、著者名、願い

機械
削 ....
網戸の張り替えをしようと外しにかかると
空がところてんのように
にゅーっと切り取られました
あまりにおいしそうなので
私が黒蜜をかけて食べようとすると
だめだよ、と貴女が言いました
どうして、と聞いて ....
わかりません
と、言った私の言うことが
わかりません、という顔を貴女がしていました。
貴女は、わかりません、を
私の胸から摘んで取り出しました。
私のわかりませんは、氷山の一角で
とりあえず、食卓に置 ....
81
棚の上に置かれた卵の装飾から産まれたカッコウのひなは、早速、置き時計を下に落とした。

82
あなたは、私の中から一回り小さい私を取り出し、その中からまた一回り小さい私を取り出し、を繰り返した。 ....
カスピ海にも ヨーグルトにも 興味がないから
もっと ほかのことを語ろう

テレビショッピングの人魚

深夜 まばたきが追いつかなくなった深海魚
青白い光に照らされ 沈んでいた

カクテルグラスにヨー ....
   古都に沈む日に対し
   石壁の隙間は見事に
   写し鏡の上下間違い
   ピンホールカメラが
   削り張り付けた人影
   キャラバンのテント
   広大な背後を恐れよ
   砂にま ....
71
秒針が刻み続けてきた、時間の千切りは山のように盛られ、おかわり自由。

72
少年が教科書の偉人の顔に落書きをしていると、気づけば少年の顔にも髭が生えてきた。

73
ある科学者は永遠の命を求め ....

小鬼、閉じこめた春雷
ささやきはインクに紛れて
その扉を通り抜けて、火の粉が散る
誘い込まれた、お菓子の家
小鬼をめくる
13ページ目、はじめまして。


小鬼、紙を食む梅雨
重なるように二つ並 ....
{引用=(自動扉の開く気配
 夏の口が開き熱っぽい舌が僕をなめる
 揺れる木漏れ日 吹き出す汗 シャツを流れる風
 即興的に産まれたノイズ まぶしいタイル 
 葉の擦れ合う音 靴ひも 蝉の声はさらに重 ....
61
誕生パーティ、彼女がホールのケーキを切り分けると、集まったボーイフレンドたちの支持率が見て取れた。

62
目的地への案内板が「↓」であったので、スコップを探そう。

63
形見わけ、故人の押入 ....
51
私は空っぽなんだ、と悲痛な様子で訴えてくる私のおなかは、しかし三段もある。

52
彼女は、彼が、時間がないと繰り返さなければ、充分な時間がとれることに気づいて、口で口をふさいだ。

53
その ....
二機は、一晩中逃げ回っていた
飛行機は、蜘蛛の巣に引っかかっていた
「プレーンモビルって言うんだよ」
「ふーん」
夜、僕らの残骸が、露に濡れて光を放った
蜘蛛、手をつないだ僕と君
バランスをとって緩や ....
41
前向きな人として有名な彼は、後頭部にもう一つの顔を隠しているので、いつも前しか向けない。

42
彼は、彼女が、あなたはまるで風見鶏ね、と非難したのを聞いて、風に向かって立ついい男だろう、と自慢 ....
31
朝日は海の深いところに落ちている。

32
彼女は、彼の下駄箱に手紙が入っていたのを見て、代わりにポストに投函した。

33
彼がアルバムを整理していると、出会う前の写真に不自然なほど写り込む、 ....
21
恋人が血塗れの姿で、私の頭を凝視してくる。

22
砂を吐いていると、あさりがたくさん採れたね、とブルーの壁に区切られた丸い空から聞こえた。

23
科学者が妻に、ナスカの地上絵は飛んだのだ、と ....
11
お互いのしっぽを追いかけてスピードを上げていく二匹の犬がだんだんと子犬に戻っていく。

12
少女の肩には、今まで出会った男性の手の跡がびっしりと刻まれている。

13
彼は、彼女が、オレンジジ ....

妻は、朝起きられない私がニワトリになろうと決意するのをみて、包丁を研ぎ始めた。


ほんとだよ、を繰り返す恋人の話に、うそでしょ、と繰り返す彼女は、恋人が嘘になるよう、お祈りするのを欠かさない。 ....
進化の枝につかまって
落っこちそうになりながら
僕らはみんな五本指
ものをつかむための指

進化の枝につかまって
落っこちそうになりながら
僕らはみんな四本指
速く走るための指

進化の枝につかまって ....
雨が降る、と描写する
詩人に少女がいいました
「雨の日だけが、悲しいなんて、なんて幸せなんでしょう」

詩人は黙って書きました
「あなたが晴れを悲しむから、僕は雨を書くのです」

少女は「そう」とうつ ....
ベッドで海を渡る詩
空にはカモメが飛んでいる。

ベッドで海を渡る詩
港のすべてが満席さ。

ベッドで海を渡る詩
僕はあなたにおじゃまして

ベッドで海を渡る詩
あなたの名前を海にする。
日曜の浜辺を少女が歩くと
海は境を失って
空気のすべてが海になる

宛先のないという名の手紙
インクが海に溶けだして
魚になって泳いでいった。

悲しそうにうつむいて
少女は機械に話します
「電波の届 ....
「other=M」

浜名湖畔に住む老人が、言葉を発しない
物語調に、省みた波が今日もM字を描く
潮干狩りにきて、指を挟んだカニのハサミが外れてしまう
僕のせいじゃない
骨を砕いたような雲が
大声で笑 ....
  どの花瓶になるだろう
  竹のはなが生けるのは
  月の国から降り立って
  娘は、衣を置いていく
  静か揺らめく白い羽衣
  薬の燃えた、白い灰煙
  糸のようにすっと伸び
  あなたの元に ....
小さく青い顔をして
螺旋を描く
お互いの邪魔をすることなく
月の明かりを譲り合っている
ラ・カンパネラ
勇気もなく
孤独でもない
頬を撫でる風
君たちは、愛を、月光からもらう
下を向いて涼やかに鳴る ....
ん、へと続く道しるべの横で
君は、うとうととして。

途中の、い、には、しっかり捕まっている
君の神経には、ずいぶん助けられているけれど
あまり、る、に捕まらないようにしてほしいな。
君は、とても美し ....
シャーロック・ホームズは、自らを猟犬と言う
時に住処を荒らす音楽をかけようか
イメージを膨らませたら
遠吠えを聞きなさい、愛すべき空白
ラジカセ持ってきてよ
掻き鳴らせギター、夜明けに雨に
さあ、波 ....
(シェフ:こちらの席へどうぞ)

1春と叙情物語の香草添え

男は、立ち尽くしているのでした。

私は、釣り人の肩を、自分の席としております。
今年も春がやってきましたね、おとうさん。
この花びらの ....
強い風に飛ばされないように
セロハンテープで貼り付けるウサギたち
やぁ、君も手伝ってくれないか
ところ狭しと駆け回っている。
いや、私には結構だよ。
やんわりと断る
そうやって、散らないように努力する ....
クローバー(161)
タイトル カテゴリ Point 日付
炭酸水と夏の気配自由詩2*10/6/13 22:33
自尊心自由詩4*10/6/10 22:29
ラベル表示をご覧ください自由詩1*10/6/10 22:20
空のかたち自由詩2*10/6/2 22:25
わかりません自由詩2*10/6/2 22:09
全手動一行物語(81〜90)自由詩5*10/5/31 23:53
カスピ海ヨーグルト自由詩1*10/5/31 22:04
零れ日カメラ自由詩4*10/5/26 23:07
全手動一行物語(71〜80)自由詩3*10/5/26 22:07
書物の家自由詩0*10/5/23 13:50
夏の揺らぎ自由詩1*10/5/22 23:11
全手動一行物語(61〜70)自由詩4*10/5/21 22:35
全手動一行物語(51〜60)自由詩3*10/5/20 19:41
空色めくり自由詩3*10/5/14 20:11
全手動一行物語(41〜50)自由詩2*10/5/14 3:25
全手動一行物語(31〜40)自由詩8*10/5/12 22:31
全手動一行物語(21〜30)自由詩5*10/5/11 23:40
全手動一行物語(11〜20)自由詩4*10/5/10 22:53
全手動一行物語(1〜10)自由詩2*10/5/9 23:59
小指から散る自由詩1*10/5/7 2:19
自由詩1*10/5/5 23:31
ベッドで海を渡る詩(うた)自由詩2*10/5/5 23:27
宛先のないという名の手紙自由詩1*10/5/5 23:24
other=M自由詩1*10/5/4 22:56
竹のはな自由詩2*10/4/25 0:59
ラ・カンパネラ(春について7)自由詩2*10/4/21 22:14
「ふと」自由詩2*10/4/19 21:31
海を渡る狼自由詩1*10/4/19 21:22
春の席(春について6)自由詩2*10/4/16 1:32
春の切符(春について5)自由詩2*10/4/13 21:44

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