エスカリエの沈黙・試論


、林檎を齧りながら
 本を読んで いました。

そして、静かに、

 手を伸ばせば取れるほど
 真近かに
 林檎は
 赤く光って いました。

今 ....


   黒い三日月




ユアーン及びユヨーンが、それこそ
ユヤユヨン、ユヨユヤンと、往復し交錯していた。


ぼくの心さ


Ho!Ho!Ho!
胃袋を吐く

 ....


折り鶴が一つ 夢の痕に置いてある
明日は飛んでいくに違いない
ほど羽根を広げて

まるで指先のように
僕を見つめた儘

記憶の皮膚をつついてる

 『 風 車 』



寂しい路の傍に、忘れられた 
{ルビ風車=かざぐるま}売りの 荷台が一つ
ポツンと、あった。
  風の強い日
色付きの 沢山の風車が、、
虚しく 激しく、そこ ....
++

   第 一 章


どうしようもなく雨が訪れる日々がある。
だけど長くは続かない。
けれど、あのときは…
雨は、いつまでもやまなかった…

それを予感というのなら、たしか ....


 『 デッサン DESSIN 』




   『廃屋』


押入れの中で舌を出している人形が、
暗闇に腹を立てていた
しずかな雨の音に
埃だらけの靴は下駄箱でかぶりを ....
亀裂のように微笑んだ
一瞬の
閃きの砲火が
砂に埋れてしまった海の
海の破片(かけら)を
思い出す
 夢


空に啼いている鳥がいる
攫めそうで攫めないと
啼いている…鳥 ....


 『微笑む肖像』


荒涼とした
砂漠をゆく 幻の駱駝が、
ふいに
輪廻するように、

ときに肖像画は、
物語を話すことがある。

ルーヴルからある日、
怪盗の手によ ....


昨日でいっぱいだった一日を過ぎてみると
何もなかった もう何処にも
やがて夕暮れを噛んだまま
灯りも付けない僕が
何かを乞う人のように
佇んでいる

残されていたのは
顔色の ....
白い 月の落葉が
いく時も
降り散る


果てしもなく
埋もれてゆく
光の
孤独

故郷であの日 掌に吐いた息のように
寒く、慄えて

深い底に さだめないまま
沈み埋も ....
見つめていた風が
 いつのまにか
ぼく の頬に触れた

やがて 
このまま 真っ直ぐ 下にある谷に
ぼく は抱かれるだろう

巨きな魚が蝶を呑むように
 腹の中に
ぼく は消えてい ....
予感は、急角度に侵入する胎児だ


樹々が複雑に伸ばした細い腕の先のほうに留まると、其処で眠る


それがいつ後悔に姿を変えるのか瞬間を見たものはいない


気づいた時にはもう

 ....
〈ふつふつと煮えたぎる〉孤独の中で、
〈爆発と偉業の準備〉をするために帰る
  「夜の屋根裏部屋」には、
 過去を殺したナイフが、
 心臓に 突き刺さっている。

盲目の壁を背に野うさぎの ....


(或阿呆の一生)が、それでも
まだかなりの時間 残ってる。
所詮は、
断章に過ぎずとも
初恋の
Cleopatra の鼻すらも、
もう思い出せもしなくとも
地球の表情は、いった ....


 沈黙の音信



夜中の音で目が覚める。
パチンとかバタンという音ではない
カンカンカンカン
トタン屋根の上を 何かが 
走り去る 音

抱きかかえられるのは嫌よ。猫み ....
 「条痕」


ぼくは、〈沈黙〉のまわりで遊んでいたことがある。
なんの裏付けも無いことばよりもそれが信じられたのだ。

大人たちの居間で飛び交う〈ことば〉の
ひどく空ろな虚構より

 ....


 空っぽ



頬では乾いた涙が
カラッポの
胃のなかをまだ流れ落ちている

愛混じりの雨が ポツポツと
また落ちてくる気配がする

昔、ぼくの玩具箱はカラッポで、
 ....

「イメージングLABO」




山? さん、 三 描っけ 欠っけ、、
さんかっけ ――が、

頂点から崩れるような感じで上に吸い込まれていく
だんだんと上の方から 上に向かっ ....
:四行詩:


 #


「迷宮入事件の深層」
詩の、死亡推定時刻に、
あなたは、いったい何をしていましたか?
偶像崇拝?異端審問? えっ、罪の無い作文を書いてた?
みんなやってる ....


 ファイブ・ペニーズ


 ベンチ

耳を澄ましていた ただ耳を そっと
じっと 動かずに
夜更けの三時に誰かが夕食をたべるときも
そっと ただ
噴水の音だけを聴いていた。 ....
 無をゆく舟

       ハァモニィベル


点景(へ)
流れ混む
厚い
{ルビ光=ウリム}の闇。

それが、
炎に似た
輪郭の影を
灼き尽くしていく

再び――、 ....
 星とたんぽぽ

   by ハァモニィベル




星は 空にいて 地面に咲く
 たんぽぽ が 好きでした


たんぽぽ も 空を見上げて
 そこにいる 星のことが 好きで ....
今年(2016年)四月。つまり今。
スレッド会議室<詩ヌマデアイ詩テ (雑談系)>で、
私が企画した

★ プチ企画 【幻想30】

が開催中である。

本稿は、そのリアルタイムの経 ....
*

 シャッフル


雨合羽の内側みたいに湿った霧の夜
水槽に堕ちた帽子のように少しずつ想い出す
刻まれたまま床に散乱している時間

ボロボロに傷ついた
一枚一枚を拾い集め
 ....


 『人体模型ノぶるーす』


SCENE1.(校庭にて)
ものすごい音がした。
登校中の生徒たちはみな、
音のする方を見た。
 ―光り輝く羽飾りのヘルメット
 ―厚い革製の盾 ....
4月の勉強会のテーマ:こども向けの作品を書いてみる。
  詳細は、: 詩ヌマデアイ詩テ
http://po-m.com/forum/threadshow.php?did=316267
をご観覧 ....
  
  「アイスキュロスが笑ってる」

#1

「赤い」といったら何だろう?
赤いおハナを思い出す
そうだね真っ赤な真っ赤なお鼻のトナカイさん。

クリマスといったら何でし ....


「みんな咲いている」
     ハァモニィベル



手のひらが咲く 
咲き乱れもせずに
花びらになって


咲いている父の大きな手の上に
母の手のひらが咲き
その ....


 揺れうごく海の十字路に惑う貝のように耳をかたむけて聞いてくれ過去の響きが詩人の影をなぞるように血が谺する想像の蜜のほとりで死に絶えた喜びに養われた真実だけをそっと告げてくれ灰色の病める神が ....




 中学の頃の話だ。近所のセントバーナード犬をよく散歩させていた。
図体は巨大なくせに子犬に勇ましく吠えられると、かならずいそいそと私の方へ戻ってくるような気弱な(あるいは優しい)奴 ....
ハァモニィベル(196)
タイトル カテゴリ Point 日付
エスカリエの沈黙・試論[group]自由詩4*17/1/27 8:39
黒い三日月[group]自由詩2*17/1/25 6:19
祈リ鶴[group]自由詩4*17/1/25 6:18
『 風 車 』[group]自由詩2*17/1/25 6:16
宿命の CANDIDE[group]散文(批評 ...0*17/1/23 23:53
『 デッサン DESSIN 』[group]自由詩3*17/1/23 23:51
『 十四行ノ居似詩絵 』[group]自由詩2*17/1/23 23:49
『微笑む肖像』[group]自由詩1*17/1/21 1:45
 行方自由詩3*16/10/19 7:38
 白い月の落葉 (静夜思)自由詩2*16/10/9 18:18
 「ミネルヴァとヤヌス」自由詩5*16/10/3 13:46
 純粋な記憶自由詩5*16/9/7 1:07
 灰の肖像自由詩3*16/8/4 18:50
或阿呆の一生自由詩2*16/6/8 20:30
沈黙の音信自由詩1*16/5/27 13:46
条痕自由詩3*16/5/21 21:52
空っぽ[group]自由詩2*16/5/16 20:33
イメージングLABO[group]自由詩3*16/5/15 23:55
四行詩[group]自由詩3*16/5/13 18:35
ファイブ・ペニーズ[group]自由詩2*16/5/8 1:22
無をゆく舟   /課題投稿[group]自由詩2*16/4/15 16:37
星とたんぽぽ   【課題投稿作品】[group]自由詩1*16/4/14 12:02
★ プチ企画 【幻想30】[group]散文(批評 ...016/4/7 1:19
シャッフル  /【幻想30】作品[group]自由詩4*16/4/5 16:14
『人体模型ノぶるーす』  /【笑い部門】[group]自由詩1*16/4/2 12:52
★ 4月の状況[group]おすすめリ ...1*16/4/2 12:50
アイスキュロスが笑ってる[group]自由詩116/4/2 12:37
「みんな咲いている」 【うた部門】[group]自由詩2*16/3/29 7:22
聖謐のマニフェ自由詩2*16/3/28 7:19
ぜんぶ自由詩3*16/3/27 2:49

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