風の便りに聞いたんだけどさあ
20年も筆を折ったままだったおまえが
またぞろ詩を書いているんだってね

どうゆう風の吹き回しだか知らないけど
本棚一杯の現代詩手帳やユリイカ
荒川洋治やら訳 ....
詩人は
小心者で繊細な癖して
意外とだらしない
ちらかった原稿用紙の上
飲みかけの缶ビール
吸殻だらけの灰皿
空の100円ライター
そして一冊の詩集
ボードレールの悪の華

詩人は ....
君恋し改札口に佇めば嘘つきの空闇に広がり


この街のいつわり愛は面はゆく胸元揺れてなほ移ろえば


みおを引き声のまにまに小舟ゆき行き交う人の波打ち際に


漂いて水面に朽ちた古木 ....
街中を歩いていて
誰が詩人か
ひと目で
わかるのだろか

詩人らしい格好
たとえば
ベレー帽とか
黒っぽい服装に
サングラス?

詩人は
多分貧乏
だろうから
ブランド品な ....
口吸えば愛は永久にと君は言ひ嘘の眼差し思ひつく間に


タバコ消し苛つく仕草あざとくて値踏みされたか愛の深さを


出ようかと言ふきみの髪かく仕草それでも想ふきみの優しさ


街はま ....
ニ日酔い眠れぬ朝に大あくびホテルよりいずる朝日のなかで

何故に外したネクタイ風にのせ一心不乱にバット振るのか

振りぬいたバットの先に君がいて微笑みの向う打球飛ぶ

乾いた音ひとつふたつ ....
向かい愛
M字に開く股
互いの脚からませて
剥き出しの生殖器
くじるように指先
で弄び
朝の気配
取り残された満月
肉壁の輪をくぐり抜け
先っぽから一滴
斜光に垂れて
舌根に絡む ....
N大学病院の暗い廊下
名前を呼ばれるまで
俺は硬いベンチにじっと座る
ある種の臭いが辺りに漂う
無意味な延命治療を施された
患者が発する死の臭いか
それとも
薬漬けになった患者が吐き出す ....
おいらは死にたい
死にたいよ

ネクタイで首を
吊ろうと思ったが
何故かおいらはクールビス

 死にたい
 死にたい
 死にたいよ

飛び込む電車に
サラリーマン
サラ金地獄 ....
生きるも勝手
死ぬも勝手

上司と情死
不倫の果てに
手に手を取って
思い出めぐる
片道切符
湯上り浴衣
抱き合って写した写真
を形見に
海波
砕ける断崖から
身を投げる
 ....
何故かホームレスは街に棲む
しょざいなげに地下道に
初夏の花咲く公園に彼らは居る
両手いっぱいに袋を下げて
おきまりのレゲエ状態のヘアスタイル
かの国でも何故か彼らは
ショッピングバックを ....
誰かに
みせつけるように
差し出した
蒼白い手首に残る
ためらい傷一筋
取れかかった瘡蓋
赤い傷口に
鈍く光る刃先

何故に
ためらったのか
死の際で垣間見た
希望と言う名のま ....
思想が消え去った
世の中で
金の重さだけが
身にしみる

生の果てに迎える
死でさえも
路上で死に絶える者と
大学病院で手厚く
看取られる者がいる

同じ死であっても
同じ死で ....
恋月 ぴの(553)
タイトル カテゴリ Point 日付
風にふかれて自由詩4*05/7/10 18:27
詩人の性格自由詩10*05/7/8 9:53
新宿 (愛の街角) 第三章短歌4*05/7/7 22:56
詩人自由詩3*05/7/7 17:18
新宿 (愛の街角) 第ニ章短歌2*05/7/6 23:11
新宿 (愛の街角) 第一章短歌2*05/7/5 23:15
満月自由詩3*05/7/5 22:56
死診未詩・独白3*05/7/3 0:49
雨模様死景色自由詩5*05/7/2 21:42
勝手憐自由詩4*05/6/30 19:33
ホームレス自由詩15*05/6/29 18:49
恋愛死自由詩5*05/6/28 22:12
死想自由詩6*05/6/27 23:02

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