偽りにきみをつないだ
海岸は
もう恋人のなきがらのよう
堆積した都市の底で
雨が流れる音だけが
きこえていた

錆び鉄の壁に
ケーブルで接続されたコンソールの
身体が明滅している

エピローグ
いつか見つけるきみの姿に
想像力がとど ....
私は隣のベッドの由香さんをみつめる。
窓際で由香さんのシロツメクサのパジャマが
かすかに上下している。

外を眺めたまま眠ってしまったのかもしれない。
そう思って、ほっと息を吐く。
眠れな ....
放しても
飛ばず撫でると
目を閉じて
ささやく声で
甘えて鳴く
幽霊が
月に生まれて
ロケットの
斜めの影に
そっと寄り添う
「じゃあ、このスピーカがとまったらどうするの?」
「はい。だいじょうぶ。スピーカがとまったことを知らせるスピーカが鳴りますので」
「もしそれも鳴らなかったら?」
「窓の下で網がひらく仕組みに ....
紙切れを全部
宝石にかえてしまって
世界から落とすと

もうひとつの世界では
踊るヒトデが
それを重しに
深海に沈んでいく
きみからの
手紙にあてた
水蒸気
他にもなにか
あると思って
空港の
ポストに入れた
絵葉書は
きみに会うより
あとにとどくね
迷ってて
あなたがさきに
言ったから
心がひとつ
コトリと消える
スーツケースに座って
迎えの車を待っていると
これから旅立つ人たちがいて
不思議

一秒のすきまもなく
誰かが空の上にいて

未来を保留し続けていく
胸が痛むような思いをしてない
ふいに窓が開いても外を見ないことがある
カリフォルニアの陽射しと乾燥に
肌がもつれた

その重さは
私のために作られたものではなかった
眠っているうちに誰か ....
充電中の星たちは
プラズマにあとを任せて

光らない速度で
都市と都市をつなぐ

その間にあるのは
エベレストナイルの船団

誰もたどりつけない海に浮かぶ
この辺で
消えたはずなの
テレパシー
直接言えば
いいことだけど
深海の
砂一粒が
目を閉じて
魚の夢を
透明にする
思い出の
ダイアモンドは
あなたです
忘れるために
わざとなくした
眠れない時計が
明け方を待っている
西を向いて

閉め忘れた
数センチの隙間から
冷たい夜が流れ込んできて

文字盤に触れたのち
硝子の両側で結露する

時刻を不確かに
温度差 ....
世界樹の底に
獣のように眠る
深い緑の牢番

あの扉を越えなければ
心配事はなにもない
歩いて2分で砂浜だったら
毎日走るよねって

引っ越したときに
話してたことなんだけど

走ってないです

治安がいいから
夜も歩けるんだけど
アメリカでは傘は手に入りにくいって
そう思い込んでいたから
普通にスーパーで売ってて安心した

見たところ
半分くらいのひとはささないけどね

雨の日は、パーカーとか
冬物のコートを着 ....
後ろめたそうに
店に入ってからも帽子を
とらない男が
パンのおかわりを頼むだろうか?

「いつもはそんなに食べないんですけど」
そう恐縮しながら
「バターもお願いできますか?」
な ....
一枚に
切りはなされた
僕たちは
その中でさえ
変化していく
不意打ちは
やめてください
私まだ
守りの魔法
持ってないです
この町は
砂漠に飲まれ
閉ざされた
衛星からも
とどかない場所
その舗道の影は
拾えそうなくらいに黒いじゃないか

お前さんのチョコレートの髪は
このカンザスの太陽で溶けちまわないのか

荷物のなかに
傘がなくても平気か?

あっちはもうカンザス ....
顔を上げてホットチョコレートを
口にするたびに

きみは編み物の手をとめて
「おもしろい?」と微笑む

僕はうなずいて伸びをしながら
虹彩できみが姉の方だと気付く
ベッドの柵をつかんだきみの
瞳は高熱を宿して
生きる力を動物にゆだねていた

水だけを飲み丸くなって

変わらないものは美しい
そう語っていたきみの
姿はどこにもない

物語の ....
さよならは
もういいません
これからは
バレエを習って
ターンしてます
春休み
きみをみつけて
魚釣り
偶然はもう
運命じゃない?
手のひらに
私だけいて
胸からは
鼓動と孤独
探したいのは
mizunomadoka(541)
タイトル カテゴリ Point 日付
farewell短歌110/5/8 23:30
mercury自由詩510/5/8 17:35
swan自由詩2+10/5/8 0:11
penguin-sparrow短歌410/5/8 0:08
ghost of the moon短歌110/5/8 0:06
norm自由詩110/5/8 0:05
fade away自由詩310/5/7 15:41
ps短歌310/5/7 0:08
postcard短歌210/5/6 22:35
No.2短歌410/5/6 22:35
who is it自由詩310/5/6 22:33
first direction自由詩410/5/6 22:32
last convoy自由詩410/4/28 0:10
message短歌210/4/28 0:07
aquamarine短歌610/4/27 3:14
synthetic短歌210/4/27 3:11
lapis lazuli自由詩410/4/27 3:07
emerald自由詩210/4/27 3:03
lack of exercise自由詩110/4/25 23:15
still wet自由詩110/4/25 23:05
waitress自由詩010/4/25 22:57
photo短歌310/4/25 21:47
protect短歌110/4/25 21:33
last one短歌310/4/25 21:14
kansas自由詩310/4/24 20:41
replacement自由詩110/4/24 20:36
alteration自由詩210/4/24 20:34
a turn短歌310/4/24 19:47
fate of us短歌110/4/24 19:45
on my palm短歌010/4/24 19:42

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