古い洗濯機が回る
脱水の力はもうない

母親が捨てるのはもったいないから
おばあちゃんちに持って行って
花壇かエコカプセルにしましょうと
言ったから

春になれば
それらしく緑になる ....
眠る月
きみは銀河に浮かぶ
きみは灰
月の興味を失う
あなたが先に教室を出ていく
雨が降る前に帰りたい
ぼやけた緑の黒板
廊下はもう湿っぽい
誰もいない教室がならんで
停泊してる船
セレモニーが終わる

家から1マイルほど離れた公園で
タクシーを降りて
ナップサックを開け
鍵をさがした

予想に反して
父親がドアの前で待っていた
「疲れたか?」
私は首をふった ....
あなたの隣で関羽が世を憂いている
あなたの隣で横断歩道に並んで
あなたの隣で青信号を待ちながら
青龍偃月刀に鬚髯を搦めている

あなたは彼ほど強くないけれど
今関羽は眩しそうに
隣で生き ....
砂糖の角を削る
わたしはわたしに必要な分だけ
あなたからあなたを削る
雪原を歩いて川の縁に立つ
流れに足をつけ
靴底で感触を確かめる
目の前を無数の氷雪が流れていく
昨日のことを考えて
ヌルヌルと滑る生物の営みに
足を取られそうになる





 ....
本の外側に立っている
捨てられた帯には
「ここに解凍しますか?」
と書かれている
灰をかき出しながら
背中の痛みを感じていた
ひどく殴られた場所が熱を持ち
直そうとしているのだろうか

この灰は人間だったものだ
そして薬になる
被害者がここにやってくる

スコップ ....
古く錆びれた配管の中で
ライトを咥えて屈みこんでいる
作業服に目出し帽、ジーンズの尻は破れ
左手で右手を押さえている
くそったれな血め・・
鍋つかみだってなんだっていいからしておくべきだった ....
一緒に食事をするときは
3つ離れたテーブルに座ります

電車はひとつ遅れます

あなたの姿の端っこが
見えてるくらいの所にいます

急に踏み込まれると
うろたえてしまうので
校庭か ....
日曜日のスーパーできみに会って
問題はヒゲを剃ってこなかったことと、それに服がださいことと
まあ色々あるけどとりあえずあわててエチケットカミソリを買ってトイレで剃ったら
すげー痛くて「血が出てる ....
カッコウが火の鳥のまねをしている
帽子みたいに着せかえられれば
よかったのにね
夢中になりすぎて枝から落ちるキツツキの
ものすごい顔
僕に助けを求めて鳴く
カッコウ
わたしが泣き出すと
姉は自分の手のひらにエノキさんを描いて
「もう泣きやみな」と言った
エノキさんは森の木こりだった

中学にあがったとき
両手にマニキュアを塗ってくれた
わたしは水色の ....
テーブルのチェス盤を
ホームレスの男が布きれで拭いていた
ジュースや鳥の糞をこすり落とし
手でベンチの砂を払う

彼は物乞いではなかったけれど
ここに通う常連は
ヌードルやスナック、財布 ....
一緒の学校だったらよかったね
同じ歌がすきだったのにね
いつかどこかで会いましょう
いつか一緒になりましょう
来世はないけれど
想像するのは楽しいね
ミシガン

叔父がテーブルのオレンジを
見つめたまま
わたしに話しかける
「種のない実をつける木を見たことがあるか?」

わたしは首をふる
気の利いた答えを
期待されてるわけではない ....
どうしてきみの猫は笑うのだ?
私の猫は笑わないのに
どうしてきみのカレーは肉が多いのだ?

明日は大雪になると
天気予報がゆってたから
四十%オフの長靴と合羽セットを買ったのに
風邪を引 ....
乗り合わせたエスティマの中で
係長が少女のように笑ってた
動かないエスカレーター
標識
地下五十二階

これ以上進むよりも先に
シャッターを壊して役立つものを
手に入れるべきだろうか
それとも誰かを・・

エスカレーターの底が見えない

 ....
色のない鉱石を積んで
仲間を探した

冷帯のないこの地方には
生きる望みがあった

書庫だった場所を掘り返し
判読できる紙を集めて
キャンプに持ち帰った

同じ日々が続く

薬 ....
いつ死んでもいいよねと
得意げに話してる友達と私は
まだ動けるうちにと
世界旅行を始めた

最初は紙で
それからインターネット
英会話にワクチン
パスポートも更新した

いつ死んで ....
ねえ、白い光が
今はない私たちと空気を照らして
ビルのなかで踊ったこと

きれいだったね。楽しかったね。

そのほとんどが
嘘と勘違いだったね
ここは暗い
真冬なのにすこし暖かい
夜着を纏ったきみの
白い幽かな手を
所在なさげに見てる

ああ、ここは果て
想像したものではなかったけれど
きみと一緒でよかった

長く白い煙の ....
詩をせっせと保存して
私はあなたを保存する

絵をせっせと保存して
右クリックの達人になる

マウスなんて使わないよと
キーボードマスターのきみが言う

ソフトでダウンロードすれば簡 ....
紙の命が燃えていく
きみは手をのばす

霙が灰になっていく
「ううん、きてくれてありがとう」
 そういって僕は紅茶を注いだ。
「熱いから気をつけて」
「ありがとう」

 再び静寂が訪れて、紅茶の香りが強くなる。
風の音がきこえる。カタカタと揺れる窓 ....
一生懸命考えてるけれど
今は悲しいから分からない
いつからか
生きてるわたしたちよりも
そちら側のほうが多いのね
銀色のきみの命は動かないまま
綺麗になるね
きれいになるね
mizunomadoka(541)
タイトル カテゴリ Point 日付
春になれば自由詩212/2/28 22:38
十字架のクレイドル自由詩112/2/28 22:01
自由詩112/2/28 21:34
逃げるべきだった自由詩212/2/27 22:10
関帝自由詩012/2/27 20:53
絵具自由詩212/2/26 14:01
前日自由詩0+12/2/24 18:24
全部自由詩112/2/23 20:25
台座自由詩012/2/23 19:48
男が自由詩312/2/21 23:03
縷々自由詩112/2/21 20:32
10年だな自由詩512/2/20 22:27
キツツキと自由詩2+12/2/20 21:19
姉の魔法自由詩1012/2/20 20:07
返事自由詩412/2/19 20:20
someday自由詩112/2/19 19:28
Michigan自由詩212/2/19 19:01
週末自由詩112/2/18 18:34
大会の準備自由詩212/2/17 19:01
地下自由詩012/2/16 23:01
end自由詩312/2/14 22:06
off the window自由詩112/2/14 21:54
信じられない私に自由詩012/2/14 21:39
コルトメール自由詩112/2/11 9:45
達人になるから自由詩012/2/11 9:32
mizore自由詩012/2/9 23:56
pendius自由詩0+12/2/9 23:38
YN自由詩212/2/9 22:48
book-end短歌412/1/9 15:40
chained短歌112/1/9 14:59

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