お義母さま
あきの こごえです
朝風に 精霊バッタの羽音が
そっと 雫を 天に すくいあげています

何が終わったのでしょう
もう はじまりはじめの空
むかしむかしの反対のはじまりのはじ ....
背後霊の手は長く
千手観音よりも多い
ただ
多ければ良いという
ものでも ない

人間の役に立つのは 人間の手と同じ数
つまり 二本の手がもっとも便利
背後霊にもイカのような触腕がある ....
【なにもかんじない】

まるで レストランのパラソルが風であおられたみたいに
ツツジの花びらが一斉に 空に浮かび上がると
のこされたのは雌蕊です  少女のままのこころです
はなびらを失った代 ....
闇にすっかりなれたのか
それとも 朝がきたのでしようか
あまたの光の柱が 
行間からまっすぐに 立っています


言葉は 今朝の朝靄のように低い場所に流れます
 言葉が 祈りとは ....
【チンダルのはしご】








●●●●●●●●
●●●●●●●
●●●●●●われ
●●●●●かい無
●●●●つまりは
●●●てがかり無
●●いままで苦 ....
グレーチングに足をとられて
突然 目の前の女性が転んだ
最強の赤いピンヒールは 雪の中では
通用しない
美しさが万全なら
どんなことも快調な街が
ひっくりかえった

蛭みたいに艶やかな ....
お控えなすって

ご当家の 軒先の仁義 失礼でござんすが お控えなすって
障子より目玉だけ出しておられる お坊ちゃんお嬢ちゃんも お控えなすって
わたくし生国は 大海原 水界のはてに発します
 ....
でかけよう わたしの異郷へ 
じぶんは たぶん たぶんに じぶん以外のひととおなじ ゆめをみる 
名もない木こり 漁師 だれともつながる 百年千年先の森 空 海
街にもあるかもしれない 東急ハン ....
【アカツメグサ】

なりやまないドアホン やぶれた怒号は
親を町ごと殺され震えていた少女のままの老人
おさなくして大人として生きざるをえなかった あなたが
私の玄関を激しく叩く音
 ....
廃線になった駅のベンチに行ってください
コスモスが揺れているのがみえますか
だれもこない駅の伝言板に
「おかえりなさい」とだけ 書いておきました

ベンチの下に 海の紙でできた封筒を隠し ....
連綿と うけつがれてきた舟箪笥は
表の扉を開けても 次々と扉や引き出しが現れ
忍者屋敷のように 底板こそに 隠れされた空間があったりする
舟が沈んでも 大切なものが収納され金庫として利用されてい ....
瞼を閉じると 
ピラミッドの中に閉じ込めれている自分が 見える
ときには 女王としてそこに留まって居ると勘違いしているときもあれば
奴隷として 居場所のない居場所に存在していると 思うときもある ....
ねこじゃらしが空を くすぐっているあいだに
蛇が玄関を激しく叩いたことがあった
蛇足めいた説明は一切いわない蛇だった
ただただ呪いの言葉でできた体躯ごと体当たりで 戸を叩く

あまえ ....
【時鳥】

ある一時 
保育園のときのセリフは  小鳥の役柄だった 
「ニュースだよ ニュースだよ たろうさんのお宅に あかちゃんができたよ」 
小鳥役の私が 時空のかなたからやってきて ....
薄く なまめかしい生を 朧にたずさえて
キミは 呼吸している


しみじみ キミは 黒曜石だ

意識する外界に ぶしゅと 放出させたものは
どんなにか甘美な夢でしょうか 
キ ....
はじめに この作品は、澤あづささんが企画しておられた紅月さんのお誕生日によせて 紅月さんの作品にお返詩しようという企画で、書いたものです。
http://adzwsa.blog.fc2.com/b ....
あまやかしても いいのだ
けして つめたいだけの人ではないのだから
心のかよわない言葉しか 今は ないけれど

こどものころの私に あの人が教えてくれたレシピ
ビスケットケーキ
 ....
前略 いくちゃん お元気ですか?
さて、いくちゃん 突然のオープンメールでごめんないさい。
あなたは、いまでも私にとって秋田の素晴らしい女流詩人のひとりですが。メールアドレスなどをなくしてしまいま ....
かれは、いま 叫んでいる
遠くを見ている人々にむかって
かつては 矢じりを誓う猿だった人々にむかって
現代という うつつに居る私にむかって

かれは ごみ捨て場で 半透明の袋にいれられたまま ....
こどもたちは みな せなかをまるめて
せなかをまるめていないのは みみずのこどもくらいです
どのこも せなかをまるめて 卵やおなかの中で すごします
拡張現実を手に入れた にんげんのこどもも
 ....
聡明な目が おきゃんに くすりと笑ってる
黒板の端から端へと 飛び回るプリマドンナ
人差し指のプロジェクタースイッチが効かないときの
パソコンに急ぐ あのお方のご様子は マドンナなの  ....
さんわのあひるよん わのあひるさん
わたしとおなじ にほんあし しらないふりして
おしりをふりふり ごきげんよう

さんわのあひるは まだ ひよこ
おかあさんあひるのあとをあるく
くるまが ....
都市は 心の模倣だろう
粉糠雨に 街灯が燈る
心の溝にも 点在した明るさが次第に道になる

見えない糸で繋がる送電線
車のように動きまわる明かり
しずかに一人きりの夜をともす ....
わたしは、過去に、 とんでもない事柄を 発言しました。
『泪、涙、るるりら、る、は、私です。他にも使用しています。』と、もうしあげたこととが五年前にあります。事実ではありません。わたしは、るるりらで ....
ちぎれた 火の粉を雫の中にやどした言葉たちを超えて鳥が謳う
ほととぎすは 夜通し歌をもやし カッコウは霧雨を もやし
溶接工は 鉄を燃やして繋ぎ合わせノアより巨船を創り
アリアは  ....
陽鳥 




きのうのことのようだ
逃げ出すように ひとり列車に乗り 海を目指した
行き先は 宮島

宮島のカラスに逢いたくなったのだ
途中 かあかあ
二度ほど 鳥が鳴いた
 ....
今日も りゅうが 脱走した
「理由」なんて聞く奴がいるから 逃げだしてしまうのだ
話の尾ひれなんて無視して
ゆらぎは水の色

ゆがむからだのまるみに いかす光彩くねらせて
す ....
トランプタワーは 13階立て 
どの階も 四家族が住んでいて
トランプと同じ数の家族が暮らしている。
 
甲13号室に 暮らしているのは カエルに似た人だよ。
ガラス天井の部屋のプール付 ....
ナンデーナンデーが増殖する頭をかかえ
森の中をさまよっておりますとパトカーの
音が谷あいに響いて山に反響して 谷の
町々のどこに パトカーがいるようだか
さっぱり分からないの 心の中はそんなか ....
【新】

手と手と てとてとてと かさなりあって音がする
足と足  大きな靴のなか小さな足が とてとて動く
とおい日の かげが
わたしを追い抜こうとして とてと 立ち止まる

冷蔵庫に  ....
るるりら(421)
タイトル カテゴリ Point 日付
ラ・ラ・ラ族[group]自由詩22*18/8/30 14:17
背後霊が水を汲みに行く[group]自由詩7*18/8/21 9:04
かんじる?  自由詩7*18/6/5 11:47
蛸の触手は【悪魔の舌】か【天界の下】か自由詩9*18/5/13 1:20
即興ゴルゴンダ三部作【嗚呼  夢よ うつつよ】[group]自由詩1018/4/26 17:46
私のなかの自由詩10*18/4/25 13:26
おもてなし妖怪2018自由詩9*18/2/13 17:23
がうでぃでぃ自由詩617/10/3 10:39
三大へんな植物名の花 (三篇からなるオムニバス)自由詩6*17/9/28 15:56
おかえりなさい自由詩13*17/8/28 10:37
自由詩4*17/7/24 9:52
自由詩14*17/7/13 14:12
蛇さんへ自由詩3*17/6/21 14:21
時鳥自由詩13*17/6/5 19:07
しじみ自由詩12*17/5/26 19:33
Here comes the spring自由詩217/5/26 12:51
クリミイ ふくろう 自由詩8*17/5/10 17:48
いくちゃんも はたはたパイ 食べろ 自由詩6*17/4/18 14:27
黒曜日に自由詩10*17/4/3 12:07
おせなかまるいね自由詩10*17/3/14 14:34
青い鳥の飛来自由詩13*17/3/4 0:50
さんわのあひるよんわのあひる[group]自由詩1*17/2/23 12:10
粉糠雨の街灯 [group]自由詩19*17/2/22 9:02
さようならば散文(批評 ...3+*17/1/20 0:59
さしいろに 虹 自由詩14*16/12/16 15:21
陽鳥自由詩13+*16/12/6 11:01
ゆくえしらず 自由詩15*16/11/28 0:10
鳥獣戯画的トランプタワー自由詩6*16/11/21 18:52
りぼん自由詩17*16/11/8 8:23
新涼灯火 (三篇からなる オムニバス)自由詩8*16/9/22 14:02

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