紫外線に
焼かれ続けて
色褪せた
生活の数々が
焼かれ続けて
ぼやけた
台詞の数々が

  流れ着いて
  さらされて
  流され出されて
  打ちつけられて
  砕かれる
 ....
かつて
ともに歌った
歌の
楽譜のページが
にじんで
黄ばんで
ぼやけたとしても
私のことを
呼び捨ててくれる
あなたの声は
変わらぬ
大きさで
私の背中叩く

かつて
 ....
船は急ぐ
港への帰路を
引き波たてて
薄暗くなった
海岸に
一つ
二つと
明かりが灯る
薄暗くなった
空の中
一つ
二つと
星が灯る

引き波が
音をたてて
通り過ぎる ....
     ブラック企業
     ホワイト街

熟睡することを
否定され
今日も
電源ケーブルが
悲鳴をあげている
熱を出して
膨れあがっている
ツイストペアケーブルが
ねじれて ....
  飲みに行こうかと
  誘う相手がいない
  飲みに行こうと
  する時間がない
  電話をしてみる
  相手がいない
  メールをしてみる
  理由がない

    結局
   ....
  粘度の強い
  溶液に
  巻き込まれて
  もみくちゃにされて
  背中を押されて
  バランスを
  崩しながらも
  前には進む

  粘度の強い
  溶液の
   ....
何年ぶりだろう
飯を炊くのは

湿った摩擦音が懐かしい
粉っぽい水の
ぬるぬるとした
妙な
温かさが
ありがたい

かつて
こうして
飯を
炊いたものだった
毎日というわけ ....
曇天の
暗い空の下
巨大な
双曲線が
空に食い込んでいる

領域は
黒く塗りつぶされている
漸近線は隠されている

  漸近線の
  その下に
  ゆっくりとおろされた
   ....
音がする
夕立の
音がする
慌てふためく
声が聞こえる
慌てふためく
足音が
雨の音にかき消される

無人の道に
雨が叩きつける
地上にたまっていた
堆積物を弾いて
空中にま ....
温めないでください
ぼろが出てしまうんです
ぼろぼろになってしまうんです
不必要に熱くなって
不必要に口の中でちくちくと刺しまくるんです

冷たいままにしておいてください
それが
決し ....
王様は居る
どんな世界にだって
王様が要る

様々な名前で
あるいは
名を持たず

王様を倒すためにも
王様が要る
新しい王様を選ぶためにも
王様が居る

あるときには
D ....
雨が削る
雨が砕く
花を削る
花を砕く
石を削る
石を砕く
心を砕く
心を削る


  足が重くなって
  ふと歩くのを止める


雨が削る
雨が砕く
花を削る
花を ....
花なく
つぼみなく
撒き散らされた
土を
砂を
一身に受け
忘れ去られた者
振り向かれることのない者


かつて
青く輝いていた
一つ一つが
土の色してうなだれて
土にかえ ....
泥水に
あたためられながら
種子や
卵は
撹拌され
運動を開始する
私には認識できない
種子や
卵が
撹拌され
運動を開始する
私には
認識できない
温度の差に
一喜一憂し ....
アブラナ
アブラナ
アブラナ
ナズナ

ナズナ
ナズナ
アブラナ
アブラナ
ナズナ

レンゲ
レンゲ

レンゲ

レンゲ
レンゲ
レンゲ
レンゲ
レンゲ
レン ....
アブラナの
花が咲き乱れ
その
黄色い雲の上を
黄色い蝶が力強く羽ばたき
黄色い雲の上を
蜂達は
せわしく動き回り


  これが
  春でなくてなんであろう
  これが
 ....
アスファルト
 誘う
 アスファルト
 瞬く
 水銀灯に照らされて

 
    ちかりちかり


 星座を忘れた
 空のため
 空を仰げぬ
 者のため
 何度も何度も
 ....
  残雪は
   
     音をたてる
     煮えたぎる
     音をたてる
     崩れ落ちる


     溶岩のように



       呑み込まれると

 ....
 ハンザギは
 のっそりと
 重たい頭をもたげた
 ハンザギは
 のっそりと
 重たい腰をあげた


 今宵最期の一晩に
 挨拶回りをしましょうと
 鮎も
 岩魚も
 カワゲラ ....
帰るとは
ふりだしに戻ることであった
帰るとは
ひとりぼっちに戻ることであった
帰るとは
ひとりですること以外の選択肢を失うことであった
帰るとは
下校のチャイムの様に
何かの終わりを ....
何のために
東京に出向いたのだろう
しょんべんしながら
後ろ向きに走るためにだったのか
それとも
夜中のグランドに
ロケット花火を水平に打ち出して
土煙が上がるのを
眺めるためだったの ....
贈り物をした
届くだろうか
どんな顔をされるだろうか
私の名前について
細かい説明書を添付することを
忘れていたが
不親切だと思われないだろうか
何しろ
贈り物を ....
鋼鉄の鎧が
にぶく光るのを見たか

青く濁った
異次元が
ゆがんで
その先に
銀色が
にぶく光るのを見たか

かっと開いた
漆黒に
あっという間に
呑みこまれ
あっという間 ....
だっこしてと
駄々こねながら
ぼうやが
わんわん泣いていた
地面にしりを
ぺったりつけて
だっこしてと
わんわん泣きながら
駄々こねていた


  いつだったろう
  大きく声 ....
ダバダ
ダバダ
ダバダダバダ
ダバダ
ダバダ
ダバダダバダ

  体かくして
  顔隠せず
  白い世界に
  赤い頬
  ダストがかすめる
  鼻の先
  一瞬
  シュ ....
腹下し
出るのは音と
水ばかり
それでも減らない
体重頑固に
集まるということは
弾け
飛び散る為の
エネルギーを貯める行為であったが
されど
全てのエネルギーが
その
飛散の為にのみ
使われるというわけではなかった
別離の為の決意という
破 ....
蓮の下
蓮の下であった
花が
花が開いた
泥色の
花が
一つ二つ三つと

やがて
しばらくすると
いつしか
揺れて
 ....
外食するなら
インスタントラーメンに限るのだ
シングルバーナーに火を点け
無愛想な顔をしながら
無愛想なクッカーに水を張り
無関心を装いつつも
早く
早くと
急かしつつ
慌てるな
 ....
先生が
開口一番教えてくれた

  あなたがたは
  だまされている
  私たちは
  搾取されている

政治経済の授業の中で

  財ある者しか
  豊かな教育を受けることがで ....
北村 守通(241)
タイトル カテゴリ Point 日付
マイクロプラスティック自由詩217/11/24 11:23
大学時代の先輩と飲む自由詩2*17/11/22 1:40
防波堤の暗転自由詩217/11/15 0:59
過労市自由詩317/8/26 0:47
余暇自由詩117/5/8 0:09
分岐自由詩017/5/7 0:09
スポット自炊自由詩417/1/10 0:49
大山自由詩217/1/4 0:54
夕立自由詩516/8/14 0:39
べんとう自由詩416/5/10 0:22
停滞せざるを得ない社会自由詩016/4/30 20:49
研粒なくとも雨は削る自由詩216/4/4 0:56
植え込み自由詩016/3/29 11:24
田植え前自由詩016/3/21 11:03
山間部を流れる川の脇の田畑自由詩016/3/21 1:16
自由詩216/3/17 14:05
帰路自由詩416/2/11 22:18
残雪自由詩216/2/10 0:49
サンショウウオ自由詩416/2/10 0:47
帰る自由詩616/1/15 13:34
雑踏変化自由詩416/1/4 1:17
ほったらかしにしてきた演奏会に自由詩315/12/27 10:17
アカメ自由詩615/12/3 1:22
失くした理由自由詩415/12/1 1:26
教室暖房なし自由詩215/11/23 23:52
切り崩されない貯金短歌115/9/27 23:15
離れ離れになり会えない人々と自分自由詩215/7/8 21:36
第三十二番札所 禅師峰寺の池自由詩1+*15/7/7 19:14
インスタントラーメン自由詩115/7/6 19:24
睡眠学習突入五秒前自由詩114/5/19 2:04

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