久しぶりの喫茶店
ミルクを静かに落とし
珈琲はかき混ぜない

ここでよく見かけた
カフェラテと勝手に名付けていた猫
唇と歯の間を狭めて息を吸い
呼び寄せるための泣き真似ひとつ

みゃ ....
約束と手帳の枠をはみだした歩み孤独の文字は不揃い


千鳥足で本をかすめて籠る部屋 百五ページの夜に呑まれる


右側を愛し左側を憎む鋏いつもの切れ味はなく


吐瀉物の薫り ....
 ヒーロー結社が秘密裏に提携している病院に入院している政志くんを見舞った。幸政くんが来ていたので言葉を交わした。

「先日の模擬戦のデータが纏まったから確認しておいてね。政志くんはどう?」
「外 ....
「うーん、見立ては間違っていないし、たまに悪い癖がでたら今回みたいに痛い目に合わせるくらいで全然構わないと思うけどなあ。それにしても息の合ったオフェンスだったわね。私のリモート・アームロックと広夏さん ....  幸政くんは蹴りを止めた。柏木くんは蹴りが顔に当たらないように肘でガードしたまま丸まっていた。政志くんに似せるための変身はもう不要と思ったのだろう。メタモルフォース11は解除されていた。動かなくなった ....  政志くんの冷静さを失わせないこと。失わせてしまったらそれを取り戻すこと。それが第一の目的なのだから幸政くんがすぐに政志くんのところに行くのは気持ちとしてわかる。でもチームリーダーとして、やってはいけ ....  不思議なことが2つあった。ひとつは政志さんが放ったソウル・ストリングが拘束したのは、柏木の右腕だけなのに、柏木の動きが鈍すぎること。まるで体全体が縛られているかのようだ。もうひとつは政志さんが放って .... 締め切った部屋の煙が目を燻すスナック菓子で安酒に酔う


砕かれた瑠璃の欠片をもつ未練星座にかかる雲に溶かした


夏風邪は氷枕を溶かしきり明日の不安は熱いまま凝る


瑠璃 ....
四分休符の先で缶コーヒーを飲み油のにおいに混ぜた溜息


小説が誘った眠り枝分かれした夢のこと栞に話す


盗まれた時間ふたりの行き先をラベルで示す葡萄酒に酔う


恋という ....
晴れ時々曇りところにより雨の予報のようなことしか書けず


恋愛のペーパードライバー講習のすぐあとに事故の加害者になる


エアリプの逃げ道ふさぐ君がいた顔を知らずに過去形にした
 ....
鉛筆の手紙 未練は消しゴムで消したい雑なセックスばかり


自転車で登り坂ゆく鳴り止まぬ音楽はまだあのソロの前


外れくじ捨てなかったねいつだって話の長い君ありがとう


 ....
口に出す前でとどめた言葉たちが朽ちて身体に沈んで臭う


妻のため夫のために辛い日々笑顔で過ごす画像で惚気


ボディタッチ 手は握るのにややこしく悩むな!かけろよスリーパーホール ....
斬り込みが淡すぎる声おなじ手が奏でるリフを傷つけて抱く


再会ではなく初めて会う気持ち いまの笑いといまの涙と


瓶詰めの思い器用にシェイクして差し出さなくていいグラスに注ぐ
 ....
 戦いを楽しんでいる。模擬戦開始から5分くらいの政志さんと柏木の様子はそんな感じだった。互いに間合いをとりながら、足を止めずステップを踏みながら体を動かす。隙は見せない。睨み合いを延々と続けるようには .... 文字よりも多い余白に泊まりたい このかさぶたが消えるときまで


独りを選んだんだよ君は たくわえた心の富をみせつけながら


合い鍵の向こうの顔を曇らせる みんなとちがう鍵をねだ ....
春の陽をあつめたディーゼルカーの背に空気読まない問いを溶かした


「詩で何がしたいの」詩を書きたいだけの人に聞かずにいられない人


運命に丸投げ煮え切らないチンコいれられず募る ....
正義は危険とする正義を喧伝し顔を見せない思慮深い正義


あざとくも皆の怒りを怒ることで崇拝される パーフェクト・ヒューマン


意地と恥なくなることが怖い君 老人と手を繋いで歩く
 ....
健康的すぎた朝のプレイリスト入れ替えて浴びる粘液の声


誰が恐れた不幸を恐れていたのだろう 古いラジオの丸いダイアル


使い馴れないスマートフォンで友人の電話のようにブルースを ....
心などないとみんなに言われてた君の寝息に肩を貸す帰路


雨音に崩れてしまう紙の束 泥にとけだす歌をみている


テレビ越しにお怒りのきみ 善良なワタクシの詩をアガメヨという

 ....
受け売りの言葉誰にも優しくて爪で引っ掻き印をつけた


答えだけ喋り散らす君 疑問符を隠しもってる私は怖い?


まっさらなページをいつも用意する 昨日の余白で待機しながら

 ....
遠方の友の笑い声にあわせ 前借りした元気 何日分?


その説教お返しします 若者になにか求めず ワン・ツー・パンチ


一見さん 呼吸のリズム合わせたらいけずが返るへんてこなジャ ....
変わらない車窓の満月 屋根に隠れ電線に切られても金色で


おばちゃんらの吹き出し 押され押し返し 窓からみえる桜眺める


今ここにあなたにいて欲しかった夜 社会問題リツイートす ....
瞬間の光を我が物にする手管 溶け込んで狩るあるがままの美


迷い道 桜が透かす月灯り纏うあなたの影が包んだ


古都めぐり桜をゆらす風ともに疎水をつたい鳥居をくぐる


清流が ....
酒臭い罵声のついでに投げられた雑な励まし まあ聞いとくわ


戦友は ポケットのなかの愛読書 長く履いても疲れない靴


原色のファストフードに声援の記憶重ねるモーニングセット
 ....
物語未満のグチを出しあって一緒に燃やすよく似た黒子


喪失缶 開けても耐える歳でなし 出会い缶とセットで出品


初対面 ブログの言葉もツイートも一度忘れて歩幅合わせる


 ....
花を育ててください
震災直後の喧騒のなか
被災地から届いたこの言葉に
まだうまく向き合えない

花を育てられない言い訳を探して
それを誰かのせいにして
形だけ怒れる言葉の毒に
無駄に時 ....
低い空 誰の祈りと哀れみが誰を殺すか 3月の雨


優しすぎ穏やかすぎてなにもかももって行かれてしまいそうだよ


イーストが具より記憶に残ってる四角いピザと飲みたい珈琲


 ....
卵子の恋心もつ男子が流れた軌跡を記す不揃いのメモ


長電話のほてりを残す下着姿 醒めた珈琲くっと飲み干す


友の悪意を商人に売った翌日に空っぽになった記憶の箱


下半身 ....
五時は減点です誤字は原点です仕事が早く終わらないかな


発音の練習のために作られた第三木曜日の十三日


毒者のみなさまのお気に召すままに言葉ころがすコロネを焦がす


「 ....
「根源的な怒りと恐怖、ですか。」
「聞き返さないでね。私だって分からないんだから。ただの勘よ。あんたなら分からないまま流してくれるし、言いふらしたり騒いだりしないだろうと思って話しただけ。」
「そ ....
深水遊脚(169)
タイトル カテゴリ Point 日付
カフェラテの子ら[group]自由詩1*16/9/23 21:31
痙攣[group]短歌3*16/9/21 7:11
Miz 22[group]散文(批評 ...016/8/6 12:42
Miz 21[group]散文(批評 ...016/7/30 22:04
Miz 20[group]散文(批評 ...016/7/22 15:06
Miz 19[group]散文(批評 ...016/7/16 21:27
Miz 18[group]散文(批評 ...016/7/8 14:40
融点短歌1*16/6/28 18:37
Nowhere短歌3*16/6/18 18:14
さようなら短歌2*16/5/28 22:32
外れくじ短歌2*16/5/21 23:37
襞をめくる短歌0*16/5/15 12:26
忘れられた逃亡者短歌1*16/5/11 21:12
Miz 17[group]散文(批評 ...0*16/5/7 23:04
いつもの短歌0*16/5/6 13:58
やりたい短歌0*16/5/1 23:36
雑石短歌1*16/4/30 7:52
Second Hand Morning[group]短歌0*16/4/29 11:43
そっぽを向く短歌3*16/4/25 11:04
昨日の余白短歌1*16/4/11 20:07
四月初旬の憂鬱短歌2*16/4/3 17:00
孤独をこじらせた夜に短歌2*16/3/28 6:41
桜色の影短歌1*16/3/20 22:28
応援歌の記憶短歌4*16/3/16 23:29
ラブストーリー短歌1*16/3/15 12:11
記念日だけではなく自由詩6*16/3/12 10:09
悪筆短歌1*16/3/11 11:34
不揃いのメモ短歌0*16/3/6 0:49
間違ってますナメてます短歌3*16/2/21 7:42
Miz 16[group]散文(批評 ...1*16/2/15 0:21

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