木の葉降る楽しい声は秋の空


カレー派の彼は枯れ葉に別れ華麗


図書館でさわやかな日に生理学


野良猫に辛子つけ麺不道徳


枯れ葉かさねて渡されキレ芸のみ


友 ....
海面をうらがえして歩いてる
裸足で踏む空
ひとつだけえらべばいい
そう思う


目がとけていく
涙が雲へおちていく
光とともに生きている


知っていたらもっと違ったのに
なあ ....
月光透す蝶のステンドグラス


夜の粒子は星明かりに熟する


生家に邂逅し得ぬ四十色の石


街上一日についての数式


どこか素敵な場所へ赤いスイートピー


親虎の ....
発音法は本で学んだ
息をはくとき、のどをふるわせ
音をつくる
これがなかなか難しい
僕の場合、17日間つづいた夜のおわりに
はじめて成功した


口とのどをひらいて アー
口をすぼめ ....
ゴジラかよ今後はご飯が放射能


映画みたいといって浴びる放射能


放射能ガンで死んじゃう放射能


原発は嫌いだけど電気は好き


テレビと電気に飼われ泣いたりしてる

 ....
かつて
わたしたちの知るところではなかった雪を
当たり前にながめるわたしの感受性のなさ



たった二十年前、人は雪に触れることを許された
その五年後に、地上に最初の街ができ
更に五年 ....
 仕事が長びいて、いつもより幾本か遅れたバスで帰った。停留所に降り立ち、息をつく。
 星の綺麗な夜だった。
 家までは、徒歩で小一時間かかる。歯が抜けそうに田舎なのだ。歩きながら、見上げた樹々の狭 ....
「星を売っておるのです」

 私の訝しむのを見てとって、男は微笑み、付け加えた。

「簡易プラネタリウムを運んでおるのですよ。あちこちの小学校や講堂なんかを回って、組み立てて、簡単な解説をする ....
いくつもの世紀をこえて
多くの人の手を渡った
奇跡の瞳を手に入れた
汚れたわたしの瞳の上に
震える手で押しこむ


わたしたちはよわくて
かんたんに壊れてしまう
だから、かなしいもの ....
やわらかい足音と聴く春の海


春の海ねことバンビの二重奏


波間から星は見えるかアカヒトデ


アカヒトデ浜で乾いて仰ぐ星


解答が分からず描いたスナフキン


ス ....
 鉄塔に、カラスが幾羽か停まっていた。カラスは青く、空を背景にして透明のようで、目を離すと見失ってしまいそうだった。
 私は、はたと、何かを思い出さなければ、という気持ちになって、

「青いカラ ....
暑い夜、居酒屋で
僕たちに起こった出来事を話す
そうだ僕たちは
つねに正しくはなかった


明日からも
会おうと思えば会えるけど
もう、少しずつ離れてゆく
そんなのは、はじめから分か ....
誰もが朝を愛する 何もかもすてて


かなしくて雲がふき飛ぶ 冬でよかった


記憶に執着しない空が飛んでく


重いスーツケース二年が膨らむ


落ち込む私を笑え私馬鹿阿呆
 ....
僕は白く色のついた風の中に立っていた
見渡すかぎり真っ白で
春のように温かだった
風に背をむける
その行きつく先をながめながら
とてもかなしかった
なぜかなしいんだろう
と、考えてもわか ....
とり置きの雲をてきとうにちぎって
空のすき間を埋める
余白が大きすぎて
途中からは小さくちぎってまんべんなく並べることにした
魚骨みたいになった
そんなことばかりだった

雨あがりの雲は ....
それを越えると
かえって落ち着いた
もうさむくない



暗闇と静寂は愛しかったのだ
怖かったのではなく



泳げそうだ
ひとつふたつ
小さな光があらわれて
きえた

 ....
意味不明のフイルム
かびた古い封筒の束
変なカギ
本棚の奥のぬいぐるみ
こわれたハンガー
などなどなど
コンビニで買ってきたごみ袋をびしびしひっぱり出しながら
どんどんすてる僕
ある日 ....
夢のようだった
銀河鉄道の夜でよんだ
真っ白な{ルビ鷺=さぎ}の菓子を
わたしは大地に植えていた
ずい分長い間そうしていたのだった
一羽でも多くと
せっせ、せっせ、尊くひかる白い足を埋 ....
わたしたちは
違うところへゆく
わたしのゆきたかったところでも
あなたのゆきたかったところでもなく


わたしの胸に
あなたの涙があつい
あれが朝ひだったらよかったろうか
しかし夕ひ ....
博士の怪物が折り重なって手を伸ばし、四色の月を求める。


質屋で心を取り出す。意外な美しさに大金を払い買い戻す。


海が凍結し、私たちは海の彼方へ向かった。足だけが冷えた。


 ....
ゆるされうる、をひとつゆるす
遠くをみる、が指の間をすぎてゆく
僕が歩くから
はだかの木々がしなる
遠く灯る過去のように


最短が散ってはゆくけど
前を向いて
さわやかにいきたいん ....
砂浜に薔薇をさして朝を待ってる鳥一羽分空があいてる



星よ私は君であったのに光が欲しいと夜にないてる



朝焼けが落ちていた拾うと歌だった捨てると{ルビ朱鷺=とき}色の貝だった
 ....
もし生まれかわるなら
くじらになりたい
ひとり(いっとう)、暖かい海へゆき
深く深くもぐる
青と碧にひかる海の中なら
きっといつまでも泳げる


空にはかなしみがないという
けどそれ ....
何も掴めなかったそこにあった物語


甘えに甘え餃子三昧の日々


人形と書籍に埋もれ月光浴


奇数好きの猫など信じられるか


鐘の音に最後といえば最後のダッシュ


 ....
言い出しかけてる僕らはずっと光のような錠剤
たたずんで立ち止まってただ休んで

向こう岸駆けてるちいさな曇りのような困惑
あくびして背伸びして放りだして

すぐにそうやって今日もなんだかあ ....
読んでしまう
光や空気のように読んでしまう
不安をソラシと読む
雲をドシレと読む


つまるところ
わたしの思いはひとつだけだ
犬を飼いたい
ゴッホの絵がほしい
星晴れのする、小屋 ....
満天のこの空には名をつけない


億光年の果てに焦がれる名を


風の音かなしさ遠くここに僕


百億年分からず君に会いたい


巨大な質量と速度でどこへ?


静止して ....
羽根のかげ白く息つぎ春の夜


彼女のきれいな本のきれいな文字


すっかり春だシャロンのいない東北


花わさび明日こそ買ってどんぶりに


もう全部やめるよ重さ量ってほしい ....
はしるときにひかり
おこるときにひかり
眠っているときにひかり
冷蔵庫からっぽのときにひかる

まちがえたときにひかり
べんとう選んでいるときにひかり
写真をみつめているときにひかり
 ....
瞳の中に鳥が住む
求める実をみつけると、鳥は飛び立つ
こんな光の白い日には
たくさんの鳥が飛ぶだろう


鳥はよびよせられない
そのくせ、いつか瞳の中に入りこむ
眠っているときにでも、 ....
kawa(87)
タイトル カテゴリ Point 日付
秋と血球川柳011/10/16 16:38
水中花自由詩211/5/25 15:26
蝶とスイートピー川柳011/4/30 17:51
発音法自由詩411/4/9 15:57
放射能川柳411/3/29 3:10
記憶喪失自由詩211/3/4 11:11
永久ギターと星の猫散文(批評 ...111/3/1 20:51
オーシャンブルーの庭師たち自由詩311/3/1 20:37
奇跡の瞳自由詩011/2/25 22:08
echoes川柳111/2/6 0:46
青いカラス[group]散文(批評 ...211/1/23 1:12
火を採る自由詩011/1/19 1:59
朝をすてる川柳110/12/31 15:30
はるかぜ自由詩210/12/27 17:42
雲をならべる自由詩010/12/24 12:10
miles自由詩110/12/19 22:06
すてるす自由詩010/12/12 4:16
空想の鳥[group]自由詩310/11/26 21:14
あかいかぜ自由詩410/10/31 23:56
往世の月短歌210/10/18 1:03
空は青いほうが綺麗だ自由詩310/9/25 22:15
砂の薔薇短歌110/8/29 2:04
水に生まれる自由詩510/6/13 17:32
流行らぬ茶館川柳110/5/23 3:14
向こう岸スパゲティー自由詩310/3/19 20:44
読書自由詩410/3/17 12:34
星のかけら川柳110/3/13 2:44
シャロンの花川柳210/3/8 0:19
ときにひかり自由詩010/3/1 14:41
[group]自由詩510/1/14 4:46

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