かがみこんで
更新日の底に沈殿した
URLをそっとつつく

日常がさかさまになっている水面まで
素朴なhtmlが入道雲のようにつたい
またおりてゆきながらピクセルに散る

ブリンクする ....
日が短い秋の夕暮れに気づいた
俺はあとをつけられている、
たしかに後ろで何かが擦れてリズムを刻んでいる
こうして気づくことはその音速と
歩くスピードの関係で起こる現象だ
俺は尾行者に通告して ....
天井は高く
空も高い

搭乗のアナウンスは
行き交うスーツケースと人ごみに
まあるく
反響する

この(ゲート)までは
誰でも爆発できます
この(ゲート)からは
*****だけ爆 ....
10分後、私たちは {ルビ思=おも}い{ルビ出=で} される
10分前に見た映画はもうまるで嘘のようだ、と
いまどき流行らない、よくある2Dの映画だったが
持ち合わせた感想は特になく
 ....
いったい、いつからでしょうね
てきせつに いいね しているかどうか
わたしたちが
きにかけるようになったのは

ネットがオブ・シングスになるまえ、
どこかのSNSにとうろくしてからか、
 ....
所用でときおり武蔵野線の、中央線から離れていく方向の
ホームで僕は待っている

武蔵野線はむさし野と呼ばれる原野を駆け巡り
中央線は東京23区の中央を貫いていく
それら鉄のレールがレールと交 ....
街がジオラマに見えるのは、音もなく電車が走っていくからだわ
遠くの雲が雷鳴しているのをわたしは歓声をあげてみていた
駐輪場に折り重なったそれぞれの帰り道は
街灯が濡れ始めたときにどこまで辿り着け ....
十字路でもない場所に
いちごジャムをサンドした食パンがおちていた
パンはアスファルトにくの字で立っていた、晴れの日に
それと気付いた時には数歩通り過ぎてしまい
Instagramにでも投稿すれ ....
川の両端だけよく繁る道で
吐く息はまだ白くないけれど
朝の光はもう低くて、眩しい
木々の間からちらちらちらちらしている

踏み固められた土の上で
どんぐりが無数に砕かれたのを目で追っている ....
小平市の住宅街でバリバリと音が鳴り
とつぜん、目の前の住宅が取り壊された
私は三か月前から仮の住まいを持つだけなので
家が壊されるこまかな事情は知らず
事情を知らないゆえ
その家は突然、取り ....
いやだいやだ、こわいなあ、こわいナァなどと
怪談ばなしのように唱えていた矢先に
とはいえ、季節は残暑で
玄関が雑然としていたのをきっかけに
勢いをつけて飛び越えてしまったがため
ついこの世界 ....
おはよう
昨日までやり残したことが
今日の地盤を揺らし
タスクリストの波となって押し寄せてくる
後手後手で考えたくはないから
見晴らしのいい
高台へゆこう
筋道が見えるといいね
対岸が ....
  速度についてのメモ

搭乗口はもう地上にある
顔で埋まる大きさの窓からは
厚い空気の層に
雲が積乱しているさまが見えた
上下には幾重にも
それぞれの居場所を定めた雲が
また層を成し ....
センチメンタル、じゃあね
煎じ詰めれば ジャーニー
あのコはなみだの海に
えがおの小舟を浮かべてく

one centimeter journey
痛 sentimental journe ....
無限にもなるだろうが
赤外線を溶かした空のどこかで
忘れてしまわないかね
帰宅しようとして私たちは
点々と席を立つ
窓からのぞく市街地では交通が縦横に操縦され
ビルディングが夕陽をニジュウ ....
わすれてしまった
ピアノのひきかたも
じょうびぶんほうていしきのときかたも
ぜんぶぜんぶ
きのうのばんごはんも
あいづちのうちかたも
きょうしたかったことも、のこらずわすれた

たいふ ....
じいさんは なにもないところで つまづく 意味なき意味を詩人往き
あとにつづくは詩人のみ
素材の味はそのままに
繁る葉食うも便にそのまま
渡る連々 わずかに空

意味なき意味を詩人往き
あとに残るは意味ばかり
砂利も詰草ものけ ....
札幌の上空でカモメが鳴いている
どうやらまだ私たちを海へと誘っているらしい
窓を開けていた部屋の分だけ
住宅街に波がよせて 返した

積み残した雲を片手に ベランダへ出た
澄んだ宵闇に満月 ....
みずたまりにおとした
あなたがくれたとけいの
ゆらしたわたしのめと
ちいさなきおく

やわらかにかさなる
みどりのそら

あなたをまった
こもれびのないひはずっと
わたしのかさを
 ....
川のせせらぎかと思った
マンホールの奥に それはある
空気入れで押し込めたタイヤの中にも
 いわば
作りかけでいたはずの 夏の星座
暗闇を並べるのは不自由するばかりで
地平まで 窓に映る蛍 ....
高橋良幸(51)
タイトル カテゴリ Point 日付
2015年、水たまり自由詩115/12/4 20:51
尾行自由詩4*15/11/30 19:44
ゲート[group]自由詩215/11/26 21:00
十分自由詩215/11/23 16:13
ライク自由詩015/11/15 20:44
鮨詰自由詩115/11/14 23:45
ノイズ自由詩415/11/9 20:45
飛躍自由詩315/11/8 14:21
グロウ自由詩315/11/7 20:03
窓枠自由詩9*15/11/3 20:48
コール[group]自由詩2+*15/10/26 20:12
高台へゆこう自由詩411/6/12 18:25
2010年8月31日自由詩2*10/9/1 1:56
センチメンタル・ジャーニー自由詩110/8/19 23:32
インターネット、遠近法自由詩209/6/9 22:20
台風自由詩408/10/12 23:40
あの世の石自由詩208/10/9 22:05
後足自由詩307/10/21 22:45
残暑自由詩107/8/28 1:20
trefoils自由詩9*07/5/17 1:48
帰還(feedback)自由詩1207/5/7 1:20

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