あたしたちは
同じ模様を背に宿して
血の繋がらない双子のような
そんな気分で生きていたよね

くすくす笑ったり
さめざめ泣いたり
いつも一緒だったから
身を切るような孤独があっ ....
あの夏の日
あたしは石の階段を登ってた
小さな足で勇ましく。
ぎゅうっと詰まった石の間に
黄緑色の草が生えてて
踏まないように急いで登った

ひやりとした木の感触
あのときあたしは ....
あたしが生まれる前のこと
パパとママは恋をした
骨まで溶けてしまうような
そんな激しい愛を見た


そうして生まれたあたしには
誰にも内緒の秘密がある


あたしはとても幸 ....
若さの中に埋もれていたのかもしれないね
乾いた木にもたれかかって
微熱を持った耳に唇を寄せた


それは丁度冷たい風が月明かりをざわめかせたとき
その落ち着き無い立ち居振る舞いが急 ....
この部屋は空気が動かないから
こんなにも澱んでいるのだろう
弦をはじけば音が零れた
あたしはその中を 泳ぐように


『まるで夢みたいだろう』


貴方がくちずさむ英語の歌に
 ....
『ねえ』

世の中矛盾だらけだよって
背伸びのつもりで言ってみた


『歌姫』

ららら
ずっと歌うよ
そのぼやけた孤独にある
君の輪郭を撫でるため


『灰色』
 ....
空を切る指を
あたしは掴まずちょっと舐めて
堕ちてゆくのを只見てた
丁度太陽が沈んでゆくみたいに


爪にのせた艶やかなピンクベージュ
貴方に捧げるレクイエムになればいいな
足首に飾っ ....
さらさらはらはらと降りおちてくるような
あなたの手のひら
私はそれに甘えながら
体の奥で静かに溶けてく優しさを感じている

こんなに明るい日差しにすけて
ほこりが優しく舞っている
 ....
泣き出しそうな空から
冷たく凍ったみぞれが堕ちる
あなたの黒髪を容易く濡らして
あたしは重く垂れるその雫を飲み込んだ

体が冷たく冷えていたので
上手く手足も動かせない
代わりに ....
青く染まっていく空の下で
私たちはなんて孤独なのだろう
冷たく乾いた風が吹き付けるのを合図にして
私たちは心のかわりに手を繋ぐ

けれど二人の冷えた手は
繋ぎあっても温めあえない
凍えて ....
二人の温度に車の窓が曇っていって
心の在り処もわからなくさせる
長い睫毛に香水のにおい
あたしが吸う煙草の煙
居心地良い筈なのに
どうしてこんなに惑っているのか


あたしのグ ....
秋の海は生き物の香りがしない
まだ太陽が昇りきらない夜明けの孤独
二人で訪れたこの海には
まるで誂えたように人がいない

冷えた体を温めたいのか
あなたは強くそれでも乱暴ではないた ....
 窓から差し込む青く透明な光に、ベッドで眠る彼の顔が夜明け独特の清浄な暗さに染められていた。
 こうして彼の寝顔を見るのは久しぶりだ。ぐっすりと眠る彼の顔はとても疲れていて、羽を休めるぼろぼろの ....
切れかけた灯が点滅して
夜の空気をざわめかせている
人もまばらな公園で
赤く染まった爪先が
あなたの頬を蹴りつけた

ちらちらと瞬く安い灯りは
薄暗く二人を纏う
その中で白く浮かぶ ....
ロリータ℃。(44)
タイトル カテゴリ Point 日付
キス自由詩5*07/3/25 4:14
夏の日自由詩307/3/21 23:33
薄青おはじき自由詩507/3/18 11:28
ピアス自由詩307/2/12 14:47
オリエンタル自由詩007/1/30 18:20
真夜中の刺繍自由詩607/1/17 3:08
爪のほうが大事なの自由詩407/1/2 16:15
粉砂糖自由詩306/12/7 12:28
不感症自由詩106/12/4 23:35
乾燥自由詩106/11/25 4:59
冷めた欲情自由詩106/11/21 3:59
さみしくて自由詩106/11/11 5:37
愛の墓場散文(批評 ...2*06/11/10 15:53
蛍光灯自由詩11*06/11/9 22:59

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