夏の終わりが
僕をくすぐるようだった

沸きだした熱が
いつの間にか
きみのかたちになって泣き出すと
僕は立ち止まるばかりだ
ここがどんな道でも
同じ

夕暮れの光は
ふたりを隠 ....
神さまがいたらなんて考えない
だってあたしは昔から
先生に嫌われていたから
そういうことなんだろうね

笑いたいわけじゃなくて
泣きたくないんだって 気づいたとき
あなたのことを好きなん ....
とうめいさを
いつまでも盾にしていられないので
やぶり取られることに怯えている

肉の壁をおしつぶして
いたみと寄り添い
静寂の根本までおちてゆけたらいい
くずれかけた砂の橋も
ほこり ....
寝返りをうつたびに冷やされていく
わたしには
チョコレートの甘美さも
ふとんのかび臭さもおんなじ

上手におよがしてください

貧しい味覚でもって
あなたがたいへん口に合うのです
は ....
点滅を
毛嫌いするあなたに
会いたくない日曜日には
煙が遠くなびいて消える


うそです、
と笑っても
ほころばないこの摂理を
なぞるのが下手だったね
記号じゃなくて疎通がほし ....
呼吸を実感したくて
息を止めると
きみはどうしたのと笑った
どうもしてないよ
ただ
死んでみたくなっただけ
そう言って僕も笑った

昨日僕が鍵を閉めた
空調の整った部屋
まるい天井 ....
季節は私に従属する

冬になれば言葉をわすれ
ぬくみをさがす動物になる
あなたが安全な場所で
ただろうそくを見守っている間に
私の四肢はもげ落ちて
まるく
にぶくなるんだろう

あ ....
街灯は白んで路地を見下ろす
檻の中で眠るよりも
コンクリートに背を預けて

何度指を切ったか忘れた
さみしくない
かなしくない
別に嬉しくもないが
手を叩く
子供みたいに

空白 ....
動かして
もっといたくしてもいいから
すきと言ってくれたら


雪が降る
真夏の歩道に
きみの影がないことが
わたしの世界のすべてでも



祈っている


晴れた海は遠 ....
パーティーは終わらない、軋んだ花で飾られた戦車に、飛び乗るなら、凍るような白い朝にしよう、クラッカーを買ってこよう、庭を壊そう、一緒に歌ってみようよ、晴れ渡った北半球の芝生に、横たわろう、星型 .... 成年したてのきみは、
やっぱり煙草をすわなかった、
そのおおきなての、
骨のめだつ指のフォルムに、


{引用=白煙}

似合うとおもうんだけれどな、


{引用=で}

と ....
タイプライターを壊した
夢見がちな小説家が
歩道に絵を描く

野良犬を蹴り殺した
隣の家の長男は
私に硬いキスをする

地球を手に入れたことのある
世界で一番不幸なひとが
尊く笑う ....
群青がおりてくると
土は冷たくなる
それにふれると
からだじゅうが嘘のように固くなった
すると、ひとりの子が
私はおんなのこです
と言って
すこし笑った
私にはよくわからなかったけど
 ....
となりの人が一歩踏み出す。


チュッパチャップスを舐めながら自転車並列で猥談するジャージ姿の男子中学生は信号を見ないし当然のように歩道に転がる真っ赤な苺にも気付かない。
明日が月曜日であるこ ....
世界地図を定規で測ると
あなたとわたしを遠ざける
この距離は五センチにも満たない

この地球には海があって
広い広いそのどこかに
憧れているあなたの町が
浮かんでいる

上空に照らす ....
ぽんぽん
前に歩いている人が花を落とす
私はそれを拾うのは癪なので踏み潰して進む
ああ夏が来てしまうんですね
となりにいる人にそう言うと
その人は
この世の終わりという顔をして
爆発して ....
真昼になると
饒舌になる空の色
僕は嫌いだ
昔から夜のほうがすき
もっと細やかに
動いている光の粒子を
眺めたい
窓越しにでも

ほら
手足がしびれても
誰が呼んでもふりむかない ....
日比谷線のホームに
きみと立つのは初めて
一人で会いにきたよって言って
褒めて欲しかったんだよ
大好きだから名前を呼ばない
そんないじわるだって流して欲しかったんだよ

流線型の街が私と ....
非常階段で待ち合わせ
そんな滑稽さでもって
世界から逃げている
きみとわたし

日中の駐車場で
眩しいくらいに飛ばされた
二人の立体感が
遠い

ふれている間だけ
呼吸するのを諦 ....
きみはひどく咳き込み
すぐに踞った
今日は風がつよいね
手をつないで
髪を
なでた





すきだよ


あまく
湿った声は遠く
いつも
おびえているみたいだった
 ....
哲学者は手首を折った
色という概念を忘れようとして
僕は我慢する
排他的なその花瓶の輪郭は
多大なる想像を用いてぼくに砕かれる

涙せよ
涙せよ、と繰り返す脳内の信号は
僕の思うすべて ....
冬の車道にぼくは蝉をみつける
暖房を効かせたひろい町のどこかで

あの子がすきな作家の本を
ぼくは読まないけれどたくさん持ってる

早朝につんとした風が耳を抜ける
まぶしさに目を塞げるな ....
らせんのような共鳴を感じる
ピアノをたたくゆびの柔さに似た
無邪気さの中で吸う空気

どこまでも青くひろがる
世界の端っこで
どうしようもなくうばいあっては
求めあう
わたしと君のすが ....
ほどけてしまいそうな
女の子のからだから
春をとり出してならべる

つみぶかい瞳が
まだそこにおよいでいる
名前の知らない五月の旗
活字から顔をあげて
だれをみる
外をみた
窓 ....
梅のにおいだ



がらんとした空洞のせかいに
手をひたす
わたしがさわれて
感じられるものを
おもいきり吸い込むために


あざといまなざしに 
淋しくかかげた
いたみの芽 ....
やっとのことでぬくもった指が
水にふれた
気がした


また凍るのか


雪の味をいつまでも
いつまでも憶えていて
そういえばそれはひどく愛しかった

はるか上空から
落ちて ....
ひとつひとつに
名前なんてなかった
きみだけが知っていた
美しい世界
神さま
ねえだから
きみは神さま
みんながうまれたときに
さいしょに泣いてくれたのは
きみだったな
あわくする ....
階段を降りている
のぼろうとしてたのに
でも迷わない
うしろすがたは不安じゃない

夕暮れにはえる骨格

自転車の鍵はどこ
きみのかかとが逃げていく
ひかりのすまわない瞳を
ふりむ ....
橙のかげ
古い写真みたいにかすむ

あの煙突からたちのぼる
霧のような灰が眩しい
太陽はしずみかけで
手のひらの大きさの池に浮かんでいる

死んでみたいとくちにした
動脈血のながれる ....
覚えたての年号を羅列して
自慢げにわらう少女は
昨日みた星のいろを
まるきり覚えていないという

羽根がほしい
羽根がほしい

微風がきせつを連れてきて
合図なんかいらない
気まぐ ....
アオゾラ誤爆(80)
タイトル カテゴリ Point 日付
片結びの夏自由詩510/8/20 20:48
It was a girl that can meet a ...自由詩410/4/17 21:30
花畑までの景色自由詩810/1/31 20:53
わたしの海は盲目自由詩210/1/10 0:35
意識の底自由詩609/11/14 0:56
二人芝居自由詩709/11/8 21:58
今夜はもう眠ろう自由詩709/10/14 20:30
九月の獣自由詩1009/9/20 12:57
たとえば呼吸をするように自由詩209/8/8 18:43
パーティーは終わらない自由詩12*09/7/23 19:45
白昼にきみが見ない夢自由詩909/7/7 22:24
傾覆の地平自由詩409/6/23 23:27
少女たちの天体観測自由詩1309/5/27 22:01
sixteen自由詩1209/5/10 20:34
ディスタンス・インヴィジブル自由詩909/5/1 20:59
降下もしくは落下する自由詩609/4/19 21:52
掃除機自由詩5*09/2/25 19:34
蛍光ペンで白地図に線を引く自由詩8*09/2/19 21:22
逢瀬自由詩809/1/17 0:18
破瓜は絞首に似ている自由詩13*09/1/4 2:31
蝶が見る夢自由詩808/12/3 23:14
She's crying自由詩408/11/18 18:49
回帰自由詩1108/9/14 20:40
メーデー自由詩2508/5/1 22:09
わたしは春にうまれた自由詩12*08/3/11 22:06
処女雪自由詩1008/1/3 21:59
神さまとさよならする日自由詩3607/12/20 19:31
ひかりについて自由詩1*07/12/11 20:03
熟れる頃 きみが泣く自由詩407/12/5 20:15
羽根のない日自由詩807/11/25 15:22

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