瞼から首まで、赤く咲く恋は、踏切の前で溺れている。


中脳の機能、眼球、信号機、青だから、君、白いスカートで。


「最初から感情なんて要らなかった」。後頭部からざわめいて、五月。

 ....
幼い頃に描いたフラミンゴの親子は
最初から最後まで綺麗なピンク色で
6と4の形をしていた

あれは間違いだと知った今でも
フラミンゴはピンク色のまま
美しい脚で佇んでいて



{ ....
{引用=
くまちゃん
雪が降ったからね、うさぎを作ったんだ。ダイクマからの帰り道、雪が降って、ねぇ。積ったらいいのにーってはしゃいだら僕、冗談じゃない!ってみんなに怒られてさ。くまちゃんは雪の多い ....
かみさま、
ぼくの手はどうしてこんなにも
醜いのですか
骨を辿る指先も
愛するための掌も
確認する手首すらも
きもちわるい
のに

桜が散ってしまって
ごめんね、ビーグル

 ....
そっとくちづけるかのように
首筋に立てた牙が血液を辿ってゆく
やさしいじかん
一度だけ閉じられたガゼルの眼は
空を仰いでいたけれど
若草は映らなかったに違いない
荒野の果てにいる動物は
 ....
首を落とした鶏が暴れるのは
別に不思議なことじゃないのに
暖炉が静寂を守っているのは
追いかけられない影があるからだ

その向こうの向こう側にある曲がり角を
右に折れてすぐの
鉄骨だけ組 ....
   油絵が描けなくなるくらい圧倒的な夕焼けを見た(、シンナーで溶ける?)キャンパスにカッターナイフを突き立てて、密室は寂しいから窓を作った。噎せるような金柑の香り。

Fw:

 鍵盤が重い ....
夜を抜け出して
港は
沈んでいる
深い群青の空を支える影は
暗く黒く
タールを越えて
走る

錘など最初から必要なかった
この手を、離せば。
それでよかった

忘れるわけじゃな ....
{引用=クラクション、に、囲まれている。耳が痛い。}



スクランブル交差点の真ん中でシマウマが何度も轢死している。



深海から光を捜す。眼は閉じた。
体中の臓器が潰れていく。 ....
{引用=
いつまでも白でいたいと言ったから、代わりに黒でいようと思った。



熱にうかされて追いかけた影

幸せだったか思い出せない



金平糖を噛み砕く癖・紫煙を燻らせる仕 ....
 桜

僕たちの最初の声が本当に欲しがったのは何だったのか
{引用=羊水の中で足掻く胎児は
魚類に他ならない
僕たちが生まれたとき
本当に欲しかったものは何だったのでしょう
どうして ....
とん、と
遠くの方で落下音
君は絵本を閉じてゆっくりと立ち
音を探して軽く首を傾げる
小指を栞代わりにする癖は治らないらしい

音の正体を知っているけれど
教えてはあげない
あのお喋り ....
もっと上手に生きられたらって
泣いた夜も
毎日少しずつ違う朝は迎えにきた



からん、と錆びた音がした
気がする


頭を撫でてくれる手が好きで
これが欲しいああして欲しいって ....
{引用=閉じられた扉を内からノックする
「お願い、誰か、…わたしを見つけて――…!」}


もしも、とか。
ほんとは好きじゃないけれど(アンバランスだ)と影が言うので


あの人に恋し ....
水を含んだような眼に(投影する、過去)
まっすぐ見れなくて
(代わりに)シャッターを切った

遠くの方で耳鳴りがする
死んでしまった(呼び出し音)みたいな
規則的なリズム


{引用 ....
可愛い
と紡ぐ、その同じ唇で
解剖用のメスを銜える

抱かれて
幸せそうだったビーグルの
断片を少しだけ、見た


突風がまるで嘲笑うように
二年生の白衣の裾を翻して

救 ....
蜃気楼を信じて
砂漠に打ち上げられた鯨

現実から逃げ出して
淡水の夢を見たけれど

安らぎは
もっとずっと
遠かった

求めたものと
与えられたものと

砂粒みたいに
隙 ....
夢で逢いたいと願った/だけだった

薄暗い小路に狼はいない
木漏れ日の森に
明日は雷が降るから
煙草に灯を点けて歩いた

擦れ違う蝶の
乱れた花びらを焦がして
二度と繋がらない電 ....
温かい霧雨は
失われた羊膜の記憶のように
柔らかに
わたし
という意味を
緩やかに包括する

鳴き声のような雨音は
鼓膜に優しいけれど
痛みに疼く左目が
暗転する風景を拒絶している ....
偽物には影が見えると
幼子が指差しをする

「{注 =作り上げられた神話と 投影される閉鎖空間}{注 =流れ星に三度繰り返す 叶わない願いを知り}{注 =飲み干した声は虚偽に 僅か震えて反響した ....
一度しか逢えないなら
失くしてしまったって一緒だ


視線を外すと
こんなにもぼやけてしまう世界で

二人で夜を歩くとき
星屑の欠片を拾い集めては
ブリキの缶詰にしまっておいた

 ....
二号館には
幽霊がいる


獅子のような尾を持った犬が
檻の内側から近づいてくる
わたしが檻の中にいるような
錯覚が怖くて目を逸らした

左側の夕焼けが
セキレイの羽音を焼き切る頃 ....
ピアノの調律を数式化した教室で
黒板に書かれた文字を
僕たちは理解しようとしない

故郷の水不足を報じる朝日
此方では雨が降るけれど
牛の鞄ではダムにはならなくて
蛍に逢いたいと
彼女 ....
{引用=

『たん純にさ、

 考えすぎなのかもよ。

 しん呼きゅうしてさ、

 だれかのうでに甘えてみるのも、

 たまにはいいんじゃないの?


 あんがい近いところに ....
振り返ったら
影法師しか
あなたの名残は落ちていなかった


雷雨が滑りこむ昼下がり

四角い白い箱の中
些細なことで
笑う
二匹の赤い鈴
あの日
パスタの蝶々結びが
{ ....
沙漠から取り寄せた砂を
僕たちは浴槽に撒く

言葉に塗布された意味を
一つずつ丁寧に
酷くゆっくりと落としながら
シャボン玉を
空間を埋めるために飛ばす

乾いた砂に埋もれた言葉を
 ....
ミンククジラのパンプスの中で
小さな金魚が揺らめいている

落雷があった駅からは
洪水が始まっていて
横断歩道の境界は灰に変わる

賭けに出る前に
豪雨の隙間ですれ違った少年は
折れ ....
「反対の階段下で待っています」
あなたの胸に蝶々が降りる



右耳に雫が一つ落ちるから、ワインのコルクは赤く染まる


幸せを謳う詩ならどこまでも響くものだと信じてたけど


 ....
抱き上げたら
掌に
血脈の呼吸が当たる
心臓に触れてしまった、
ような気がして

温かい体が怖くなった


白衣の腕に抱かれた眼を
僕は見つめている
境界線から一歩引いた ....
野良猫が硝子扉の前で爪をとぐ
透明に遮られて佇む、
僕が手にしているのは猫の解剖写真

あぁ

ヘリコプターが{ルビ番=つがい}のように並んで行くね

鴉を追い払う小鳥の夫婦は
電線 ....
士狼(銀)(136)
タイトル カテゴリ Point 日付
脳幹と脊髄さえあれば生命の維持は可能[group]短歌7*08/5/15 21:51
フラミンゴ[group]携帯写真+ ...5*08/5/10 20:20
くまちゃんと僕の三ヵ月の空白[group]自由詩28*08/4/13 21:03
ビーグル[group]自由詩11*08/4/9 21:22
チーター[group]自由詩4*08/4/6 4:44
鳥居[group]自由詩5*08/3/31 13:13
ナンセンス[group]自由詩2*08/3/14 18:57
黒猫[group]自由詩7*08/3/7 23:23
美香[group]短歌7*08/2/24 13:34
名前をつけて保存*.txt[group]短歌11*08/2/6 15:45
陽炎[group]短歌4*08/1/5 15:04
創書日和「指」 『いつまでも、鰐』 [group]自由詩7*07/11/8 23:30
創書日和「酒」  21%[group]自由詩3*07/10/12 1:46
かくれんぼ vol.1[group]短歌5*07/10/1 23:18
投影[group]携帯写真+ ...7*07/9/24 14:21
矛盾[group]自由詩8+*07/9/11 1:40
創書日和「砂」  ないものねだり[group]自由詩17*07/8/29 12:23
眩暈[group]携帯写真+ ...7*07/7/30 9:07
embryo[group]自由詩7*07/7/19 22:07
創書日和「星」  天球儀[group]携帯写真+ ...5*07/7/14 12:36
創書日和「星」  万華鏡[group]自由詩1107/7/13 21:49
あかい ち[group]自由詩5*07/6/28 0:27
創書日和「窓」  約束[group]自由詩14*07/6/22 23:14
ぬくもり[group]携帯写真+ ...18*07/6/17 18:37
創書日和「窓」  さよなら[group]自由詩11*07/6/12 18:01
レプリカ[group]自由詩19*07/6/3 0:34
合図[group]未詩・独白9*07/5/31 19:14
あさきゆめみし、知らない街で短歌8*07/5/30 0:53
よんばんめのこぶた[group]携帯写真+ ...707/5/17 22:27
「硝子」の習作[group]未詩・独白5*07/5/9 21:46

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