絵を見るときは絵だけを見るようにしてます。すごいなあとか、いまいちだなあとか心の中で思いながら。絵って要するに平面における色の配置なんだけど、すごいなあといまいちだなあとに(程度の差はあれ)全く分かれ .... さっきまで
ともだちと遊んでいたのに
気がつくと
周りには誰もいなくなっていた

薄墨に暮れていると
むこうから
母が サンダルばきで
必死に走ってきてくれた


家へ帰る 道す ....
うち転校するんよ明日
ひぐらし鳴く森の
高いニレの樹に
お別れしにきたんよ今日
明日になったら
あのおっきな船みたいな雲に乗って
転校するんよ
降り積もる、
夕の灰
(うすい羽は)
野の窪み。
一人
女の腹から
(渇きに)(割れて)
生まれ来て。
(その)
寒々とした野原の
(隔たり)
産湯に、
つかったままの
ぼく ....
夕焼け色に自転車こいで
うちからちょっと離れた団地の脇の
公園の角をすうっと曲がって
またペダルに力をいれる
冷たい風とかじかんだ手
ちぎれそうな耳にかさかさの頬

紺色した赤い空
硝 ....
ほんとうに悲しいときは
涙がながれるんだ
ぼろぼろと

自分の意志とは無関係に
いつのまにか流れて
ぼろぼろとまらない

それで
やっと気がつく
ああこれが
自分のこころ深く震え ....
まぶたをとじると
見えるまど
ぽかりとうかんだ
はんみのつきの
かなしいつきの
ひかり
廃校の机のうえ
はねるつややかな表音文字
琥珀色をした聴こえぬ
音のしずく

まるまるせな ....
風のつよく吹く日には
惑星間電話で
火星に電話をかける。

受話器のむこうから伝わる
赤錆色した砂あらし。

その夢の原石のような響きに、
そっと
耳を澄ますために。
手のひらが いちまい
めくられて
ぼくらの普通の暮らしを
すっきりと覆いかくす 朝ぼらけ

―大海原のかなたには
    銀色の大きな秤が
        沈んでいて

" ....
i

どこにでも空はある
この手元の
ガラス瓶のなかにも
耳を近づけると
かすかな雲雀の声が聞こえた
            (sky in the bottle)
 

ii
 ....
生まれたての
手の平で つかんだもの すべて。
鎖骨の窪みから とくりと こぼれだし。
山や丘の傾斜地を ゆっくり流れる。
スペイン産の白ぶどう酒の
甘やかな匂い。
車輪のスポークが散らす ....
それは
かつて、
波であり、雨であり、
きみであり、ぼくであった、
青い黎明の影に涼しく揺れる、
ひとつぶの露。

魂は、ほどけて、
空の記憶、海の記憶、大地の記憶、愛の記憶、
それ ....
始点


まだ、精製されない月が、なめされてゆく朝、
わたしの瞳は、真っ白なままの夏の果実だ。
ながめるままに、わたしのからだは、白く締まり、
背中には、灰のまじった、蓑毛が生える。
も ....
  鳩が いっせいに 飛びたって
  まっさらな 秋が やってきた
  
  マロングラッセの やわらかな 日差しが
  やさしく そよぐ

  にんげんより すこしだけ
  透きとおっ ....
  雨の日には
  誰かの心がおわる

  かつて夏の日に
  鳥がいなくなってしまった
  残された鳥籠のヴィジョン

  死滅した都市だけが
  優しい思考を生きてゆく
ひげも、へそも、
神さまからもらった。
ティシャツの下に隠れた、
へそ毛も、のびるまんまだ。
流しに放ってある大根は、青々と育ち、
あした、三つ指ついて嫁にいく。
堪らない。
夜は、窓か ....
うす紫に、きれいに染め上がった、
放課後の、
(優しい文脈を結んで)
ぼくは 図書館で、
大好きなきみの名前を、
水文字で書く。

水文字。
右でもなく、
左でもなく、
遠いほうの ....
向日葵の ねむる わが家まで
いつも ふたり 歩いてた
坂の 途中
みどりの 地平線
むこうが 見えるふりしてた

オルガンの風が ふたりをつつみ
たんぽぽ色の空 ふわりふわり と 穏や ....
せつないね 水の音
世界が 少し へこんで
水の音
くすり指 井戸で ひたせば
風が 吹く 家


宿題を ぱたんと 鳴らして
水の音
よるが 窓から やってくる
遠くの 森で
 ....
暗闇のライトに浮かぶ机の離島座る少女仄暗き右手



群青の影さす水脈の在りし日々世界は涙に蒼く翳りて



手術台横たわる我の開口部のぞけば霧の追憶と空虚



窓の ....
母さん
ぼくの血は
あの鳩の眼よりも
薄い色なのですか
すでに色褪せてしまった繃帯が
風になびくのです

母さん
ぼくはまだ
あのデパートの屋上で
迷子のままなのですか
いまでも ....
群青の
真っ直ぐな鉄道が
光っています

螺旋を描いて
鼓膜は くるくると 遠のきます
正午の意味に満たされ 初めて
私は 渇きを 知りました
――それは あなたのための――
心の底 ....
寂しいぜ
ミノフスキーの宇宙を
透明なカラス(それはガラスでできた凍えた烏)
が 堕ちてゆく 真空のなかを
音もたてず 堕ちてゆく
(のを義眼でみつめる)義妹は
バスにゆられる
寂しい群 ....
あいにくと
今朝は
雲母の雨

レイゾウコに
証券市場線の傾きで
保存されたキャベツが
笑う

そう
どうでも
いいことだった

遠いNの遠足に
かかる雲のあいま
母さん ....
みえない身体のなかで
手が縮こまる
青く染まった
泥の歴史を反芻しながら
鳶色に滴る見える手は 
(見えない手は)
(見えない何本もの手は)
みずからを固くだきしめて
ひびわれた胡桃の ....
ふうって
ためいき つくと
へやの くうきが
すこし ゆれる

くちを すぼめて
もうすこし つよく
ふうって ふくと
れーすの かーてん ゆれて
まどの そと
こずえも ひらひら ....
家に 帰ろうとしてるのに
じてんしゃ こいで 浮遊する
わたし 街灯がともり 青白く
青白い わたしの骨は
木枯らしに 透け
境界線を 浮遊する

わたしのにおいは 地面のにおい
湿っ ....
「世界の脳髄」ときたら
もういっちゃってるの
あっちのほうへ
えっ あっちがこっち?
こっちはあっち?
あるべき(恥ずべき)ぼくの
灰色の脳髄は空っぽ(からから)だから
どどうどどうと  ....
わたしは
花さく野邊のなかで
じっと動かずにいる
一匹の蛙です


やわらかな風に
運ばれてゆく
たんぽぽの綿毛にぶらさがった
小さな種子は
わたしです


水の跳ねる音がす ....
羊歯が葉を裏返し
白い歯を見せて笑う
日陰の庭で
ちいさな神様が
泣いている

山じゅうの
虹を融かしこみ
熱い涙をながし
泣いている

(ちいさな神様の
 まっかな
 まっ ....
青色銀河団(320)
タイトル カテゴリ Point 日付
詩だとか脳だとか散文(批評 ...704/11/30 0:33
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15歳未詩・独白304/11/14 21:54
Heartstrings未詩・独白004/11/14 18:53
月あかり未詩・独白3*04/10/17 23:25
サイレント・コール自由詩504/9/23 23:20
朝ぼらけ自由詩604/9/22 0:46
Sky in the Bottle自由詩304/9/14 23:38
鎖骨の窪み未詩・独白204/9/14 1:04
水の記憶未詩・独白304/9/12 0:15
始点未詩・独白504/9/9 0:31
ショーウィンドー携帯写真+ ...404/9/5 20:51
ヴィジョン携帯写真+ ...704/9/5 20:15
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八月自由詩704/8/1 17:07

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