あのとき
声をかけなければ出会わなかったのにね
わたしは
きみが好きになったから
きみのこと好きになったのよ
そう言って
窓を開ける。冷たい風
ああ、まだ微笑んでる
傷つけることなんて ....
足跡を残して
消える
虹の線が
7つの旅先でただゆっくり
きみを透明な光でつつみ
去っていく

おはよう
ああ、おはよう
今日もいい天気だね
そうだね
パンでいいかい?
あ ....
父がつかまえてきて母がしらないで庭先に置いたカメのポルナレフ
もうすぐ春がきますよー
待ち居遠しかったですか
それとも夜通しでしたか
ずっと
似たような節がありましたか?
あなたが買って私 ....
遠くから
なにかが落ちてくる

私はしらない星

火の玉になって
破片を生み出しながら

大気を巻き
海を蒸発させ
山々を裂き

星を光に変える

私はしらない空間

 ....
ベランダの茎に雪が積もって
どこか雪花のようだった

西日の中でも負けずに元気だった
まだ咲いてほしくて片づけなかった

小さな花


種を落として、鳥
鉢のすみで咲いて


 ....
彼女は巡礼の足をとめ
胸のクロスを外し
川に沈める

人は一度目の奇跡で生まれて
二度目の奇跡で死ぬのよ

その血が流れる場所に
十字架を置いておきましょう

そう言って娘に
そ ....
雨は雪になり2週間降り続けた
そこから先は灰だった

手のひらで溶けることのない
真っ白な灰は
強く握っても固まらなかった

光をほとんど通さない厚い雲
沈んでいく石の群れ

影が ....
これがあなた弟の部屋よ
案内してくれた女はノエミといった
薄いブルーの冷蔵庫
錆びたコンロとケトル
想像してたよりもずっと生活感があった
家事なんてしたことなかったのに

窓を開けると
 ....
隙間を埋めた新聞が震える
山小屋の木壁はとても
この吹雪を乗り切れそうにない
テーブルを倒したバリケードの裏側で
貧しい体温を分け合う二人
「きみが生き延びたら僕の父と母と姉に愛していた ....
記憶を忘れないように
テクニクス社のメモリーに換えた

外気が通常よりも低く
保護フィールドが温度を上げる

月が懐かしい
そのくらい昔には
まだ夜があった

庭の無花果か ....
ベランダの端に
長いこと積まれた
植木鉢の底
一対の鍵

名前も知らない
美しいふたり

命日に生まれた
どこにも行かない
面影をさがす
さよならを歌う

秋の陽射し
ゆっ ....
今日も誰かの体にメスが入っていく
点滴の水滴が落ちていく

パルスオキシメータの音が止んでも
きみには帰る家もない

ふたりの子供はいないから

追いかけても追いつけないから


 ....
ケーキを食べ終えて
たどりついたベル・エア

あなたが歌ってくれる
やさしい

Rock and roll.
I can hear music playing on a glass record.
I ordered a hot chocolate from the coffee shop in the ....
壊れたドライヤーを焼却炉に入れた

近所の竹林が昨日の強風で軒並み倒れてるというので
鉈と鋸をホームセンターで買ってきた
「わりとこういうのはとくいなんだ」といって
お箸と菜箸と器とカッ ....
 
エミーの墓の枯れたローズ

学校が終わり自転車でゲートを抜け
墓場で横になれば

誰かがお前を愛してくれる
 
無償の愛でひとつずつ
指を切り落とされていく
私も逃げないから逃げないでと彼女が言う

これが一度きりの人生なんて
信じられない
溶かされ
水滴に変えられた
悲しみが

香水の空き瓶の中から
じっと

外を見ている
屋根のない小舟で
雨に濡れながら

ここももうすぐ海になるね
もうどこにもないと思ってた
彼の品

母の実家の玄関先

クリスマスにシアトルで買った
背の高いコーヒーカップ

牡丹のような芍薬

もう帰らんといけんのんね?
破竹を煮たから持 ....
私より数秒前に
朝が目をさます

私はそれを
ぼんやりみてる
氷点下の海面をすべるように歩いてくる
トラ皮を纏った大男

コーヒーを淹れ、読めない文字の本を開き
そんな話じゃないかと夢想する

職人の手で瓦をはぎとり
レッドシダーが三十年ぶりの陽を ....
電気を消した森の
カラス
教室ベランダ紫陽花と
舞い踊った校庭の砂

瞼を閉じてゆれる
きみの前髪
青い雨が降る惑星で
ディーラーの投げる裏表のないコイン

表に賭け、表だと告げる

なあ、あんたなら
この星が買えるまで稼げるぜ

女たちが歌う

誰も外を見ようとしない


 ....
「もう誰も住んでないわよ」
「転居先は?」
「知らない」
もういちどドアを叩いてみる
「無駄だって」
階段の女が言う

男は手すりに酒瓶を置く
「じゃあきみにやるよ」
「禁酒中なの」 ....
知ると集めたくなる
際限なく懐に容れて

千億枚の世界、見切れない世界
知りたいから知らない

花の首を折って手の平にのせて笑う
くらやみに
死後が浮かんで
あなたが消えた

これから生まれてくる
後の世界を書いて

真空のドーム
ガラスに手がふれる

星に、ぶつかればいいのに
彼岸花が咲いてた辺りに
今は桜が咲いてる

誰かの雨を
涙と勘違いして
小雨降る
最後のフェリーを
船底で待つ
魚の群れ
人が去り
忘れられた運河
mizunomadoka(541)
タイトル カテゴリ Point 日付
二人自由詩114/3/7 21:27
rnonring自由詩014/3/6 23:49
旅先ですか?自由詩214/3/2 23:10
想像自由詩214/2/16 20:20
次の四季自由詩614/2/14 0:38
christmas自由詩113/12/23 16:29
lid自由詩313/11/19 14:26
loved自由詩313/10/29 19:43
自由詩413/10/24 20:35
tonight自由詩313/10/21 12:30
away自由詩713/9/29 10:12
It was a very beautiful photo.自由詩313/9/27 19:31
Summer nights, mid July.自由詩113/8/11 11:51
Time Travel Girl.自由詩113/8/11 11:33
香苗自由詩113/7/26 22:46
hanged rose自由詩313/7/2 20:36
faith自由詩213/7/2 19:26
cold water自由詩213/6/13 23:08
salt自由詩113/6/13 16:37
first starbucks store自由詩113/6/13 16:28
asayume自由詩113/6/12 16:59
redcedar自由詩013/6/12 16:21
crow in forest off the light自由詩113/6/10 22:00
6月自由詩313/6/10 21:50
heads or tales自由詩313/6/10 0:36
desert rose自由詩013/6/9 1:07
simpleminded自由詩113/6/7 12:37
夜の上辺自由詩413/4/29 16:25
午後のサイレン自由詩313/3/24 13:42
Jetty自由詩213/3/22 2:47

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