虫の音が

その訪れをささやき


雨粒に溶け込んだ

その香りが


地上の汚れを

清めながら


焼けついたものすべてを

冷やし


夏の暑さを

 ....
エトロのペイズリーが

好きなひとだった


なにからなにまで

ペイズリー


ぼくにも

買ってくれた


ペイズリーの

二つ折れ財布


とっても長くも ....
きまぐれな最高神が

たわむれで創った


地上世界の

はじまりは


立体的な

まるでクールベが描いた

静止画のようだった


天空の神々はみな

その見 ....
この世のものとは思えない

美しさ


妖気がただよい


みる者すべてを

ひき込むような

透明度


世界中のあらゆる街から


すべての失われた恋が

 ....
そよかぜが

うつくしい少女に

恋をした


その長い黒髪に

ふれたとき


あらいたての

シャンプーの残り香のような


フローラルな香りが

ただよい
 ....
毎日ぼくは
きづかずに

多くの幸せに
囲まれていた


幸せは
どこにでも
かくれている


君が淹れてくれた
コーヒーの香りのなかにある
幸せ


いつも横取りし ....
母なる暖気

父なる寒気


そのはざ間で生まれる


梅雨前線


まるで

僕のようだ



やさしくて

あたたかい母


厳しくて

つめたい父 ....
梅雨おちて  紫陽花飾り  電池切れ



咲きほこる  護摩堂山に  陽も覗く



梅雨時に   姿現わす   紫陽花図



朝おきて   めぐる紫陽花   夢にまで
 ....
しろい雲を

トッピングした


きれいな青空が


ブルークリームソーダに

見えてきて


まだ午前10時

ころなのに

おなかがへってきてしまう


さ ....
きょうは

どうしても

モーツァルトのト短調が

聴きたい


ピアノカルテット にしようか

ストリング・クインテットにしようか

シンフォニーにしようか



 ....
きみの

夢のなかに

はいり込みたくて



すやすや眠る

きみの


あたたかい額に

くちづける



朝起きて


どんな夢をみたの?

と ....
暑さくん

そうあわてて走るなよ


まだ梅雨が

はじまってもいないのに



せっかく咲きはじめた

紫陽花たちが

かわいそうだよ


いまバテたら


 ....
少女が窓辺に腰かけて

静かに外をながめながら

じっと何かに聴き入っている



その目からこぼれ落ちる

涙のしずくは


キラリとひかる美しい

ダイヤモンドのよう ....
ぼくは

ななめに線をひかれて


150年くらい前に

消されてしまったんだ


最近になって

ようやく日の目をみて


みんながぼくのことを

知ったようだけど ....
ブラームスはお好き?

それなら 

ピアノコンチェルトがおすすめよ

それもNO.1のね


新しいステレオ録音なんて

ろくなものがないの


いくら音がよくても

 ....
春の神はいそがしい


あるときは冬の姿になり

次の日には

夏の暑さを装う


雪どけの水に

色あせた枯葉たちを

はこばせ


恋人たちに 別れた秋を思いださ ....
雪どけの 

きよらかな水のなかから

春がうまれる


山のふもとで ひっそりと

春の陽射しを糧として成長した

水芭蕉たちは


これからはじまる

花のリレーの ....
枯葉のように

舞い落ちた

夏の日の恋


白いボートで

あそびながら


エメラルドグリーンより

コバルトブルーのほうが好き


紅葉のころに

また来ま ....
ぼくの隣に 腰かけて

きみは なぜか 

涙ぐんでいる


話しかけると 消えそうで

涙のわけは聞けない


星空から 落ちてきた

涙のしずくが


月のひかり ....
なぜか聴きたくなるシューマン


よく聴くのは

バッハ モーツァルト  ベートーヴェン


次によく聴く作曲家の一人が

シューマンだ


若くして精神障害の症状に

 ....
まいにち逢える人なのに

きみの扉は

迷路のかなた


曲がり道は 行き止まり

回り道も  行き止まり


はじめて逢った時から


たどり着けない

迷路のかな ....
ギリシア神話の案内役は


ペガサスにアンドロメダ

ペルセウス----


満天に

ダイヤモンドを散りばめて

光またたく秋の夜の


星座めぐりは 果てしなく

 ....
ささやくように

話しかけてくる

冬の足音


秋の終楽章の

フィナーレは

もう間近


木枯らしのような

冷たい風が

吹き抜け


舞い落ちた枯葉 ....
死神が

美しい乙女に恋をした


死が近づいている乙女を

冥府に導こうと来たのだが


そのあまりの美しさに

恋に落ちたのだ


ところが 乙女はまだ自分に

 ....
シューベルトが作曲するとき


意識して

あるいは無意識で


ほとんど 

といってよいほど

歌曲の世界へと向かう


ストリングクァルテットが ピアノクインテット ....
秋色に染まった街の

坂の上の教会へと

つづく道は


きみが教えてくれた

思い出の道



枯葉が舞い落ちて

石畳の道を飾り


きみは枯葉をひろって

 ....
年末が近ずき 第九のシーズンがくると

いつも 憤りを感じる話がある


それは

楽聖ベートーヴェンの第九に

呪いがあるという話だ


ベートーヴェン以後の

有名な作 ....
(時は1829年10月 ショパンは19歳 

恋心にときめいていた)



今はただ せつなくて

好きなのに  言葉がでない


きみの前では

なにもいえない


 ....
きのうまで

かれていた花が


今朝起きると

元気に咲いている


たしかに黒ずんで

かれていた


水がえなどはしていない


ただきのうの夜は


 ....
対位法で

計算され尽くした

バッハの


時をこえて

繰り広げられる

音楽の空間にいると


数学の方程式を

解く時のように

頭が回転する



 ....
st(384)
タイトル カテゴリ Point 日付
一番好きな季節自由詩319/9/16 7:24
二つ折れ財布自由詩219/7/29 8:35
時をあやつる女神自由詩019/7/19 2:08
エメラルドグリーンの湖に眠る恋自由詩619/7/17 2:24
そよかぜと少女自由詩519/7/15 4:29
たくさんの幸せ自由詩819/7/5 3:11
反抗期自由詩319/7/2 10:25
紫陽花 五句俳句119/6/27 7:41
じゃがいも君ありがとう!自由詩219/6/26 3:51
短調を聴きたい日自由詩3*19/6/24 2:36
夢のシンクロ・・・・きみの夢のなかに自由詩219/6/20 1:55
暑さくん自由詩219/6/17 2:25
涙のカルテット自由詩519/6/12 13:37
消された楽譜自由詩119/6/7 4:38
ブラームスはお好き?自由詩3*19/6/2 12:08
春の神自由詩419/5/30 5:13
水芭蕉自由詩319/5/18 4:04
コバルトブルーの湖自由詩318/11/22 13:31
涙のわけ自由詩318/11/4 5:25
壮絶な恋の果てに---シューマンの精神分裂病的な美の世界自由詩318/11/1 12:19
迷路自由詩318/10/30 10:25
星座めぐり自由詩118/10/28 2:05
過去からの旅人自由詩518/10/23 4:49
死と乙女---シューベルトを追悼して自由詩118/10/19 13:45
すべては歌曲から・シューベルト自由詩018/10/18 6:25
石畳の道自由詩718/10/15 12:26
第九の呪い・ベートーヴェン自由詩218/10/10 9:50
初恋・幻影 ---ショパンを追悼して自由詩418/10/8 12:12
モーツァルト自由詩218/10/7 7:41
異次元への方程式自由詩218/10/5 12:44

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 
0.08sec.