ほたる
記憶の町にはもう 僕の痕跡はなくなっていた
見慣れた風景を あたかも初めて見るフリをして歩いた
何を思えば良いんだろう 埋もれた記憶の中で
迷子になって歩いていた 歌でも歌いながら ....
くじら
もうじき夜が終わるよ 君の瞳にはまだ
昨日の星空が 張り付いたままだけど
ここで 剥がれ落ちる世界の悲鳴を聞き終えたら
行かなくちゃ 空の隙間から注ぐ光の指す場所へ
君の心が ....
うさぎ
寂しくても寂しくても 死ねない君はまた
携帯を握り締めたまま 夜と朝の狭間で目覚めた
何かを待ってたことに 気付いたけど
新しい今日に辿り着いて 忙しく時計が回り出した
赤眼 ....
サンタ
生まれた時からそれが使命だった
多分死ぬ寸前まで
誰かを笑顔にできるなら
ずっとそうやって生きていくんだよ
*
相棒のトナカイが 風邪をひいてしまって
どうにも困 ....
ランナーズハイ
鬼ごっこのような毎日です
でも誰が鬼で何を追うのやら
本当は追いつかれて捕まりたい
そんなこと思ってるのかもね
どこかでネジを落っことして
軋む体が痛みはじめた
だけ ....
なう
君が例えば悪人であれ 分かりっこないんだ
それと同時に 君が秘めてる悲しみとかもね
友達だと思うよ そんな曖昧な感じが落ち着くね
君も僕もきっと 踏み込まれたくない領域を持ってるから ....
雨に捨て猫
我輩は捨て猫である 段ボール箱を住み処とし
人の流れを ここから見ている
名前はもう無い 昔はあったんだけど
ミケだかタマだか もっと凝った名前だったか
排気ガスやらで ....
音楽室の幽霊
僕は臆病な幽霊さ 人間をおどかすのが仕事
今度の配属先は とある学校の音楽室
夜の学校は暗くて怖い だけどひとつ良かったのは
大好きな楽器が 弾き放題だってこと
ある雨 ....
クレーター
懐かしいね ここは君が始まった場所
同時にさ 終わった場所でもあるんだ
信じられるかい ここに確かに君は居たんだ
最後の最後まで 色んなものを守ってた
消えない ....
ねずみ
輪郭ぼやけてないかい? ちゃんと僕は僕なんだと
そう主張できるほどの 証はあるのかな
鴉のような黒色にも 兎のような白色にも
染まらないまま 曖昧に滲む灰色
僕の体じゃ きっ ....
スプレー
期待してなかったさって 言い訳みたいに唱えるのは
いざ期待が外れても 気持ちが楽で済むから
隠した悲しみの分だけ 強くなったと勘違いした
いつからか 何もかも隠すようになった
....
海月
あやふやなままで 僕は存在している
真っ白に透けて どこからが僕なのか分かりにくいけど
ほんの少しずつ 記憶は捨てていかなくちゃ
そうしないと 完全に沈んでしまうから
僕は海月 ....
オズ
悪夢で目が覚めた朝は ここが何処だか分からなくなるね
おんなじように太陽は昇って また君の場所を照らした
昨日に何かが終わって そしてまた今日に何か始まる
止まることは許されぬまんま ....
アリス
君ときたら まだ現を受け止めようとせず
妄想との狭間で 世界との距離を測っている
色とりどりの ごちゃごちゃした夢を見て
目が覚めてもまだ その続きを探してる
でも誰かが耳打 ....
ささやかな
それぞれの日常 どうか見失わないで
慌しく時間は 流れてゆくけど
擦り切れそうな願い 強く握り締めて
放り込まれる 人混みの中
声を上げる 自分はここだ
君の笑 ....
世界の果て
夜の駅を守る黒猫
通り過ぎるだけの貨物列車
人身事故のアナウンス
行き先は決まっている列車
決して銀河鉄道なんかじゃない
混雑した車内
優先座席は外人が占拠してる
見上 ....
ベテルギウス
遠く遠くある物は 遠くにあるだけに過ぎず
遠くが近く感じるのは 心が距離を飛び越えるから
長く長く旅をしてきた 随分と時間がかかって
その光は とても小さくなってしま ....
灰色の町
「じゃあ、また。」で別れた後は
いつもの現実に帰ってゆく
流れる景色に消えてしまいそう
君がいないこの町は
嘘みたいに音や色が消えて
ただ君の匂いだけが残るの
心の穴が ....
世界の果てから響く詩
もしも君が今でも
選んだ旅路を誇れるのならば
精一杯の声で
希望に満ちた歌を僕は歌うよ
もしも今の君が
選んだ旅路に後悔をしているのならば
それでも大丈夫な ....
飛べない鳥、飛びたい兎
もう何度目の空だろう 僕は急に飛べなくなって
長い間ここで空を見上げていた
もう何度目の涙だろう 空を飛ぶのが鳥ならば
今の僕はどんな名前なんだろう
....
天の川
この川は誰かの涙 止め処なく流れる悲しみ
水面に浮かぶ星屑は 叶わず散った誰かの願い
掬おうしても 手の隙間から逃げてゆくの
彼方の君の笑顔さえ 思い出せそうな綺麗な夜 ....
ありふれた雨の日
今朝は雨が降っているから 電車が遅れるかもって
傘を握って 慌てて走って道を急いだんだ
いつもの交差点は まるでたくさんの花が
水を滴らせながら 咲いているみたいに見 ....
片思い
心臓の音が やけによく聞こえる夜だ
静かな心で
君の笑顔を 描いてみようとしてるんだけど
うまくいかない
綺麗に思い浮かべようと し過ぎてるのかな
あれ程見てるのに どうし ....
空の色を忘れてた
形の無いものばっか 見えないものばっか
望んでばっかで じゃあ目の前の物はどーすんの?
少し休ませてよ 少し考えさせてよ
言っても時間は止まらないよ どーしよう ....
歯車
ゆっくり音を立てて 進んでゆく毎日の中で
ちゃんと大切な物に 誰もが出会えるのかな?
耐え切れず音を立てて 壊れていった記憶たちを
大事に胸の箱の中に 片付けてゆくのさ
....
怪物と少女
ひとりぼっちの怪物は 通りをのそのそ歩く
大きな体に黒い翼 怖がってみんな逃げ出す
友達が欲しい。 優しい瞳から大粒の涙を
いくら流しても 怪物はひとりぼっちなのでした
....
egg
あの日の夜空に 一人こっそりと
込めた願いはちゃんと 星座になったかな?
大きな海を渡る 風はちゃんと
知らない町まで たどり着いたかな?
全ての歌が 鳴り止んだ後の
舞台 ....
World Edge Rainbow
今まで溜め込んだ 数え切れない悲しみや絶望
全部集めたら たくさんの涙が流れたんだ
雨みたいに それは暗い夜に降り注いだ
朝になって 太陽が昇 ....
Nobody
ねぇ?
叫んでも歌っても 自分が自分じゃないみたいに
時々何が何だか 分かんなくなったりするよね
ねぇ?
誰の心も 深い深い海のようなもので
自分でもまだ ....
Walking Snowman
雪の降る寒い日に 僕は生まれたんだ
小さな少女の小さな手から
僕の不格好な 姿を見て無邪気に笑う
彼女の笑顔に心が温まった
短い僕の首に か ....
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