手のひらを見つめたまま
立ち尽くし
宇宙に放り出されたオリオンは
今日も蠍から逃げて
缶を蹴飛ばしたら
タバコの灰で
ズボンが濡れてしまいました

手のひらに小さな穴が開いて顕微鏡でし ....
何も抱えることのない手のひらをじっと見つめたまま
少年は立ち尽くしていました
その姿がひどく淋しそうに見えました
ただ、手のひらを見つめていました
少年は手のひらを見ていただけでした

友 ....
コンビニで漫画を買うことは
つまりは
すでに誰かに使われたコインを廻すことと同じではなく
テーブルが拭かれることの無い食堂と同じである

コンビニでバイトをしている僕と
テーブルを拭くこと ....
抽象的では、何もわからないと

君の声を、聞いたから

具体的ってなんだよ

と、僕の声を、飛ばしてみた



なべに水を入れて火にかける

なべの内側には、小さな泡がまとわり ....
双子の樹がありました
近所の通り道に。

双子の内
通りに面した弟の樹は傷が残っていました
幹から一度、切り倒されそうになって。


姉さん、どうして、ボクだけ
 切り倒されそうにな ....
捨て猫チャフカは、夜景を見ていた
チャフカは、自分を人間だと思っていた
人間達は、みんな二人組で、白い息を吐きながら
肩をよせあったり
腕を組んだり
手を繋いだり
手すりに寄りかかったりし ....
ほうきを四角い床の
ひとつひとつに這わせて
角のゴミはどーして
掃いても掃いてもでてくるんだろうと
いつまでも、掃いていたら

「よう、後輩、なにを、
 そんなに真剣にほじくりかえしてる ....
彼は、空の絵を描いていた
空気の色を、探していた
捕まえようと、筆を振り回したりしながら
まだ、筆先は、毛の色のままだった

彼は、いつまでも、空の絵を描いていた
失った恋人が、空にいると ....
ある日の朝、僕は朝を見れなかった

その日、夕日が
毒々しい赤をひらひらと空に切り貼りして
とてもイチゴジャムだった

あの晴れの青を煮詰めてできた
ブルーベリーの闇に、
 ....
それにつけても おやつは

フランシスは、口に運ぶと クルンと自分の体を抱えた



ひとりっきりの台所で
「今日も遅くなるから」のメモを見つめながら

いつも通り


 ....
さよならをトントン捨て
今日までのトランプで山のようだ
順番どおりに配っても
さよならトランプが山のようだ

幸せだったね、幸せだったね

トランプの数のさよならが
数の合わない神経衰 ....
クローバー(161)
タイトル カテゴリ Point 日付
手のひらの子(推敲後)自由詩0*04/2/4 20:56
手のひらの子。未詩・独白0*04/2/3 2:05
コンビニバイトと食堂ウエイトレス。未詩・独白3*04/2/2 22:25
水、お湯、インスタント自由詩3*04/2/2 22:10
双子の樹 。自由詩2*04/1/30 21:24
猫のチャフカ。自由詩3*04/1/30 21:23
教室掃除自由詩1*04/1/30 21:21
彼は逢えただろうか。未詩・独白4*04/1/28 20:32
ストロベリージャム自由詩2*04/1/25 2:03
カールのフランシス自由詩3*04/1/23 20:19
トランプ自由詩4*04/1/22 21:02

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