光に針をかざし
動かぬものを 動かそうとする
器に満ちた水
浪に囲まれた凪
動かそうとする


熱を感じること
熱を奪うこと
逃げ去ること
偽ること


緑の ....
瞳が何処かを巡っている
まばたきの度に新たに生まれ
暗がりに浮かぶ光の紋様
見つめては見つめては泣いている


吹雪 涙
同心円の羽の渦
ひらき ふるえ
問う

 ....
死ななくてもよかったたましいに向けて
打ち鳴らされる打ち鳴らされる鉱と金属
棄てられては増す つばさ けだもの


重なる紙のはざまの光
紙の上に浮かぶ珠
ひとつ持ち ....
夜明けに渦まく陽の前に
同じ大きさの樹が被り
風 振動 目覚めるもの
散る葉を鳥に変えてゆく


白いまわり径を
囲むみどり
水の音 鈴の音
冷たい警笛


空 ....
唾を唾で
瞳を瞳で抑えながら
においの無い人ごみは
鉄路に影を残してゆく


ひと粒の胡椒が
紙の上を転がり
拾おうとするたびに終わり
つまんでは落とし またはじまる ....
碧い羽が曇を包み
少しずつ少しずつ破れ
水の光をこぼす
光の水をこぼす



海の上の空に
海が映りゆらめく
朝はしずか
昼はしずか



とり残された場所 ....
誤って創られた神の子と
大きくなれない神の子が
壊れた音の降るさまを見ている


夜の鳥は鳴いて
曲がり角は遠い
より暗い地へ
掲げられる腕


触れる前にうたは消え ....
息に揺らぐ火のなかから
手をつなぐ手は現れて
熱から蝶を持ち上げて
小さな火傷を増してゆく


ひかり 涙 ひかり 涙
好きなものを嫌いになる
内と外 ひとりのひと ....
砂地に消え入りそうな輪が
柱の間をすぎてゆく
誰もいない中庭の風
轍の跡を消してゆく


壁にあいた
服のかたちの入口が
白い衣を手招いている
窓に映らぬ 午後の影の群れ ....
水面の夜
水底の鍵
不死と仮定の王国
窓を次々と閉める人


まっすぐな虹の撓むうた
飛沫 飛沫
消えずに重なる
水紋の火輪


羽が降り 羽が降り
雨を覆い ....
おまえではない
おまえではない
絵の具を燃やす手
土に火の絵を描きつづける手


隠れていた猫も虫も去り
原はどこまでも静かになる
鳥も鳥を話さなくなり
常緑樹のなか ....
遺跡を過ぎる径
蜘蛛の巣と青空
夜へ向かう色
霧のなかの無数の手


冷えてゆく鉄の音
水滴の音に重なり
今は居ない民族の
祭のように響いている


ルシフ ....
少しだけ人になる人
背のびをして
外を見る
雨の花がひろがっている


光は近く 遅くなり
音は速く速く伝わる
何もかもが光ではいられない
水の水の水の底まで

 ....
床の瞳
傷の瞳
階段の球
水の震え



櫛の先が
標に刺さり
白く白く
咲いてゆく



流木のはざまを流れゆく
骨の行方をひとつ知るとき
咆 ....
ひとつには多く
ふたつにはさみしい
径の亀裂に貼られた紙が
雨水に圧され 破れかけたまま
むらさきにむらさきに空を喰む













 ....
夢の切断面を
あまりじろじろ視ないことです
暗い朝を浴びすぎるのと同じように
眠れなくなりますから
半月のかたち
窓辺の幽霊
言葉を残し
燃えてゆく紙


四月の彼方
こぼれる花房
けだものは聴く
曇の終わり


わたる風
まだらに碧く
岩ひとり
神ひとり
 ....
音の無い陽だまりの
小さな影をつまむ
紙と木と水の王国
やがて火へと向かう王国


失望の羽が一枚
ふたつにちぎれ 横たわり
夢遊病者の背の月
三時三十三分の月
 ....
背を向けた時計との会話
雨のむこうの夜は赤く
音の径を
少しだけ照らす


指の鋏で
切る仕草
切りたいものを
切れない仕草


溝が 淵が
永く暗い 一本の ....
触れれば雨の刃
稲妻の涙
ところせましと息ふきかけて
影の無い真昼に指を降ろす



暖かく 冷たく
慈悲もなく 是非もない
ひとさしゆび
ひとりの入れ物


 ....
整えてはいけない
光の火があり
あらゆる場所に揺れながら
熱の無い波を寄せつづける


水のような鳥の声
鳥が去り 水が来て
鳥が居ないことに気づかずに
いつまで ....
話しかけてくるものを
拒む理由は特に無い



だが会話には風が無い
実ばかりあって花が無い
雨が空を噛みつづけ
小さな息をしつづけている
灰の線は明日まで到き
誰が引くのか 誰が繋ぐのか


避ける代償に傷を受け
午後にあいた穴からは
常に朝と夜が見えている
 ....
羽は失く角は折れ
歌は枯葉の底にあり
声は遠く 風は旋り
ちからとかたちを連れ去ってゆく



終わりは近く 忘れられ
まばゆいひとりがつづいている
息がつまるほどの ....
忘れられた日蝕の昼
川のなかにだけ映る布
川のなかだけを歩く影が
立ちどまり ふと振り返る


点いては消える午後の辺から
何かを引きずる音が降り
やさしいかたちの羽虫 ....
灰の地層
人工の骨
潰れ かがやく
玩具の群れ


波のはばたき
ひかり振る陽
来ることのない
待ち人の鼓動


動きが動きをくぐり抜け
片手は月に到いている
片足 ....
熱を嫌う午睡の肌に 
蜘蛛は幾度も近づいてゆく
夏も冬も 獲物はいない
巣だけが 巣だけが増えてゆく


時の網目に掛かる埃
壁を覆う飾りの埃
彩りの無い彩りに
霞ん ....
牢であり城である街を浪が洗い
壁から瀧があふれている
奴隷の子と皇女は手を結び
錆びた真昼の水たまりを踏む


呼吸が
忙しく他者を連れ去る
水の底の 舌のようなもの
 ....
夜は窓を踏み
窓は夜に座す
がたがたと
風のふりをする亡者


記憶は波の上に居る
はばたきとくちづけをまちがえる
羽のような蜘蛛の巣があり
風を抄い 揺れつづけ ....
風を横切り
聞こえる唄
暑くも 寒くも
ひとつの唄


やがて雨になる眠り
薄く重く揺れる原
灯る花は揺れることなく
ただ上方を照らしている


空の力や理が
 ....
木立 悟(2329)
タイトル カテゴリ Point 日付
ひとつ 指して自由詩718/1/28 19:50
ひとつ 痛み自由詩718/1/22 9:02
ひとつ みちびき自由詩718/1/17 9:10
うたげ かんむり自由詩318/1/12 20:15
筆と響き Ⅱ自由詩718/1/3 13:36
終わり ひとり Ⅱ自由詩117/12/30 19:58
終わり ひとり自由詩217/12/24 20:19
宙とひとり Ⅱ自由詩517/12/18 23:56
ひとつ 聞こえ自由詩217/12/8 9:00
宙とひとり自由詩117/11/28 17:12
筆と響き自由詩617/11/23 18:52
かけら 冷たく自由詩217/11/18 19:10
ひとつ ひとり自由詩217/11/11 8:15
かたち くぼみ自由詩417/11/5 20:42
ノート(54Y.11・5)[group]自由詩317/11/5 20:41
ノート(54Y.10・27)[group]自由詩317/11/5 20:40
ひかり ひとり自由詩217/10/27 9:23
夜と爪自由詩317/10/21 8:31
ふたつ 離れて自由詩317/10/13 10:09
ひとつ のばす自由詩317/10/9 8:35
さら さ らさ自由詩417/10/4 19:45
ノート(54Y.9・29)[group]自由詩217/10/4 19:44
そそぐ しずか自由詩217/9/25 17:58
水と虹自由詩517/9/18 17:38
ゆくえ たなびき自由詩017/9/14 7:25
ゆくえ ざわめき自由詩217/9/7 8:35
ゆくえ 焼砂自由詩417/9/1 17:17
しずく はじまり自由詩317/8/28 8:21
しずく ふるえ自由詩617/8/25 8:35
夜と傷自由詩317/8/19 7:47

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 
0.08sec.