ここはひそやかな放課後が続く学校の廊下だけが永遠につらなってできている。壊れて積み重ねられた机と椅子が、防音ガラスの窓から差し込んでくる青みをおびたピンクの夕日に、金色の埃を浮きたたせ、影を濃くして ....                    
刃を突き刺した手のひらから風が生まれていく
生まれたての風はまだ向かうべき場所を持たな
い風を生み落とした私の指先さえもすり抜けて
風たちは蒲公英の綿毛 ....
――どうしてこんなことになっているんだろう。

さっきまで駅近のデパートに居てエレベーターを降りたばかり。
待ち合わせ場所で一人待ちぼうけているのも厭でエレベーターに乗ったばかり。
いつも ....
 若さは一つの美徳である。これに対して疑義を挟む人は少ないだろう。人は若いからこそ美しく活気にあふれ、情熱にかられ、理想を追い求め、甘い苦悩に囚われる。そして、若いころにしか書けない詩作品とい ....  嫁がデトロイト・メタル・シティをまた見返している。相当気に入っているようで、暇があれば見ている。
「貴様の罪はー、俺が罰するー」
 嫁が主人公のデスボイスを真似て口ずさみながら見ている。すっ ....
あんまり赤い傷あとと、白いような傷あとがだらだら残る、道はいやな雨のあとみたいに湿ってて嫌い。って少し思ってた。少し好きで、あとの多くはよくわからなかった。
何度か裏返った世界と流れの変わる川、 ....
あなたは目が見えないのね
と誰かが言う
私の目は見えているのに
意味がわからない
本当に大切なことは
見えないものを感じる心の目を
持つことだとあなたは言う
日に日に年老いて
目に ....
一枚のを、まん中からわけたら、裏と表のなかにもうひとつ裏と表ができますよね。っていうのを繰り返して、とうとうわけられなくなった薄っぺらの一枚はきっと透けてて向こう側がみえる。おもてとうらが、ぶつか .... 松任谷由実さんの作詞で、(海を見ていた午後)のなかに

(ソーダ水のなかを 貨物船が通る)

という詩の表現より奇なものがあって、
最初は理解できなかった。

しかしあまりにおかしいので ....
 あのひとは損な人だった。

 15歳くらいまでにやられたこと言われたことがえげつなすぎて、本当にいい思い出がない。やはり亡くなってスッキリした、と思うたびに、風穴が空いている自分を知る。

 ....
 私は1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の犯人、酒鬼薔薇聖斗こと少年Aが好きだった。少年Aは当時14才で中学生という報道で、私は当時12才で小学6年生か中学1年生だった。彼も私も、とびきりの条件付 ....  おととい、あるいてほどなくある実家の父に「婚姻届けのサインをもらいにいっていい?」と電話をした。「いま、選挙期間中だから忙しい」私は黙った。それで、父は慌てて「時間がある今日中にサインしにゆく」「あ .... ビー玉とは不思議なものである。人工的なもののはずなのに、オーロラのような、雪のような、星のような、魂のような、そんな雰囲気を漂わせている。
ビー玉は、ロマンチックで、霊的で、生きていくうえで ....
僕はまだ未成年だっただろうか。
いや、そんな”未”とか“既”とかではなかったから
僕はその時もう今の僕とかわりなかったろう。
友人にさそわれてライブに行った。
メインはかっこいい顔をしたかっこ ....
花弁舞い散り揺れた

咲いたは時の夢

手招く陽気な夜の蜜

桜美しく酒に浮かべては

あの世にみた極楽浄土

鳥よ飛べ永遠に

さぁ最後を離せる

毒を飲んだのは誰?
 自分の親を(去っていった父親も含む)見ていて思う。あの人たちは、職業で、普通のサラリーマン、OL以外の職、例えば医者や、技術屋や、パイロットや、タクシードライバーや、介護職の方々や、そういう人たちを .... サンゴ礁の海も、青い空も、ここにはない。
しかし、ここはグアムである。
私は、この地に数日間滞在し、明日、日本へ帰ることになっている。
土産物を買うために、私は舗装されていない細い道を歩く。
 ....
 夕暮れ時に、私は、その駅に降り立った。
 海に近いらしく、磯のにおいがする。駅前の目抜き通りは、さびれていて、シャッター商店街とはこのことか、と思う。閉まったシャッターには、落書きが目立つ。それで ....
二十年前は1997年だ

まだ、うまれていない子もいるかもしれない
そうかんがえると、まだ、うまれていない子がいま17歳くらいだとして
世代差を17年とると、さらに1980年となり
またさか ....
後悔先にたたず。
二十年も前のこと、そのときはなんでもできる気がした。
ビールも20杯はひとりでのめるきがしたし
本だって週に十冊は借りて読めると思っていた。
詩と散文の違いについてわかるよう ....
誰かの声が聴こえた気がして私は耳を澄ます
部屋のなかにも外にも誰もいない。けれど私
は誰かの気配を感じる。鏡に映る私が私では
ないように感じる。そっと手を伸ばせば届く
ような感覚に支配されて私 ....
出産する間ぎわから出産後の二年くらいはなんか、ずーっとつきまとってた生きるとは?とか意味?とか死へ向かうのこととかがどうでもよくなって、幸福な疲労感がばあばあ出てて、それでそのあとまただんだん目が .... 「私は幸福である」と人は如何なる場合でも感じる事は可能だろうか?
以前、テレビで寝たきりの老人が「生かされているだけで幸せです」とおっしゃったのを見た。そういった心理は多幸感と言うそうだ。
私は驚 ....
 庭に植えたパッションフルーツの実が殆ど終わったので、夏の間に繁りに繁った葉や蔦を、かなりばっさり切り落としている。なにせ、玄関を開けると、蔦が邪魔して玄関が閉められない状態だった。(まるで秘密の花園 .... 魂の遍歴の旅。

 草原に立っている。いったい、どこから歩いてきたんだろう。はるか遠くの地平線のむこうへ、小さな夕日が沈んでいこうとしている。その輝きの美しさに思わず見入ってしまう。
 小さな村 ....
夏休み明けの初日、登校すると椎名の背中から虹が生えていた。
「天使かな?」
「たっくんいきなり何!照れるじゃんー」
「いや、可愛いということの比喩的表現じゃなくて、超常的な存在かな、の天使かな、 ....
         
人というのは、生まれながらにして孤独を背負う生き物なのだと確信した時から人生が始まったような気がする。私がこの事実を教えてもらったのが、27歳ぐらいのときで、けれど、27歳になっ ....
父は、事業が行き詰まり大阪へ単身赴任を余儀なくされた。平成九年深夜、胸に激痛を感じた父は、携帯から救急車を呼び診断の結果、胆石の手術のため済生会病院に入院。しかし、短時間で終わるはずの手術が長時間に .... 秒針が耳の背中にこびりついてはなれない。
私は朝を生きながら夜を数え続けている。浮
かんでは消えていったいくつもの海月たちは
無言の会話を繰り返して味のない笑い声を立
てる。見えない海が目を覚 ....
書きたいときに、いつでも気軽に手軽に詩やエッセイや書評、短編小説などが書けてしまうのが、このスマートフォンないしアイホンだろう。私も仕事のかたわら、ほんの少しでも(ほとんど昼間だが)時間を見つ ....
散文(批評随筆小説等)
タイトル 投稿者 Point 日付
夢夜、四 獣の影と永遠の放課後の廊下 田中修子2*17/11/21 20:47
心の天涯孤独あおい満月217/11/8 3:46
悲しみジョニー(詞:UA)を全年齢向けに解釈しようと足掻いて ...(1+1)/...0*17/11/6 4:21
若さという幻影葉leaf017/11/3 4:39
上京乗り鉄記日雇いくん◆...017/11/2 18:35
ニジのこと[group]はるな117/11/1 2:47
「愛のある人生」についてあおい満月117/10/30 2:24
0、ゆりかごとレース、踊り子の傘のことなど[group]はるな617/10/28 8:15
事実は詩の表現より奇なりst217/10/24 11:44
ジャンヌ、雪の病室田中修子4*17/10/22 1:38
ジャンヌ・ダルクの築いたお城 少女Aとテントウムシ6*17/10/14 2:16
ジャンヌ・ダルクの築いたお城 蛸2*17/10/12 8:03
ビー玉水宮うみ6*17/10/11 12:32
わるそうぱくと竜門勇気017/10/9 2:24
浮き世花姫017/10/8 6:55
世界に貢献するためにはあおい満月117/9/29 2:43
グアム島MOJO0+*17/9/25 15:43
夢描写、三度目1*17/9/24 15:42
二十年前は1997年だ:-)117/9/16 19:40
気づいたら20年経ってしまった117/9/16 19:34
「独り」という概念あおい満月117/9/16 5:10
着地のこと[group]はるな217/9/13 17:43
『今宵の開花』出版にあたって。小川麻由美1*17/9/12 21:17
夏の終わりにー小さな庭の物語­­忍野水香017/9/10 15:48
魂の遍歴の旅うあすっしー117/8/27 0:10
天使かな?水宮うみ1*17/8/24 19:28
真の「弧独心」の大切さについてあおい満月017/8/17 15:26
父のことなど為平 澪4*17/8/13 22:12
「才能」は時に「凶器」になることについてあおい満月017/8/12 4:48
ものを「紙」に書くという大切さ217/8/12 2:28

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