ぬかるみにまどろんだ
つきのはなしをしっているだろうか
雪はふりつづけ
ものがたりをせがんだこどもたちは
まだねむれずにいるというのに


わたしたちの王国のはなし
夜空をのみこん ....
ただその時が過ぎていくのを待っていた、嵐のような夜の、焦りに似た感情はひたいに汗を記述し、確かな、また不穏な外気はそれを凍らせる、服の中にこもる粘着く湿度の中で何度も何度も描写は続く。水音一つ .... 橋の上をゆく歩幅が
すこしずつずれていく きっと
地軸の歪みが 音符をともなって
溢れだす 太陽の果汁


つるんとした前歯に
舌をふれさせて
たどたどしく呼んだ名と
たゆたいながれ ....
丘の上には公園があり
たくさんの日曜日が植わっている
真っ白な小さな手が花のように開き
その上に我が物顔で日曜日が
乗っている
自転車を押して登らなければいけない
花梨がまだ実を手 ....
いつか
光さすみずそこへ
おち


かがみ
結わえた髪を
ほどく月 (とおく


斜線に
紛れた趾へと
手をひかれて


風はしる
 (ひとすじの雪をのこして

 ....
頸を傾げ
游ぐ白鳥の
鉤括弧を孵化させる


言葉を寄せれば頬が温もる。そうしていくつもの冬を乗り越えてきた。
正義と正義と欲はきっと同じ意味であり、他人のものであるとは到底言い難い。しか ....
    

    母




触れることが
ないのであれば
なくことはなかった


どんなに言葉を尽くしても
そこには夜があるばかりで
ひろわれるもの、ひろうもの
いず ....
       手紙




こすりあわせれば
音がなる
はじめて知った
秋に


ようやく朽ちた舟を漕ぎだす
枯葉で満ちた池に
かつて足指を浸すことはなかった
もしも傘があ ....
登攀する指たちの鮮やかに泳ぐ風景を目の当たりにしては、花を捥ぐ
稲光として照らされるまなざしは避けがたいせせらぎを背なに負うのだ
その熱を委ね夜へと色をうしなっていく様々な病たちがしなだれて
耳 ....
いっせいに死んでいく
わたしたちのかけらというかけらが
ただひとつの空という造語をめざして
ふりつもっていく


こんなにも無関心な
あなたたちの静脈が
すずしげな顔でわらべうたを ....
狂い咲く雨は箱庭を濡らし沈める
くちづけの後の小さな虹が
知らない町を燻らせて
しらずに踏み潰した蟻が
わずかに軋んでいる
体温でむすんだ小さな手が
知らない誰かと角を曲がる
箱庭をおろ ....
さいごの蜻蛉がいきをひきとった
かえりはくらい溜息で
宙返りする雲がふくらんで
そしておんなになったと囃したてる


くちびるはたくさんの蔦がからまるから
目のむきだけでゆくさきを伝 ....
みず、のねが
ひかりと ともにはじける
それを きいている
おさないころの おもいで


あめがてんてんと
じめんにえがいた
わたしはそれを かきうつす
ことばには ....
金木犀のかおりがゆっくりと剃刀をすべる
あらゆるもの
そう、あらゆるものを新しくするために
血液とは違う方法を
僕らは読み込まなければならなかった
チラシの裏側に蠕く蛞蝓
コンセントの穴か ....
同じ方向をみている
静止したまま
なにも言わずなにも吐かず
同じ方向をみている
そのまま時が止まっても
ゆきがふりつもっても
気づかないだろう静謐さで
みている
動かず
生きてい ....
こぎだしたときから
むこう
あさの おとだけしかしない
ひかりは とどまっているのに


ゆうぐれ
ごすい
したたりおちる
みずの、おと
なくしたものは みな
いとお ....
剥がされたとしつきが 白鳥の羽のしたに風をよんだ
はらはらと ふり 白く つもる
昏い 目の中のひかり と よぎるスカートの白が
したたるほどの夜明けを ゆっくりと通過していく

 ....
さやかに聞いた
竹の花が咲くゆめを
みどりと土の色の混じる
薄暗いさなか
ちいさなとかげが
わたしのひふを すべる


魂が
つまっていたという
どうして うえつけ ....
いしを抱いて夜を
ひたす 
そして そめられていく
呼吸を ほのかに名付けて
あなたはうまれたのでした
ちぎれるように 風をおこして


春だとか夏だとか
うんざりするような ....
ゆがんでいるか
踏破する指先の旅人
しろくなめらかであり
その頬に吹風は
行方をはばむことはない
いくとせの
起伏を顎に記述させ
あ、という声すら
ひそめて
 

夕ひは ....
ひとしずくの
音が染み込む
わたしの一番薄いところ
宴よりも華やかに
纏う羽衣のかおり


たとえば
堕ちていく人工衛星の軽さ
軋み
燃え尽きる
事が季節へのたむけと
そうわら ....
すいせい(21)
タイトル カテゴリ Point 日付
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点火自由詩121/2/22 12:32
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鈴虫によせて その1自由詩020/9/24 2:48
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火照り自由詩319/10/11 16:20
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