柔らかく温かい蕾の中で微睡む
光が 磨りガラスのような{ルビ花弁=はなびら}をすり抜け
優しく降り注ぐ午後
そろそろお茶の時間 アフタヌーンティーを気取って
薔薇の庭園で繰り返される儀式
意 ....
電気椅子の側に 天使が立っている
死刑囚の魂を 導いていくため
死の天使サマエル
毒の天使サマエル

サマエルは語る
電気椅子に座っても、救われる魂と
冤罪でも 地獄に送る魂がある
神 ....
機嫌が悪いのは 昨夜の夢のせい
心の傷を抉り出しては曝け出す
夢の中の若い私に 昔の上司が声をかける

恋人とは上手くやってる?
男はタブーを口にする

長い耳の彼氏と暮らしていますよ
 ....
私は

白檀であり
伽羅であり
石榴姫であり
デザードローズであり
富倉 咲夜であり
無花果のジャムであり
無限上昇のカノンでもある

真実の私はここにはいないし
そもそも 私に ....
懺悔の祈りを捧げると 天使たちが騒ぎ出す


謝罪するな
俺たちの過去を否定するな
過去を見ても過去は変えられない
生きてきた意味を否定するな と 天使たちがわめく

悔い改めを真っ向 ....
彼女は憎しみでできている
彼女は恨みで構成され 夢見るのは血まみれの復讐
声は甘美な果実のよう
触れれば毒に蝕まれ 魂を腐敗させる

まるで天使のふりをした悪魔のように
慈愛に満ちた微笑み ....
深い海の底 暗い洞窟の中
スポットライトのように
光が差し込む ブルーホール
暗闇の中のただ一つの希望
暗闇の中でただ一つの希望

ホールから差し出される手をひたすら待ち続けて 
暗闇か ....
ママ あたしはアンタが大嫌い
ママ アンタはあたしを殴って出て行った
あたしを捨てて出て行った

ママ アンタを殺したい
ママ あたしは絶望してるんだ
アンタをなぶり殺しにしたい

憎 ....
こんなに長く生きるつもりはなかった
こんなに長く荒廃した街を彷徨うつもりはなかった
ただ、高みに登りたくて
{ルビ宙=そら}への階段を探していただけ
時間は無慈悲に流れ
すっかり年老いてしま ....
家族が寝静まった夜には
そっと家を抜け出し
生と死の狭間で
命についての哲学的思想を弄んでみる

死にたい私と
生きていたい誰かが
相容れない思考の中で
哀しい悲鳴をあげている
世の ....
あなたと私は全くの別人
思考も言語も感性も違う
それだけの理由で排除するわけじゃないのよ

感性が違うの
価値観が違うの
ごめんね、私はテレパスじゃない
欠点だらけの女なの

あなた ....
満開の桜並木は異空間の美しさ
何故、永遠にこの時が続かないのだろう

散るから美しい
誰もが言う言葉
この桜色の空間の中では
無意味に聞こえる


墓参りをする人の横では
花見を楽 ....
言葉の羅列

ふざけた言い回し
そんなもので誤魔化していい気になってる

そいつの名前は思い上がり


私の心に巣食って
私の心を食い尽くす


いつか、お前を越えていく
そ ....
別れに昇華する恋心
懐かしい香りへと変わる
細胞に息づき、女は別の女に変わる



すべてが憎しみで覆われている大地
荒廃した風景に立ち止まる旅人


突如現れるオアシス
女たち ....
男を見る目がないね、と、天使たちが囁く

本当にね、と、私が笑う


季節外れの風花
切り取ったような空は白く濁って
青い空を覆い隠す


天使たちがざわめく
嘲笑の中に温もりを ....
天使は残酷に微笑むの

翼で体を隠して、不敵に微笑むの


うふふ・・・

うふふ・・・

天使を怒らせたから、悪魔に引き渡されるの

うふふ・・・うふふ・・・


あなた ....
無限上昇のカノン(166)
タイトル カテゴリ Point 日付
蕾という空間自由詩312/5/31 18:28
電気椅子の友達自由詩212/5/28 22:07
雨音に沈む自由詩312/5/25 11:06
自己紹介自由詩312/5/23 21:10
優しい怒り自由詩212/5/22 8:55
復讐に溺れる自由詩312/5/20 19:07
ブルーホール自由詩812/5/17 23:32
Thanks Mothers Day自由詩412/5/12 21:14
蒼穹自由詩712/5/5 16:41
自己満足自由詩512/4/30 18:27
異質自由詩112/4/29 22:57
自由詩912/4/10 22:27
思い上がり自由詩312/4/7 21:22
恋心自由詩012/4/6 21:23
クリスタルにて自由詩612/4/5 20:48
うふふ自由詩212/4/2 20:35

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