柿ピを
手のひらにザーッとあけて
口の中に流し込む
人のいろんなものの結晶
一つもこぼれないように
指先をすぼめて

柿の種もピーナツも
ひとつづつままない
そんな余裕はない
後悔 ....
昨日も仕事
今日も仕事
明日も仕事
宝くじ当たって
億万長者になったなら
あんな
世間のごみ溜めみたいな会社
さらっと辞めて
好きなことだけやって暮らす
毎日夢見てる
仙人みたいな ....
アスファルトが
冷たくて
誰にも会いたくなくて
でも
人の気配がほしくて

笑えよ
ゆるんでよ
そんな
尖った顔して
背中丸めていないで
だいじょうぶ
大丈夫だよ
鳥が飛んで ....
白い犬は死んでしまった

白い家の二階の窓から
猫が外を見ている
家からは出たことがなく
毎日
工事現場の音や
散歩する人や犬や
通りすぎる車や
ときどき来る鳥の影に
なんとなく
 ....
わたしなら
死ぬかもしれないような
夏の昼間の部屋においてきた猫に
早く会いたくて
終わらない仕事を
泣きながらやる

あくびではないよ
眠くて倒れそうだけど
心臓が停止しそうになり ....
しあわせな夏の夜は
しあわせな夏の早朝へとつながっているけど
夏の昼間は焼け死んでしまう絶望さえ
わたしは家事をしなくてはと
ごまかして
人生を片付けていく

彼はまだ
今ごろ総武線に ....
月があかるい夜だけでいい
時間よとまれ

猫になって屋根から屋根へ

帰って来た半端もんは
泣きたくても泣けない
苦しい洗濯機のぐるぐる

あと
どれくらいお前といられるだろう
 ....
サボテン が 言えなくて

ほうれん草 が 頭の中でまわってた

あのほうれん草 どうなった

ほうれん草 まだ生きてるか

ああ サボテンだよ

サボテン

が ほうれん草っ ....
田舎育ちのせいです

おとといの夜
雨の降る匂いがした

田舎も
もう変わり果ててしまったけれど
春の来る
土の肥える匂いは今も変わらず
わたしの脳に刻まれていて
枯れ草の下の土の ....
準備もないのに
褒め殺された
挙げ句
罰ゲームなような仕事を選ばされた
さては
喫煙所に仕掛けられた盗聴機
陰謀は千里を走る
もはや
夢で魘された私は
辱しめられ灰だらけ
いつ ....
銀行にて
大学の検定料を払い
領収印を確認しおえたら
秋の空は金木犀も終わっていた

私はまた
ひとつ 歳をとり
大切を手放すための作業を
たんたんとする

誰かの
口をかりない ....
台風がいった空は
洗濯したての青空が
それだけで
私は幸福なのに

昨日の夜は
生き物の声のしない
しん とした夜で

それさえ気づかない
あなたは
男という生き物で


 ....
ぬいぐるみとさよならができないので
ぼろぼろで汚れた身体を
アクロンで洗って
柔軟剤に浸して
天日で干して乾かして
猫に喰いちぎられた足や頭からビーズが
ポロポロ落ちるのを拾って中に押し込 ....
畑のまん中に
猫が座っていた
「おまえなにやってんだ」と
声をかけたら
聞こえないふりをした

じっと見ていたら
しっぽがピンとなって
顔がまじめだった
「おまえなにやってんだ」と
 ....
自分のことで
人の手を煩わすことは
恥ずかしいことだと思いなさい
それに気づかないことは
恐ろしいことだと思いなさい
いつか
それに気づいたならば
感謝しなさい

はじまりのすべては ....
あと何年したら自由になれるだろう
この部屋の三角の天井に
ひらかない天窓
こんなはずじゃなかった
あたしが欲しかったのは
青い天にとどく窓

猫の息子が鳴くから
もうすぐ部屋に行 ....
畳の上
四角い日時計うごいてる今は朱色の長四角

藺草くさい
桃とぶどうと線香とまわり灯篭お盆の浴衣

渦巻の
蚊取り線香の灰落ちて焦げ付いた跡ほじくって

8畳の
カーペッ ....
もう一度
障子戸にぼた雪のあたるカサカサという音聞いて寝たい

楽器はね
唄うように奏でるんだよ高校二年のヒゲのはえた青年

あのひとの
帰ってきた車の音聞いただけで胸が詰まる愛情の ....
なんでかな

ソンナニ嫌われる理由

親になったら

忘れちまったよ




東京に

人の意のままなる似せ

緑を造って

生きるってなに



マネキンが ....
暑い日には
「アイス」ではないかと思い
なるべく皆がたくさん食べられる
しかも
私の好みの
バニラにチョコクランチのを
買って帰ると
「おやつはなにか?」と
ドタバタと二階から降りてく ....
ある
大きな湖で
夏の夜
泳げたらいいなと
思っているんだけれど

いろいろ
いろいろ
その水につかって
溶け出さないかなって

海じゃ
だめなんだ
あの湖じゃなくちゃ
あ ....
ちゃん付けで呼んだのに
んー?と不機嫌な返事をした
おまえ
あたしの半分しか生きてないのに
生意気な奴だ
「オ マ エ ナ ン カ キ ラ イ ダ」と
心でつぶやく
そうか
おまえも ....
去年のいまごろ
子供が拾ってきて
ミルクを与え
病気だった目に
抗菌の人間の目薬を差してやって
鼻水拭いてやって
お尻拭いてやって
おトイレおしえて
ゲロも掃除して
一緒の部屋に寝て ....
人の善し悪しってのは
すぐに「キライ」って言う
そんな単純なことじゃ
わかんないんだよ
自分に都合のいい人が
いい人じゃないんだよ
親や友達じゃないから
そんな無責任なこと
平気で言え ....
俺様やろうに
また「てめぇ」て言われた

何様じゃ
お前は

大奥様に向かって
何たる侮辱

きさまは 
お子ちゃまのクセに


『ひとこと言ったその日から恋の花散ることもあ ....
立ち入り禁止の
義母の部屋に入り込んで
おしっこをしたり
供えたお菓子を引っぱり出して
食べ散らかしたり
犬が悪さをするようになった

酒飲みで我が強い
とてもこども染みた人だった
 ....
わたしが寝床で猫と眠っているころ
キミは夜光虫で
山在り海在り仕事をして
朝になるころ
街灯も消えて
携帯の点滅も消えて
わたしが現れるのを
帰りの車の中で待っている
キミとわたし ....
猫がなくので
すぐ愛子にいくと
インターネットをやる気にもなれず
寝ころんで
磨いたサッシ戸から月を見て
浮世の面倒から逃避するのです
布団は薄い夏布団二枚と
毛布しかないので
電気毛 ....
乱視の月を
綺麗に見てみたいから
眼鏡をかけて
見上げた蒼い夜空
望遠鏡でさらに探る
月って
こういうものなんだ
なんだか
そこまでしてはいけない気がして
いつも乱視のままでいいやっ ....
そう
ぜんぶ自分が悪かったんだと
見止めてしまった方が
楽なんだ

戦いを挑む気力もない

お風呂を洗い忘れたのもわたし
水道代がかかるのもわたし
シャツの襟汚れが落ちないものも
 ....
蒼木りん(846)
タイトル カテゴリ Point 日付
柿ピ自由詩113/7/9 10:32
小鳥は何年生きるのか 12×5自由詩213/1/11 11:15
生きてろよ自由詩212/12/1 23:48
答えがない自由詩312/10/20 0:18
りゆう自由詩112/8/26 23:36
ゆいごん自由詩312/8/17 22:31
風鈴自由詩112/8/2 0:51
毎日おもしろい自由詩012/2/18 14:27
かんむりょう自由詩412/2/7 11:03
新しい仕事自由詩011/10/19 23:38
本日自由詩111/10/14 14:06
ハネの折れた扇風機が雨にぬれいた自由詩311/5/31 11:08
ぬいぐるみ自由詩310/11/15 22:49
風景自由詩210/11/5 12:00
恥じらいと恐れ自由詩210/10/1 19:51
コスモス堤防自由詩310/8/27 11:38
畳の上短歌210/7/29 23:55
愛情の量り短歌210/7/27 22:54
独立願望短歌110/7/23 22:19
ただいま 自由詩110/7/19 23:46
—水面— むかしを思い出してるようじゃ、だめなんだなぁ自由詩010/7/17 11:26
夏みかんサボテン女自由詩110/7/9 23:48
また捨て猫がいるんじゃないかと外を見る自由詩4+10/7/6 10:50
そんなことばっかり自由詩3+10/7/2 23:20
ざまみろ自由詩210/6/24 22:57
頬骨自由詩410/6/22 10:08
寝床自由詩010/5/30 21:33
猫がなくので自由詩2+10/1/9 23:11
らんし自由詩509/11/27 22:36
せい自由詩009/11/26 13:13

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