バスタブに沈むさみしさはやはりぼくの唇のふるえと共鳴する





今日も暗色に温もりのかたちを教えてもらいながら眠ることになるだろう
この手で歌うことに慣れたぼくは
いつもそれを不協 ....
産声が「こわしてください」だったら救われただろうかとか考える若い午後
台所で僕はカフェオレを飲んでいる、また何か考えている、言葉が疲弊していくのもしかたない、今までもだいぶ酷使してきた、リビングにあ ....
きみの寂しさを測定するのは机の上に置いてある二つの珈琲の表面のかすかなふるえだけで
あとは不可視のくうきになって異国の都市や砂漠や海や月の下や色んなところを回って結局は劣化なしできみに染みる、乾く、 ....
爪で引っかかれたときの痛みは沸き上がってくるかなしみの熱に似ている
金切り声をあげて泣きじゃくる君の手から生まれたそれは、人類が証明できなかった平行線を僕の頬に刻んだ
君は言葉を暴力的に僕に投げ付 ....
蒼く、深く透き通った君の瞳の奥に焼き付いたある少年の笑顔
忘れえないあの日々の思い出





(たしかにあなたの名前を呼んだ)





僕たちは変わってしまったんだ、と聞 ....
鹿威しいっぱいの
クリアなサウンド
その響きは加速を感じさせながら一定のリズムを刻む端正なロックみたい
わたしは音が弾けた方向を見定めて手を伸ばし感情を掴もうとするけど予定調和みたいにそれは消え ....
少女は雨に打たれている
なので傘を持っていってやると
少女は怒って私の脛を蹴った
私は色々と堪えながら
「どうしてそんなに怒るんだ?」
と少女に尋ねると
「音をさがしてたの」と答えた

 ....
(ねえ、誰かが誰かを愛するように、僕は僕を殺したくなるんだ)





春を見つけた君は
春を想うことをやめる
もう君の頭の中には
夏の雨さえ過ぎていっただろう





 ....
歩く





未来を消費して今になる
という表現が気付けば過去に変わっていく
思い付いた何もかもが遅い
電光石火のタイムラグ





歩く





可能 ....
(私は生きていた、と)





吐き出され流れ流れ
私はあなたの血の中で凝固する
単純な複雑さが私の頬を捉え輪郭を描く
だから私の線は、紅い
瞳は染まる前に沈ませた
今の無機質 ....
時刻はAM02:00丁度
今日の証をなにか残せないかと
疲弊した言葉を拾い集める
瞬きの加速度を感じながら
死んだ後も生きようとしているみたいに





  僕にはその眼前には
 ....
小さい頃は手の届かないところに欲しいものがあった
お菓子、ジュース、マンガ、写真、お金、ファイル、金魚、双眼鏡、音楽、パソコン、ナイフ、万年筆、電車、雲、夕焼け、日めくりカレンダー、木にひっかかって ....
不定期なアクセス
密接なブラウザ
過去へ埋もれゆくチャット
愛してるって言ってダーリン





シグナルとしての更新
メタファーとしての内蔵時計
ソフィスティケートされた画面
 ....
海の匂いがする
そしてあなたの匂いがする
海はさざ波一つなく
空から降り注ぐ
まばゆい光を乱反射して
ところどころに見えない部分ができている
あなたは微笑む
僕は海に手を入れるけど
何 ....
随分と昔から庭にある木から
一つの果実が


ぽとり、


と落ちた
花開く予感だけを残して















動かない現実と
絶え間無 ....
ある日僕は夢の中で
人間のように踊る僕を見た
なんだか悲しくなるな
僕じゃない僕を見るのは



と考える僕じゃない僕を
僕は見ていた
けど僕は僕を見ることはできない
よって僕は僕 ....
彼女がいろんな物事についてあれこれと意見を述べている間
僕は視界の隅にある一輪の花について考えていた
もちろん話が聞こえる程度に
ごく控えめに





君がもう話すのは7回目の長編 ....
二人並んで座る防波堤
絶え間無く続く刹那を
思いつきのお話に変えて
僕達は時を過ごした





実は君とは氷の大地で出会って
僕は凍えそうだったんだけど
君が笑った
その時を ....
最近、いつもの散歩道の途中で通る公園のベンチの裏に
沈黙を喰らう獣をよく見かけます
誰も座るところを見たことのない朽ちかけたベンチの陰にその獣は
物音一つたてずに
じっと座っているのです
体 ....
夜空にはごく控えめに顔を覗かせる月が控えめに輝き
この橋の下ではいつものように川がせせらぎを纏い流れている
この橋の上を行き交う人々はみんな無言で(もちろん僕もその中に含まれる一人だ)
ただ時間 ....
鏡に映った僕が手を差し延べたから
僕も鏡に向かって手を差し出した
鏡に映った僕が泣いていたから
僕も同じ様に泣いた
鏡に僕が映っていなかったから
僕は鏡に映らないようにした
鏡に映った僕が ....
闇のなかに消えた淡いブルーを思い出しながら家路につく
時計の針が最後に触れた数字を覚えてはいない
もちろんぼくが最後に触れた数字も覚えてなんかいない
川をまたぐ橋(バカみたいな表現だ)を渡るとき ....
僕の訳の分からないミニの中で
君が洗いざらい気持ちを吐露した
その夜も半ドアだった
君がドアを閉めると
いつもかっちりとはまっていない
走行中にトラブルはなかったけど
結構危なかったんだな ....
平穏な昼下がり
闘争を負えたテーブル
負債ばかりの椅子
そこでたくさんの言葉を殺しながら
僕は君と話をしている
少なからず感じる違和感は
きっとそれらが重さを持って死んでいくから
どう転 ....
ある日の僕は庭の手入れをしていない芝生の中に夢を隠した
いつか芝生を刈ったときにもう一度その夢を見ることが出来るからだ
だけどそれは叶わない
ある日の僕は見知らぬ人の部屋で目覚めるから


 ....
15フィールズ(25)
タイトル カテゴリ Point 日付
あなたの声、ぼくの音自由詩210/5/22 0:37
さよならリバース、またこんど自由詩110/5/13 2:13
喫茶店で日が暮れる自由詩110/5/11 11:05
平行線自由詩010/4/30 1:28
桜色の空の下で僕は凍りつく自由詩110/4/10 16:17
傾き自由詩010/3/28 17:37
人、 人自由詩1*10/3/20 15:23
光速自由詩1*10/3/18 13:38
残像レトルトパウチ自由詩2*10/3/15 16:19
あいむえいじ自由詩010/3/11 2:30
1の中にある1の位置自由詩0*10/2/28 2:50
指先のお話自由詩1*10/2/27 2:40
PC自由詩010/2/26 16:12
平面海溝自由詩2*10/2/25 3:09
木から自由詩010/2/24 1:57
メイキング自由詩2*10/2/23 0:33
出迎え自由詩5*10/2/22 3:08
それは昔に自由詩1*10/2/21 0:54
沈黙を喰らう獣自由詩010/2/20 2:31
自由詩2*10/2/19 19:58
自由詩0*10/2/19 1:30
いついつの日自由詩2*10/2/18 1:23
半ドア自由詩010/2/17 0:59
ジェノサイド自由詩1*10/2/16 0:37
病み上がりの空自由詩2*10/2/14 22:26

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