野良猫が歩いていました。
な〜んて言っても
それが本当に野良猫かどうかは
知りません、雰囲気です。
つまり、小汚い猫でした。
後ろ足を引きずっていました。
痛々しくはありましたが
怪我を ....
読みかけの本の
開いたページのすぐ横に
わたしを置き忘れてしまった
駅に着く頃
あ、しまったと気付くが
頭はどうしてもあの電車に乗りたがる

今日は座れた
昨日は座れなかったからね
 ....
あなたは  わたしを  たべます
わたしは  あなたに  たべられます

みりみりとにくが  ほねからはがれるおとがします
しゅくふくのかねの ....
こっそりと私を
押入れに隠しました
母さんに見つからないよう
襖の裏にしゃがんでます

真っ暗い中
怖くはないけど
心臓がドキドキして
飛び出す機会をうかがって

期待をこめてそれ ....
振り向けば銀鼠
雨の格子に閉じ込められた独りよがり
メリーゴーランドから逃げ出した木馬の
回転しか知らない走り
雨の日のベランダで
列になって群れないパレード

眠らせてハモンドオルガン ....
お前にかける言葉を私は忘れた
その肩の向こうに続く飛行機雲を見た時に
こんなに高い空の下では
自分が何か過ちを犯している気がしてならない
だから今日は嘘を話そう
明日の天気みたいに嘘の話を
 ....
この橋の下 工事中
柳の根もと 猫の死体
あなたの足に釘を打つ
銀鼠の雨 おちょこ傘

真っ暗がりが落ちてくる
重機の沈黙 橋の下
ねんねこねんね 濡れ鼠
たんたとたんた 雨の音

 ....
燭台に突き刺した月を育てる
見ろ
昔燃やしたものがゆっくりと蘇る

こうなる六ヶ月前
舌は正常さについてを繰り返し
そしていつの間にか燃える事なくただ焦げていった

深い森を想う
舌 ....
私にとって人生初の友達は、カトウさんちの犬ポチだった。
私の記憶の一番古い場所にあるその姿は、大きくて逞しいボクサー犬だ。
しかし家族に言わせると、ポチは茶色い普通の雑種犬だったらしい。
当時住 ....
「正義」の最大の敵は「悪」ではなくて「べつの正義」なのだ

なんだか最近よくこの言葉を見たり聞いたりする。
ひょっとしたらごく一部で使われているだけなのに、私の好みのフィールドが偏っているせいで ....
さて、ここへきてやっと私にもためらいが生じてきた。
どうも自分が何を書けばいいのかがわからない。
どうすれば私のこの混沌は整理されるのか?
大体このクソたわけた文章を投稿している事自体の正否の判 ....
前回のような文章を、自分の中では「ヒッチハイク書き」と呼んでいる。
テーマを定めず書き始め、そこに出てきたキーワードが次の文章の行方を決める。
目的地が決まっているヒッチハイクとは多少ニュアンスが ....
すみません。
っていや何を謝ってるかは定かじゃないんですが、喋り出しと喋り終わりにすみませんって言うのが癖なんで、すみません。
今頭ん中が天地創造みたいな状況でしてね、って書いてみて、私、自分が天 ....
物語読むように過去の歌を思い出しながら
その時聞いた足音が蘇るだけであなたはもう待てないと言う
だったらきちんとしぬといえばいいでしょう
私はクローゼットの中で昔の言葉を組み合わせ
いくつもの ....
屋根と壁が囲う空間に
電気も水もなくなって久しい
電池式の呼び鈴だけが細々と生き延びて
呼ぶものと呼ばれるものを待つ無音
応える黙を聞いている

歌が通りすぎ
語り合いも既に終わり
沈 ....
一粒の滴りを待つ
張りつめた液体の緊張感
揺すられてこぼしたくない
あと一滴であふれ出したい

風のにおいを嗅ぎ分けて水辺を目指す獣
求めるものは
水ではなく
ただ己が
命である事
 ....
ここから見えるのは緩やかな勾配と
奥行きのある青い空
越えられぬ丘と誰かが呼んだ
そういうものがあるのだと
そういうこともあるのだと

例えばパレードを追い掛けていく子供が
その浅いふも ....
放った視線はもう戻らない
青いラインとなり視野の先へと伸びていく
たったいま不可視の場所は
あなたの瞼の裏です

略するでもなく連続で地面が傾いていく
朝へ朝へ
あちこちに梯子が突き立っ ....
時計の音 右に
あなたは 左に
私の心は振り子のよう
ねじの切れた
今夜あなたの見る
夢の中には
遠い空 太陽は雲に消えた

それでも見上げてる
あなたは行くと言う
忘れればいいの ....
この世に大きな期待もないが
望みもなく生きるには
あまりに弱い自分なので
有り得る程度の希望を胸に
少しだけ祈るのさ

だから夢は叶えてはならない
追い続けるものだと背中が言うので
私 ....
何そうやってさっきから
イヌコロみてぇに聞き分けねぇのさ
これは雨戸のすき間の音で
風は声なぞたてやしねぇよ
聞いてて骨が辛ぇのは
いつでもこっちの勝手さね

まったく大した晩だねぃ
 ....
「フッ…悔しいが、どうやら勝負あったようだな…」

「貴様はよく戦った。手向けだ、言い残す事あらば聞いてやろう」

「ならば…………永遠にキミを愛してるんだぞっ☆」

「なにっ?」

 ....
まずは思い出話から始めさせていただく。

かつて私の父は、射撃の腕前がなかなかのものだったらしい。まぁ殺し屋だったんですがね、結婚を機に廃業したのも遠い昔のお話です。
で、子供の頃、そんな父とア ....
ふと そっと
戻る気がして
よみがえる温度が
足にいつでも釘を打つ

約束とは記憶
言葉でできた格子

だがそこに
自分を残し
置き忘れては
出掛けていけない

連れ立つのは ....
鍵を下ろした扉の前で
不安は芽吹く
膝の裏から
鳥の声を聞いている
まだ鳥の声を聞いている

猛禽類の雄々しさと
水鳥達の優雅さは
月食の前に佇んだ
食われるものが光ではなく
月そ ....
しわすになれば
吐く息白く
声もそぞろに
うつむき歩く
枯木の枝に
すずめ幾羽か
はらりと土へ
あてなくつつく
合図のように
からす一声
飛び立つすずめ
裸の枯木
やっと見上げ ....
歌う時は過ぎた
語り合いもやがて終わる
引きずるものが風に
飛ばされる事を望む/望まない
両足で押さえたそれを
お前は影と呼ぶ

息をつめた手の中で
揺れる蝋燭の炎が
蠢めく影をいつ ....
煙草とジャズの匂いのする扉の前ではいつも
客が脱ぎ捨てた今日一日が
肩をすくめて苦笑していた
逃げ込むようにカウンターへ辿り着くパンチドランカー達に
タオルではなくおしぼりを投げ
マスターは ....
あたしゃまだまだここにいて
だからそこへは行かれない
待っていてねと呟きゃあ
それがいつしかプレッシャア

美味しい食事と少しの薬
ニコチンカフェイン今宵のメイン
耳たぶに空いた小さな穴 ....
手紙には宛名を書かず
飲み込んで
飲み込んで
喉の奥でうずめかす
吐き出さず
吐き出さず
私の口に雨が降る

終いの時と知りながら
それでも春になればと信じず
祈る事は諦めであると ....
テシノ(57)
タイトル カテゴリ Point 日付
一人で終わる散文(批評 ...012/10/22 18:42
ギブ・ミー・シェルター自由詩412/10/2 19:52
えじき自由詩1+12/9/12 18:45
うちのこ自由詩412/9/6 13:33
雨の格子自由詩111/9/8 21:50
三丁目南バラ公園自由詩111/5/18 14:24
橋の下、工事中自由詩010/10/26 18:03
静物画自由詩110/10/6 11:22
ポチの消滅散文(批評 ...210/9/14 19:30
お前が世界と戦う時は 2散文(批評 ...010/9/11 10:47
お前が世界と戦う時は散文(批評 ...010/9/5 8:31
私の好きにさせてくれ 2散文(批評 ...2*10/8/27 8:56
私の好きにさせてくれ散文(批評 ...4+*10/8/20 23:33
部屋自由詩010/8/18 18:55
黙を聞く自由詩010/8/2 18:55
ミルククラウン自由詩110/6/26 18:54
越えられぬ丘自由詩3*10/6/15 10:24
絡む根を梳く自由詩210/6/4 17:50
lontano自由詩110/5/9 7:32
自由詩210/4/6 11:02
かいまき小唄自由詩210/3/30 22:46
俺と貴様と永遠と自由詩3*10/3/19 18:48
感情による共感、によらない一体感についての個人的な考察散文(批評 ...9+*10/3/16 19:40
戻る日自由詩110/1/26 15:25
飛ぶ夢を見た自由詩210/1/16 18:49
越冬歌自由詩009/12/27 22:23
殺風景自由詩1*09/11/29 17:03
楽園という名の酒場があった自由詩1*09/11/24 18:03
居待月自由詩109/11/5 18:45
閉じる日自由詩309/11/1 21:16

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