ふるい駄菓子屋さんで買ってきた縄跳びは、のばした水飴みたいに、すぐにくずれていたからね、
私、縄が切れるのを待っていたんです
こつこつ続けるしかなかった、なんて、ずるいこと、いっぱ ....
{引用=
夜は目が覚めるほど近くで明ける。
まぶしい朝、ひどく生きる。
白いシーツ
顔までかけてもらって
幸福の尺度
はかりかねる
鎖かけて、
なだれる。
きみの手 ....
子どもだから知らない漢字は飛ばしてもいいんだよ、漢字ドリル斜め折りして目印をつけたページ、「大切な」を十回書き写して、[音読しました]に丸だけつけて、手のひらの外側がすこし黒くなったまま誇らしげに食卓 ....
今回は、しろいろさんと大森靖子(おおもりせいこ)さんの表現する世界をのぞいていこうと思います。ふたりとも、私がいい意味でショックを受けた方ですので、大切に考察していけたらな、と思います。
ま ....
一、
 
ひとつ、ふたつ
もっと
でたらめなものとして
 
の
わたしの
きみのわたしの
きみ
 
....
継ぎ目という
継ぎ目が、
糊できらめいて
わたし今とても資材
軋んだ
 
書かれている
紙としての
反応
きみの筆跡が
わたし ....
1
眠るってなんなの
とても
生きているとは思えないほどの平穏だろう
なにも知らなくてもわかる
静かなことはわかる
2
目を覚ますと
ありとあらゆる音が聞こえ始めて
驚き ....
一、
顕微鏡を抱えて
潜り込んだ湯船に
わたしたちの空が眠っている
あぶくを
覗こう
口から吐いたあぶくを
捕らえて
なにが詰まっているか
知りたい
ふ、ゆ、と言ったらふゆが満 ....
横断し続けた川の端と端もちあげ上手に運ぶ 、となりへ
窓外に無数のつぶてが降る いつか海に沈んだ都市に住もうね
痛いかと自分に聞いてしまう夜 括弧のなかで息を整え
....
はつなつに絡まる雪がふやけ出しわたしのもとに届く霧雨
{引用=
七月は暑くて、暑くて
水際を探して歩き回っている
運よく見つけた堤防にのぼりながら
そそくさと
身分証明書を書き
....
一、告白
{引用=
飛行機が頭上を通りすぎている さよならのなか密かな発作
骨の間を縫うように飛ぶ飛行機に印字する風 わざと会いたい
透明に傾き無色の戦場を駆 ....
全身が混線しようと企んで逃がしてしまう唯一の鳥
{引用=
コードの
うねりを
生き物かと
おもった
先端に
触れそうなつまさき
電気が
必要
わたしはいつも
夏になり ....
春だから育て過ぎます 槍などが貫いているあいすべき塔
{引用=
その珈琲豆は挽かないほうがいいです その鉄のにおい
そのままでいてとてもわるい
この身には
どろみず色の牛乳紅茶が
湧きつづけていてとてもわるい
ひしめく指と指の間から
....
屋根裏に集めた傘をさす 息が飛行機雲のようにまぶしい
{引用=
とりなさい。
する場合を除く。)
泡立ちが
いくつもの水脈のこじれに
目視し、小刻みに糸は
及ぼす事があるという
範囲を侵す事が
という。あなたの所有する空
専用部であ ....
{引用=
気がつくと夢中で空を掃いているわたしはいつかの雨の一滴
薄まって波の光を目に宿す あなたはすでに透明標本
それぞれの同化できない手の指が束ね ....
{引用=
みずいろの舟には乗れたきみなのに雨にまぎれて みみみ と降った
君 私 君 私 君 私 君 ミサンガみたいな長いごめんね
おしなべて答えは雪のしたにある ....
{引用=
わたしらは雨の日には傘をさせばよかったんやと思う
のらりくらり運ばれよるうちに
ぜんぶの角がとれた小石みたいに
下流で山積みになってしもうたね
流れ星が流れたあとで願いごとするよう ....
{引用=秋空に寄りかかる鱗雲が
開け放たれた海の際までずり落ちて
きみが咳込みながらズボンを降ろすのを見ていた
秘め事はスライドガラスに貼り付けて
食べきったトマトの缶に詰めてある
きみと
....
花火、風。立ち尽くす夏 陸橋で麦わら帽子は抑えずにいた
日に焼けた腕に食い込む荷の持ち手 両てのひらで生かした金魚
向日葵が燃えない程度に咲いていて息継ぎの度ちらり ....
{引用=夏のおもいでっていうもんが
裸足で踏みしめる畳の網の目につまっていくもんなんやと思って
お風呂上がりにちゃんと足の裏を拭いたり
できるだけ汗をかかんように制汗剤振ったりしよるわけじゃない ....
{引用=
陽の溜まる部屋で
私たちはボタンのとれたシャツのように笑う
まいにち
洗濯をして
汚いってどんな色か確かめる
互いの背中に腕を回して
肩の下から腰の上までぎゅうと絞れば
背骨 ....
暗算しわざと優しくなる胸の膨らみ私は恋をしました
発達す不安にさせる曲線をくるんでバスタオルは笑った
惜しみ無くぬくい言葉を絞るうち 生クリームは腐りかけてる
....
箸置きに次元をかえて架ける橋 転がる二本の非常階段
きみの手のあやとりの糸たぐり寄せ真水に飛び込む指を絡めて
爪先もまなこも縦に尖らせて剥がす鍵盤しろいとこから
....
白雪に赤い水飴垂らす頃 あの子は少女と呼ばれていたか
目の前を振り子がとおる 催眠を 迂闊に噛んではいけない指が
灰皿の上に広がる砂景色 嬉しかったね、呼吸すること ....
{引用=
1
水が
押し寄せている。
2
外は、寒いからね、
3
蓋のない瓶の中に
私と
君と
泡と、埃と
唾を
浮かべて
4
恥らいを捨てたあ ....
{引用=
指の先で三日月が伸びる夜
まるまるふとった空に
ふぁんたじいを映して
げんじつが困ってしまうような視線で見た明日の
嘘
熱烈な
*
光を集める目のなかを
飛 ....
{引用=
かくかくしかじかで
魚の骨が喉に刺さっているからどうにかならないかなって食卓を挟んで彼が言う。
かくかくしかじかで
多分どうにもならないんじゃないかなって私は箸を口に運びながら、そん ....
{引用=
せかいのあちこちに
内緒で敷かれている
内緒の線路を走行する
打ちっぱなしの
コンクリートの
でっかいとんねるは
せかいの中身を
くり抜きながら
こわれた部分を直して
....
1 2 3
0.1sec.