そうこうしているうちに
定期券などというものも
すっかり使わなくなったと彼は言い
ひとさし指を使って首をかいた
それで生活はだいじょうぶなのかと私がきくと
どうもこうも
生活などというもの ....
フィドルの音に気付く
まぶたが開かないので
夢か現実かは自信ない
つま先が湿っているし
酒のことを考えてみた
急に悲しくなってしまう
大声で怒鳴りたいぐらい
私は一生懸命だったの ....
コンクリートブロックを敷きつめた街に
私 は裸で腰かけている
見知った声が聞こえたので左手を上げて後ろを振り向いたが
誰もいないのを確かめただけだった
何故なのかを思い出すことは
当 ....
歴史上の人物
そのなかの
最も歴史的な神様
そのなかの
一人に会った
こげ茶色(うすいこげ茶色)の
犬を連れている
犬のことは歴史には
書いていないはずなのだ
神様
犬 ....
ふとももにさわった
てのひらの腹で
ふとももは
その表面に微熱を閉じこめ
そして内面に細かく小さなつぶつぶの 汗を かいた
ふともものことは
忘れていた
まるで絵画のように
....
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