ホセ・アルカディオ・ブエンディアは階段を駆け上がり
手まねきをするティムにうらめしそうな視線を投げかけると
おきあがりこぼしのようなものが斜めに並んだ柄のハンカチで額を拭った

ドン・サクセフ ....
あの村にはろくでなしだ
地底深くに妖怪の存在を隠した
穴だらけで前が見えないムジナの巣窟を進むと

回転寿司のおかげ様 回転の好きな神様
こんな歌が聞こえてくる
歌につられてふらふら行く
 ....
どこまで行っても
車庫があり
そのあなぐらに
焼べた薪が笛吹立っていた
それを小熊が
ねぐらにしていた
それをもぐらが
ひっぱった
夜も根津に三日三晩太り続け
国へ帰ることを決意した
氷点下の愛娘は午後を食い散らかし
ポツリポツリと降り注ぐ体毛に分け入ると
へその辺りになんと小さなほこらを作った

ぎゃーぎゃーわいわい ....
面接を何度も失敗しているうちに
僕は何もいえなくなってしまった
もう面接はこりごりだよ
面接官は人が聞かれたくないことを
きっと知っているんだ
くそったれ

泣いても笑っても
母親が一 ....
自分だけが知っているまっすぐな風景
まっすぐに世界をみつめること
何度となく訪れるまっすぐな世界
いつになくまっすぐないつもの風景
まっすぐな世界を捉えるこのタイミングで
いつもの風景を捉え ....
支えあうのはたいがいにして
自立しましょう

追いかけるのはもうやめにして
掴んだ襟元からその手を放しましょう
そして自分の足で立ちましょう

三度の食事や給料日を待つも
はるか昨日の ....
宇宙からフランスが降りはじめ
僕は体内の石の上に座ってみた
胸部から胃袋へと一直線に落ちる滝に
あわせることも逆らうこともせず
躍動を支えるだけの脊髄は
まるで紅葉を終えた静かな生態のようだ ....
上町の焦げ臭い定食屋の隅に
加藤が座っていた
何十年も前からここに憑いている

かつてはこの辺りにも産業があった
公僕たちがしなやかな課税に遊ばれ野原をかけめぐっていた
雨音を聞いた俺は外 ....
講演会場まで徒歩7分
地下鉄の駅は改札からが長い
あの日は確か渋谷で待ち合わせた
雪が降ってた

転ばないように手すりにつかまって
慎重に階段を下りていく人々は
肩に力が入りすぎている
 ....
最近また退屈し始めたので
なんとなく電話ばかりしています

毎日がどこか物足りないので
なんとなく誰かと会ってきます

今夜は星がきれい
なんとなくそういうことにしておきます

とり ....
なぜだ
なぜふられてしまったんだ
この不快感はいったいなんなんだ
何なんだいったい
おい誰か何とかしてくれ
内臓が迷子になった
うう
家がない
確かにここにあったはずなのに
その中に ....
三年半断食をしつづけた男はいまだに空腹を抱えてる
いまだに空腹を抱えてる

あの頃から何も変わっていない
じっと黙っている
ずっと空腹を抱えている

じっと黙っている
見つめている
 ....
仮にも新橋に住む
黒田さんが酔っぱらうとゆりかもめが運転を見合わせるというのなら
掌ほどの大きな蛙を大使館になげこみたいよね
いつの間にか俺たちも年をとったんだな
なんていいながら

それ ....
時は平成十七年
四川風中華大学三年
{ルビ六九五十六=ろっくいそろく}
優勝できたのもみんな
ランナーズハイのお{ルビ公家=くぉげ}ですと
ぬくゎるむ
{ルビ帰=くゎえ}りのバスで
家路 ....
僕がまだ販売員だったころの話だが、一人の女性客に「30分くらいで戻るので、良さそうなのを適当に三つくらい選んでおいてもらえるかしら。」と頼まれたことがある。おいおい、商店街の魚屋じゃないんだからとあっ .... ぴよぴよ ぴよぴよ 赤白黄色
ぴよぴよ ぴよぴよ ぴよぴよ

ぴよぴよ ぴよぴよ 小鳥のように
ぴよぴよ ぴよぴよ ぴよぴよ

ぴよぴよ ぴよぴよ 聞かせてぴょ
ぴよぴよ ぴよぴよ 詩人 ....
ペスカトーレ きみは

きみはそれから遠い
遠い
遠い目をしたその先に
ルルル

ペスカトーレ はじまる
蒸し暑い夏またはじまる
君と歩いたのは確か
はるか
はるか遠い一日ルルル ....
もぐら工夫が愛泥まみれて
がらにもなく苺摘みあげたお星様

あの
もぐらがだよ

考えてもみなよいくつになってももぐらはもぐら
陸上競技なんてものはまるっきり縁のない

あの
もぐ ....
横たえられた形状
地に跪いた線状

うつらうつらに落ちる陽の
ぽつりぽつりと残る様

工場のあかりが湖をバウンドしながら
少年の背中へと返っていきます
飛べない鶴をおりました
そこに ....
体内で放電する君のその電流の一本一本を
僕は写真におさめて少しでも
両手に抱え込む努力をしたり してみたいのに
君がよわよわしくほとばしりを見せれば
僕はいつだってかるがるしく口にしてしまう
 ....
朝から母が 病床で
しくしく泣いて いるから

ついつい 酒に
目が行って しまう

おやめなさい
おやめなさいな

ああ
からすさん これはこれは
今日はどちらへお出かけですか ....
おまえの愛する愛の形さえ
いとおしく見えるものじゃ
つまりは愛じゃ
箸ではぁとをつつく仕草すら
いとおしく見えるものじゃ
それも愛じゃ
そうなのじゃ 愛なのじゃ
愛は地球を救うのじゃ
 ....
こうでなくてはならないとか、こうであるべきとか言うのはあんまり好きじゃないが、俺は一つだけ決して譲れない哲学をもっている。それは、肉の在るべき姿。

肉は、その存在自体魅力的なものでなくてはならな ....
まさか忘我の域にまで達するとは思っていなかった。(従来)
まさか忘我の域に達するとまでは本人も予測出来ていなかった。(新感覚)

行きつけのカフェには5つの部屋があり、それぞれの部屋をゾロアスタ ....
世の中にはいろいろいる
大変な人
毒虫
いもり
冗談の通じない大人
家出した人
おもむろに濁流へとサンダルを投げ込む
イソギンチャク
ミミズク
もずく
いちじく
ももんが
横丁 ....
何十年も生きてると祭りの意義というものが深刻な課題となってくる
おわかりですね
そうです
祭りは日本の心です
私たちを奮い立たせてくれるのです
おわかりですね
我々日本人にとって
祭りは ....
獅子の牙 龍の爪 虎の涙
炎の海で最も多感な時期を過ごしてきた
熱で意識はもうろうとしている
人生の意味を知りたくてここに来たんだ

お前んちはここか

終わりを見て初めて知るもの
な ....
曖昧なものには意図がある
あいまいなものをみておもう
あいまいの先にはないが
道のりになにかある
おいもがある

やわらかくほくほくの
おいも
おいしいよ
あいまい(甘い)なもの(お ....
笑顔を絶やさず笑わず拒まず
二本の足で突っ立って
いつまでそこにしゃがみついてんだ
毎日欠かさず水をやり
汗を拭き
一体何人もの嘘をついてきた
それほどまでして守る価値があるなら
どうし ....
不老産兄弟(115)
タイトル カテゴリ Point 日付
外資系証券会社直通エレベーター付近に見る光景自由詩207/6/27 2:41
アッシリアの娘婿自由詩107/5/30 2:00
しらむし自由詩007/1/30 22:40
果て無き空腹の果てに自由詩106/11/2 14:42
画伯の無情自由詩106/10/27 12:17
まっすぐな世界自由詩006/10/25 13:20
自立しましょう自由詩206/2/11 10:19
とびきりの宇宙自由詩105/11/25 11:14
ある定食屋で自由詩1005/10/3 12:06
雪景色自由詩005/8/27 14:00
これからはいつもそばにいるよ自由詩405/8/24 9:13
失恋は地獄だ自由詩205/8/16 7:50
空腹のぶるうす自由詩105/8/7 13:02
極東時刻自由詩205/7/20 9:16
体内の村落自由詩105/6/19 9:24
タラバガニが見える自由詩305/6/8 9:01
詩人の歌自由詩105/6/7 9:42
ペスカ自由詩105/5/26 7:46
カンボジア自由詩005/5/21 10:13
自由への詩 3自由詩205/5/7 8:44
体内で放電する君の自由詩105/5/6 7:09
箱根の朝自由詩205/5/4 1:59
愛じゃ自由詩205/5/1 15:29
肉の在り方自由詩305/4/29 14:44
その夜自由詩005/4/17 13:56
ああ そうだなあ自由詩605/4/7 10:48
祭りの意義自由詩305/4/2 2:10
お前んちはここか自由詩105/3/30 14:39
人の手自由詩105/3/28 6:16
ついばんだ自由詩105/3/25 11:38

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