丸い皿は丸く 四角い皿は四角く洗えと言われた
白い皿は白く
深緑の皿は深く深く果てしなく緑に洗えとも言われた

少しも汚れていない水盤のような皿たちに
水流をあてると
どの皿も垂直にしか洗 ....
世界一標高の高い駅に着いた
車掌以外は観光客で皆
酸素マスクをつけている

空気が薄いので皆
紙のようにペラペラになる
喜びも哀しみも薄くなるので晴れ晴れとする

風が吹けば
空高く ....
しじまという名の少女がいた
「しじまです」という自己紹介の後の沈黙に慣れている顔だった
この名は代々受け継がれていると言った
姓ではなく名の力を継ぐのだと

数年後 
高名な画家が彼女をモ ....
壇上に押し上げられて何も言うことがない事に少々戸惑っている

相談がある、と言われたが小学生らしき君は誰だっけ

階段の上では少女が手をふり
暖をとりましょうと眠たい声で言う

だんだん ....
ある日アヒルの王子様がやってきて
結婚してやってもいいけどなどと言ってきた
でも待機児童問題が、と言うと
ガアガア鳴き始めたので
彼には彼の人生をお尻プリプリ歩んでもらう

瓶ビールに ....
総勢五十名の審問官が横一列に並んだところ
壮観であるとおっしゃった
かの君

ウツボ座の椅子は非常に座り心地が悪く
座り直すたびにずり落ちる王冠はまるで
重力波へくちばしをくりかえし
く ....
山本英子氏は1946年生まれ、1984年に現代詩手帖賞を受賞、近江詩人会に所属していらっしゃる詩人です。私にとって、山本英子氏の詩とは、一作品でタルコフスキー映画一本分くらいのすごさ、お腹いっぱい .... 二度三度、こぼしながら集める言葉の欠片
十字路で迷いながらも行く文字の茂る荒野
周回遅れでも楽しく作っていく余白の白さ
年がら年中字ばかり追ってて楽しい?うん
おばかだから変な詩ばかり書く ....
夜通し
狭くて暗い
空飛ぶ輸送機に乗って
発着場まで
みんな順番待ち
大人しくして黙って

雪の降る静かな朝に
古い鞄に必要なものだけ入れて
お弁当は少し
おやつは沢山
あげたい ....
友よ、と言った君の声をこの耳は聞いた
この耳を大切にしたい
けれども声はすぐに去っていった
彼方へ、とあの人も言った
あの声をそっと眺めていたい
けれどももうここにはなく

日々打ち上げ ....
フォーラムにいらっしゃるみつべえさんからいただいた個人詩誌『卵』11号に、電子詩集作成記があり、私信でおっしゃるには「簡単ですよ」とのことで私も作ってみたくなりました。
文字を電子書籍向けに変換した ....
約束に約5分遅れる
シロップロックアップサイドで会う
こめかみ
みだりに髪
かみしめる一言
会いたかった……

すうーっと楽になる午後だ
この緑色したミントの束で叩けば
色んな音がし ....
とうとう名を知らないままその人はいなくなった
知る機会は色々あったのだが
誰かが呼びかけるのを
耳にしてもすぐ忘れて
次があるしと思っていたが
次はなかった

寡黙なその人は昏い目をして ....
サーモンピンク
色した指先で
鍵盤を健気に押して音楽
空は明け方のおおらかさ
赤ん坊の鼻息がぷうぷう

一緒に朝食
きゅうりってこんなに薄く切れるんだね
とあなたが感動している
こと ....
耳の森、目の島、パーティーを開こう

渡し守、渡し船、何度も来ては

肺に入る宝石、出る水鳥、キキキと鳴いて

じっと待っている足たち、大人しくして、子どもらしくあしらって

暮らしや ....
子どもだからと置いていかれた
それでもそっと覗いて見ていた
あなたと私
繋がらないまま黙っていた
想像していたよりも良かった
でも と言い淀んで
私とあなた

すぐに来るからねとうなず ....
千の陽光が結んでほ
王位を継承したいと言
ころぶ子どもたちの足をまたはらう稲穂
うその曠野を食べなければならない

立ち入り禁止の看板にな
必ずや勝ってみせると言って引
だれの予言なのか ....
夜のとばりをバリバリとかじり
新しい鳥が生まれる
生まれながらにして重要
で不確かな自由を継承
ピカピカの街の看板に降り立つ
翼で指図する
お前はあっちでお前はあそこ
立っていればそのう ....
その大きな屋敷にわたしの兄姉はいた
少しだけ血が繋がっていたので
わたしは右手で彼らは左手と思うことにした
左手を使う時彼らを思い出した
出されたデザートの皿は欠けていた

兄はとても器用 ....
空に湖のある場所に引っ越してから
薔薇は世話が大変だと知った
この土地は気にいるかな君は雨が好きだから

素直な枝と同じに左右に分かれる道があった
僕たちはやがてはなればなれになり
優しく ....
かまぼこのカーブはいつまで美しいだろうか

遠くに霞んでいるトンネルの入り口
小雨が降りはじめ暗い匂いがする 
黒く濡れた何かが静かに入ってくる

そんな車からさっと降りた
姉さんは真っ ....
コインランドリーの特徴的な匂いが彼の持ち味。
君は綺麗だとは言うものの斜め後方から。
日曜日の午後はいつも小雨の降る街で手を繋ぐの。
そんな決まった天候のある街などないと言う常識人。
あの人は ....
月があるから地球はまだいい星



ビニールで包んだプレゼント丸見え



川があっちからこっちへ流れてく



星は動いてるんだろうけど分からん



太陽当たり前過 ....
秋の雨が窓を打つ
静かな音の中
君の寝顔を間近で見ていた
冬の厳しさがすぐそこにあり
空気は冷たく
一向に縮まらない距離に悩んでいた
近付けば逃げるのに
留まると残念そうな顔なのは何故
 ....
随分と明け暮れた
袖が長くなった
言葉は短く
体毛は薄く白く
はかないものに近づいていく

そんな母に高齢の魔女たちが詰め寄り
うらみつらみの思い出話に花は咲かずに散りしきる
というよ ....
そうやっていつも気づかないふりで逃げる
上手く逃げたと思っていても
いつかは対峙する時が来るものだ
ひとり
佇んでいたプールサイドは
夏の光に汚れて立つのがやっとだった
きみが
手のひら ....
数年前に戸田山和久著『哲学入門』ちくま新書 を読んだ備忘録です。PCあさっていたら出てきました。前半は自分用の疑問をはさみつつのまとめなのでスルーしちゃって最後らへんの感想などご興味ありましたらお読み ....  一段下がったこの一行目を歩くみちゆき
二行目には何かの展開が来るはずで
三行目ははなから期待してなかったけど
四行目の隣に
       かわいらしい花が咲いている
のを見ていたら六行目に ....
サカガミが猶予はないと言うのだった
彼はいつも唐突な喋り方をした
そして黙るので沈黙を料理しそこねた我々はつらい気持ちになるのだった

サカガミの母親は彼を随分と気に入っていて
息子なのにさ ....
星光るタンスの奥に猫の国




風の夜メロンの飴を売りに来る




ねじれてる瞳の中のお菓子箱




裁縫を教わる度に消えてゆく




梅雨のこと傷つけ ....
ふるる(660)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
。。。。。恋愛詩っぽい。。。。。。文書グループ22/4/18
?不思議シリーズ?文書グループ22/4/12
気に入ってる横書きの詩文書グループ21/12/21
☆彡詩とイラスト、イラハポ☆彡文書グループ21/8/19
■■■詩についてのあれこれ■■■文書グループ21/8/19
川柳文書グループ19/8/10
     短歌文書グループ12/1/23
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☆☆☆視覚詩について☆☆☆文書グループ07/11/13
○○○詩+散文の試み○○○文書グループ07/10/29
五 行 詩文書グループ07/6/1
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◎◎◎ほのぼの系◎◎◎文書グループ07/3/11
★★★視覚詩の練習★★★文書グループ07/3/11
♪♪♪リズムに注目♪♪♪文書グループ07/3/11
投稿作品
丸い皿は丸く自由詩6*24/3/19 0:58
標高の高い駅自由詩4*24/3/19 0:54
しじま自由詩4*24/3/19 0:44
断章自由詩223/12/21 11:14
誰か自由詩9*23/9/22 18:40
克服自由詩323/6/22 17:22
山本英子氏の詩について散文(批評 ...1*23/6/14 16:34
ここで書く自由詩8*23/4/16 17:01
夜明け自由詩7*22/12/22 23:44
自由詩9*22/10/26 16:47
電子詩集を作ってみたよ散文(批評 ...322/10/26 16:25
シロップロックアップサイド自由詩3*22/9/3 18:30
あの人自由詩822/8/24 13:43
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いきつ もどりつ自由詩322/6/14 9:01
別れのために自由詩8*22/2/21 11:20
軋む自由詩822/2/8 16:59
空に湖のある自由詩6*22/2/3 12:00
運動 それから自由詩1021/12/18 21:01
写真自由詩5*21/11/30 19:01
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記憶の部屋自由詩10*21/11/22 16:26
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夏声自由詩8*21/9/14 11:32
哲学入門備忘録散文(批評 ...1*21/7/20 18:24
みちゆき(ブラウザにより意味不明になりますすみません)自由詩7*21/7/20 17:45
サカガミ自由詩2*21/6/18 14:28
ささやきがやさしい川柳9*21/5/24 23:41

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