卒業式より入学式
きっとそのほうが近い

おわかれが悲しいより
ちょっとどうなっていくのかなって
そわそわ、未知の道
ようこそと迎え入れる
手の花束を渡って

そこはしばしの ....
刻も戯れも心音も手招いて誘う
こころ あちらへ こちらへ
揺るがして手放す
なみだの群れは押し寄せて 弾き 引っ張る
しなだれる砂 きぬずれの脚
よるの はまゆう



 ....
髪の後れ毛が
もやしのひげのように
蒸れた風とけっ託して
汗と貼りつく

ぽにーているならぬ
わたしのひとつ結びは
ねこのしっぽでありたい
脊髄のさきにあるまでの、感情

あな ....
ひとを好きになって傷ついて
感傷を肌で美しく感じていた
そんな時間
映画音楽のようにドラマチックな

からだの外へ出た細胞たち
絶えて流れた
う化して剥げたわたしのベールは
ふ ....
海の近くに住むって、憧れる
という人
潮風に纏われ
足は筆になってもつれる

不老不死の
いっぽんみちを
歩きつづけたら
捩じれていった

ふくれる心臓
ぽこん
理由は ....
その蜜をかけて
わたしのすきなバニラの
エッセルスーパーカップに
全部にかけたいけれど
大きいので
内の蓋を少し開けて
半分ね


地面を舐めている
落とした自分のを
命にな ....
わたしはさいきん
けずりぶし
いえ、最近じゃなく
常時そうなんです

ふりかけられては
振り落とされては
そこが あつかろうが
さむかろうが
おどっている
おどらされている
 ....
流氷の底につながってる
ぶらっくほおるの隅っこに
ちょこんと震えながら
持っていたのは
青一色の地図

そういやいつから
陸も山も
ひとも消えて
感情だけあふれるようになった ....
まっ黒くて
長い長い肢が きょうも
地面から 抜ける
親不知の速さで



(季節 だ)(季節 だっ た ) (った)(ったーーーーーーーんn

 
湿り気を編み込んだ ....
声という声を泳ぎ切った星は
「優」という島に行きついて
そこからも笑いながら
切りすて別れあう

どっちつかずなため息は
底のない海に
小さい赤いシールになって貼られた
そこに何も ....
晴れた日に雨靴を
履きたい気持ちを
雨の日に思いきり
傘ささずぬれたり


開いてしまったら
また閉めればいいじゃない
ひとつしかないのファスナー
そう思い込む
のだった
 ....
きみはどこに向かって
帰ってしまったの
それともまだ
帰り道のとちゅうなの

迷っているのなら
この手を見つけてほしい
ぜったいにぜったいに
離すもんか

きみのことをおも ....
ひとの形をしている友は
寒い寒いくにへ行って
そのまま凍えて雪になった

ひとの形をしていない友よ
くちは利けずとも まだ
わたしの隣にいてくれる友よ
心臓などなくても
温かい友よ
 ....
うそみたいな
ねいきを立てて
みるく色の
おひさまのはーぷに
なでられて

しずかなおとが
きこえます
とおい とおい
そらの つまさきまで

「こんにちは」

 ....
コの字の形をした控室に
ルームロッカーが並んでて
中身だけ抜き取られたように
ハンガーが各自一本ずつ整列している

その服を着て出たのか
それとも初めっから
誰もいなかったの ....


私がひとり降りた夜
バスは静かに荒く息を吐き出しながら
また次の者を乗せ降ろしして
それ自体 拍動しながら
もう 見えなくなっていく
のこされた私は
安堵を荷物に 歩き出す
 ....
ひとりで ずっと待っていた
帰省先で亡くなった男性が住んでいたアパートの
部屋の畳は思っていたよりきれいだったが
乾拭きをして ちょんと座って

ひとりで 届くのを待っていた
荷 ....
いちごみるくのいちごとみるくをぱっくり分離した色の
花は散っていったけど
四月のバリアに張り付いて流れていったけど
またね

ありがちなころがる嘘につまずきたくて、
だけどおとなの ....
約三時間前にサイレンが鳴った
そのあとやけにテンションの高いリサイクル業者の声が一帯を過ぎる

テレビをつけて相撲中継

七年経った
母は画面に正座で向かったまま
頭を垂れて舟をこい ....
もうすぐ日がめくれ
いくつか数えた頃
かの女はバラをたくさん落としてきたが
もうプロポーズされることがなくなったからと
時ごと綿毛に包んで
夏の来ない春に明け渡そうとしている

 ....
紙を破いたら
鳴りやむことを知らない
何度も何度も波が
静脈から動脈に往復する

黄色の傘を置いて
小さな傘を置いて
歩いてきてしまった
わざと忘れてきてしまった

日常は全然ゆる ....
( 通過します 流れます )

月の音
しずかに
越えて
角から変わってゆく
白が舞って
瞳が生まれる 
  また生まれかわって
チャームがふりかえったり

いまの形
どんな温 ....
 
川が近づいてそっと入っていく
金属くさい くさい 私と
その鎖のつながりあるところまで

この世が終わるなら私ひとりだけ終わっていいと
いつも思っていた        いつも思っていた ....
寒い夜も 夜にも
そばにいてくれる
ただずっと黙って
次の涙と光を待っている

必要な情報も
必要じゃない情報も
すべてこの目と耳と手が
躰が
掴んで吸い込んでしまう
その中で ....
思い出を
思い出さないようにと思いながら
今朝も起きて食べて現実と歩いている


寄せるしろい 腕が
知らない世界へさらいに来て
巨大なしろい フォークが
ざざざ、と遠のいて
それを ....
(ねむっているように、うつろに開いて
 よこたわっていても、私には見えてる)

瞬きで合図をくれていた
感情もなぜかくみ取れた
そんなにあふれていたんだね
枕元にたくさん落ちていたよ

 ....
梅雨になって
雨がすきな
人もきっと
そばにたくさんいるだろうけど

いまは
青い空がすき
心が浮かび流れていきそうな
どこまでもファルセットが続きそうな


目を閉じて ....
そうだなあ

ふかす
何ごとに関しても

そうだよねえ

啜る
時間をそしゃくするごとに

そういうことが増えた、

何もうまれてはいない
何もかもが産まれて、空までたち ....
こん夜
つけて寝るためのピンクのマスクがある
かの女はいま
どんな心の中の秒針を回して
何を燃焼し拍動し続けているのか
考えたりする
答えはどこにもない
海にも空にも星にも
そしてここ ....
しんしんと細い雪が
透明な肩に着いては
じんわりと広がり
どこかにとけていく

もう我慢しなくてもいいんだよ
と、いう時間になって

わたしの大切なところが痛みだす


時は止ま ....
唐草フウ(284)
タイトル カテゴリ Point 日付
発つ自由詩4*24/2/17 23:50
潮夜自由詩7*23/8/1 4:16
夏のしっぽ自由詩11*23/7/31 7:57
やわらかいかけら自由詩4*22/8/11 2:54
夜明け前自由詩3*21/7/4 14:00
グッバイ、バニラ自由詩9*20/5/25 4:53
けずりぶし自由詩8*20/3/17 0:11
青い地図自由詩4*19/12/21 19:52
風を縫う(なつ)自由詩4*19/9/2 8:13
太陽が来る自由詩5*19/6/7 21:44
待たない自由詩3*19/4/27 21:25
シークレット・ブーケ自由詩3*19/2/5 20:51
わたしの冬自由詩5*19/1/8 13:12
あさに おわる自由詩12*18/10/3 6:33
Air自由詩2*18/8/19 5:03
Kodo自由詩5*18/8/4 5:11
緊張と弛緩自由詩5*18/6/10 21:03
うらうら自由詩7*18/4/11 3:53
_自由詩2*18/3/11 17:39
三月の花摘み自由詩718/2/24 3:19
こたえのない曇りの日に自由詩6*18/2/19 14:48
夜へはこぶ自由詩3*18/2/1 14:09
いとなみの川自由詩15*17/12/27 8:55
t4u自由詩2*17/12/11 20:19
ほろほろ自由詩3*17/10/21 7:09
瞳夏自由詩8*17/8/20 5:21
タペストリー自由詩8*17/6/9 4:24
チムニー自由詩6*17/3/20 6:21
マスク自由詩10*17/2/12 6:17
フトウ(よる)自由詩3*17/1/24 5:00

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