夏のTシャツは、青リンゴの匂いがした
西日の照りつける中、光に透けた脇の下の
肌とコットンのスペース
伝う汗は、覗き見た生活のように
ゆっくり下へと{ルビ降=くだ}っていた
それは空想で、上 ....
タラップが外れて
四基のエンジンの
高音と共に
涙する風切り羽
揚力のうまれるままに
生活の足場を
芥子粒ほどにちいさく
後ろへと
吹き飛ばしてゆく
 ....
ぐるり50センチほどの脳裏にある
あの日の、その場所に
もう行くことができない
がらんと口を開けた
灰色の校舎の入り口に立ちすくみ
背中からは夏の午後の日差しが
 ....
口を開けばこの世におわかれ
結局その理由がわからなかった
全て終わってしまった衛星都市で
いくつものぬけがらだけが
からからと丁寧に掃除されている
野良猫たちはそれでも
誰 ....
イージス


あらゆる災厄や障害から
           まもってあげたい
イージス、その姿はかがみのよう

みなも、かけた
わけを聞かれると
うつむいてしまう
斜め上を向いて
 ....
街の中になくした
放り投げるようになくした
あなたの
多面体のブロックパズルの面が、
そろわないからと
子供のようにわめいて
そろわないままの多面体は
街中の賑わいに似た
何色もの色に ....
夢中になって
崖から落ちてしまうのを
すくってあげる
夢中になって
崖から落ちてしまうのを
すくってほしい
しなる稲穂の
カーブのような腕で
白い、手
やわらかく ....
三月まで残る雪
路傍で灰色に汚れる
事故のようにゆっくりと
とりかえしのつかないことを
ふりつもらせて
やっぱり雪が空に戻ることはなくて
溶けるか
三月まで残る雪
路傍
灰色に汚れる ....
必ず差し込まれる朝
その尻尾にぶらさがって
鋭利な朝陽の先端をつぶして出来た
鈍器のような昼の陽射しの中に
何度もなぐられては
巻き戻されてしまって

石は女のなかに
いくつも ....
鉱石は女のなかに
いくつもの錠剤と
かすかな焼け野はらの香り
それと、ちいさな紙切れは
緑がかった鉱石を仄かに
ひらめかせては
夜という夜のあとに
必ず差し込まれる朝
その尻尾にぶらさ ....
あのあと
春へ向かった傷あとが
まだ桜色なので
熱をもって
おぼつかない
唇の舐めかたが
やさしいのか
つめたいのか
この生暖かな季節ににた
この体温が強く
開くかもし ....
どうしても舐められない背中に
傷がある
猫がひとつ
街の中に座ってた

首もとまで
コートを閉めて
冷えきった青
ブルーとは、
本来冷たい色なのだと
冬の終わるいま
あい ....
フラットな意識は
この巻いた頭に、ない



カール
巻いた
この毛先の
先に
細くともるみたいな
はるかな、声
きみの声、くるりと
巻いてる

フラットなトイレのドアがひ ....
さえぎるか光を
くるんで
やわらかく
綾の隙間から
洩らして
細かく広がらす
カーテン

何色の
覚えていない
光は
白く
覚えている
きみの輪郭を
白く飛ばして
放射状 ....
つながり続けるアールイーから



mon 16:52
「きょうはサイダーとサングリアと いろんなラムネ20錠コースです。明日やすみだからもっと盛大にいきたいところだけど、からだが重くな ....
森へ
つづく道は
つめたくて
きもちいいんだ
冬の
シーツみたいに
白くないし
深く
濡れているけど

たとえば
ビリジアンって
色が好きだった
絵の具
 ....
夏に実った果実は
その夏が暑ければ暑いほど
甘く、またみずみずしい
だからたくさんの輝く甲虫たちは
夏の果実に鉤爪を食い込ませて取り付く

夏の果実がとりわけ腐りやすいのはそういったわけで ....
「美しい日本の私」
とでも空にコピーを一本書き込みたくなる
山村の清流でせせらぎに
耳を澄ませながら
いじったタバコを一服
僕はぼんやりと山並みを眺めながら
隣から立ち上る
まるい煙 ....
そのことばをぼくは
騒ぎ立てる人々のただ中で聞いた
underworldは時間を小刻みに
おしころした感情の無感情
そんな音で刻んで
一拍一拍に
いわゆる時間は切り分けられ ....
夏に
瞼を虫にさされたので
片目があきません

いくらか黄色を
強めに帯び始めた
八月のカーブ
片目で町を走れば
遠近感がなくって
前の車も
白線も
ドアーも
濡れたボトルや
 ....
マリアさまのティーシャツに
刺繍でfuture
no
ってマジックで付けとくかな
なんて言ってる冬毛の猫

あまりにもあつい
季節は夏

タブレットをいくつか
白ワインをすこし
 ....
いま、
とても大事なことをひとつ思い出したんだけど
それなんだっけ

こんなに晴れた夜の
誰もいない
隠された路地と
その横にだだっ広く広がる運動場の中には
ほったらかしの
ナウマン ....
LUCi
cicada
なつのせみたち
なんでそんなないてんだ
おれはかなしくもなんともない
セミはさ、
あれ、
したくてないてんでしょ
でさ、
あいつの声さ、ちょっとイイよね
と ....
 開かれていない
 扉は
 開けることができる

 予感のうち
 大通りを歩き
 天秤は傾ぐ

 路地か聖性か
 重なる街

 歩行
 ときに白い肉
 指の腹
 青に砂
 ....
線路というやつはなんだって
この直線的な箱を
ねじ曲げることなく
流していけるのだろう
緩やかに曲がってくクセして


ぼくは客車のぱさぱさとした手触りの赤い
キルトのようなベッドの上 ....
海岸線に寝ころんで
国の皮膚が破れたところを見ている
ざぶざぶと水が侵入しては
さらさらと砂を溶きほぐして
ありきたりに
去って行ってはまた侵す
起き上がり
波打ち際に立って
まだふれ ....
ときには素直に
夜の空の暗さをみる
ただ光がないだけの話で
じつは日中となにも変わらないように
ぼくの思うことも同じだ

々という文字を子供の頃
不思議に思った
それをつなぐだけで ....
あの時誰かが血を通わせただとかいう
そんな街はもうたくさんだった



新緑の葉脈はもちろん、
青噛むような桜
セルがひとつずつ
つぶれていく音が顎を伝う花びら、
そして秋 ....
   *


   凭れたなら



   鳥のように

   木の欄干は鳴いて



   帯のゆるんだゆかたのむねと

   あのうみは

   つながっているよ ....
プルトップにゆびをかけて

あたしのめのまえで

うれしそうにトマトジュースを開けるきみと

ちいさな破裂音と

あたしがいて


とじこめられた空気が

はじけて

で ....
水町綜助(224)
タイトル カテゴリ Point 日付
フルーツオブザルーム自由詩619/6/9 0:05
世界地図を見るまなこと、なにかしら○いもの自由詩9*16/3/30 18:19
さよなら青から自由詩8*15/11/20 17:14
ホログラム自由詩2*15/11/20 17:07
イージス自由詩2*13/12/13 21:44
東京23色/街の中にいくつも散らばっていく自由詩1013/10/1 18:07
水の言葉、結晶の音自由詩613/7/13 2:31
_自由詩513/3/9 5:08
flower adjustments自由詩5*13/1/19 0:37
Flower adjustments自由詩8*12/5/22 0:09
object自由詩312/5/22 0:05
キズという名の獣自由詩312/5/21 23:45
ひかりと水、それが映す町のすべての音自由詩612/1/3 18:36
はるかなひかり自由詩8*11/12/12 8:41
vivid自由詩911/10/10 9:16
ビリジアン自由詩16*11/9/12 10:53
甲虫たちの記憶自由詩611/8/26 12:18
○△□×○自由詩411/8/22 0:40
Luci自由詩311/8/21 13:34
片目は閉じられ時間は消えて自由詩411/8/19 13:35
冬毛の猫、夏の暮らしかた自由詩211/8/13 8:43
愛の夏ーとあるあいすべき捨て鉢猫への想い自由詩2*11/8/13 8:38
きれいなしょんべん自由詩511/8/9 21:46
自由詩6*10/9/2 14:54
リトルナゴヤとカブトムシーズの冒険-1自由詩7*10/8/25 14:45
うつくしい海岸と怪獣自由詩10*10/5/24 17:30
かならず蛙自由詩1010/3/17 3:08
青噛む春自由詩3*10/3/16 0:08
ファイルの終わり自由詩510/3/9 16:02
トマトジュース自由詩5*10/2/7 0:06

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