つきぬける空の青さにたえかねてアゲハの羽の黒を目で追う


向日葵の迷路で迷っていたいのに背がのびすぎて出口が見えた


けだるさの中の憂いに抱かれようサラが歌うはサマータイムか
 ....
たとえば 光
たとえば 風
たとえば 涙

たとえられないものたちを

うたいつづけるものたちが

たとえる 光

それが 歌
画用紙いっぱいに水を塗り
そしてその水の乾かぬうちに

空を描き
雲を描き
僕を描く

風を描き
花を描き
君を描く

すべてのものの輪郭が
水に滲んで溶けあって

 ....
知恵の輪は2つでひとつお互いの隙をかさねて溶け合ってゆく


陽を透かし夢幻の彩を紡ぎだす色無き二重はカゲロウの翅


夢にむかう列車を乗せた二本線つかぬはなれぬ轍のこころ

 ....
石ころひとつ置いてきた
あなたの庭に

あなたがいないあいだに
そっと

昨日もひとつ置いてきた

一昨日もひとつ置いてきた

その前の日も置いてきた

どこにでもある ....
そらは ぎんねずみ

ふるでもなく
てるでもなく
ただ どんよりと どんよりと

のしかかるように
おいつめるように

ただ どんよりと どんよりと

ふるなら ふれ と
 ....
何も知らない 僕 と
何も知らない 君 を
乗せた船 は 深夜
港を出る

世界は丸い とは
限らないので

行き着く先は
誰も
知らない
霧が低く立ち込めている

地平に連なる街並みの輪郭線を
淡い紫が滲ませるように覆っている
その帯状の霧のすぐ上に
なだめるように添うように
葡萄鼠の月が出ている

こころも身体 ....
ピアノ弾くあなたの指を
私はじっと見つめている

ときに優しくときに激しく
流れるように囁くように
指は{ルビ水面=みなも}を
夜の水面をはじいて動く

私のためにだけ{ルビ一夜中 ....
歩いていました

水平線は見えません

とても見たかった水平線は
霧に隠れて 今日は いません

知っていました 本当は

ここは霧の浅瀬
いつもいつもけむっています

 ....
もうだいぶ短くなった青鉛筆を
今日も必死に削っている
先を細く細く尖らせなければ
気がすまないんだ
そのくせ
極度の尖端恐怖症なものだから
どれほど尖っているのか
目で見て確かめることも ....
フィチカ、雨の国。

春には雨の花が咲き
夏にはきらめく雨がふる
秋には雨も紅葉し
冬には白い雨がふる

   (誰か)が「冷たかろう」と言い
   (誰か)が「寂しかろう」と言う
 ....
ルナク(12)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
共作連歌集(うただま)文書グループ08/3/10
投稿作品
その白い夏短歌712/7/30 13:36
たとえば光自由詩412/7/28 23:30
水絵自由詩412/7/28 23:28
二重星短歌812/7/28 23:23
石ころ自由詩1012/7/27 20:00
この、ぎんねずみ自由詩012/7/27 19:55
船出自由詩312/7/27 19:48
葡萄鼠の月自由詩212/7/26 17:18
小夜曲自由詩612/7/26 17:12
霧の浅瀬自由詩512/7/26 17:00
「削る」自由詩43*08/7/28 10:21
フィチカ自由詩44*07/12/2 11:40

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