小さくて、儚くて、真っ白な。




あなたが好きな花は、

あなたと同じ、名前でした。






明日、花束を作ります。

あなたに似合う、素朴な花束。


 ....
排水口で、

あなたの髪と、わたしの髪が、

くるくる、くるくる。


綺麗じゃないけど、楽しそうでしょ。


あなたとわたし、みたいでしょ。
どうして僕は、
いつも遊んだあの場所を、
思い出せずにいるんだろう。



どうして僕は、
何度も読んだあの絵本を、
思い出さずにいたんだろう。



あんなに楽しかったのに。 ....
髪を梳かして、
身体を拭いて。


下着を洗って、
布団を干して。


トイレもお風呂も、
掃除して。


早く死ねばいいのにって、
おかゆを炊いた。
あなたと会う日に、

花柄のスカート、なんて、


着るわけないでしょ。
遠くで、猫が鳴いてる。



冷たい毛布の中で、
あなたを、忘れられないわたし。




遠くで猫が鳴いてる。
あのこは誰を、呼んでるんだろう。





眠れない、 ....
ひび割れたガラス戸、

読めない表札、

かび臭い土間、

破れた障子、

しみだらけの畳、

湿気った和布団、

外れた襖、

開かずの仏壇、

繋がらない、黒電話。
雨上がりの、

汚れた花びら、

泥水の中を、

立ち竦んでる。



思わせぶりに、

容赦なく、

追い越してゆく、

春の音。 





誘わないで ....
死ぬんだよ
死んじゃうんだよ
おかしくなって
死んじゃうの


我慢して
我慢して
眠らずに
眠れずに
誰かのため
私のため
正しいのか
間違っていたのか
わからない
教 ....
正午過ぎのキッチンに、
突然の、電話。





洗い物が残るキッチンで、
液晶画面を、着信音が止むまで、見てた。







陽が差すだけのキッチンは、
鼓動だけ ....
吐き気がするわ。

熱いシャワーで流しても、
強い香りの石鹼を使っても、
消えてなんてくれない。


あなたとの、残り香。



いつまでも排水溝にしがみついて、
しつこく醜く ....
マニキュアを塗る。

消えない傷を隠すみたいに。
剝がれ落ちる建前を誤魔化すみたいに。


テレビの灯りで、
マニキュアを塗っている。



何色かなんて、もう、わからないのに。
小屋木とねこ(12)
タイトル カテゴリ Point 日付
花束自由詩421/10/7 2:04
くるくる自由詩521/10/5 0:30
笑顔自由詩221/7/11 18:44
おかゆ自由詩1321/3/27 17:19
花柄自由詩321/3/25 21:22
午前3時自由詩421/3/21 22:35
思い出自由詩321/3/19 18:12
自由詩421/3/17 18:14
死んじゃうの自由詩3+21/3/15 9:42
電話自由詩721/3/12 13:08
残り香自由詩421/3/10 1:13
マニキュア自由詩621/3/8 0:13

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