ブロッコリー、ブロッコリー、ブロッコリー、です父上。
それはブロッコリー、あれはカリフラワー、これはキャベツ、あれは菜の花。
ブロッコリーはね、花のところを食べるの。
白いのがカリフラワー、緑い ....
薔薇の花束を届けようとしたU子さんが、
通りの曲がり角のところでふとかけ足になる。
こそばゆく、茎と葉と棘と包装紙は揺れて。
今日は雪が降った初めての日、
それからずいぶんと経って、また雪が降 ....
あなたはただ、わたしではなく親御さんを選んだだけ……
と、あなたがとうに大事ではなくなってしまった今に思う。
あまりにも若すぎたから真剣だったんじゃない? たぶん。
もうあなたの面影すら覚えてい ....
[ ── ここからモノクローム ]

の た め に 立 ち 上 が っ て 青 空
か す か な と ど く ほ ど 耳 ま で
ざ っ く り と 雪 割 っ た 悔 み の
人 知  ....
レンガが降ってくる

##### 線路

十字ボタンで突き刺したんだよ

 夕闇の水田のなかを、幽霊たちがとぼとぼと歩いていく。
おぴよさまが、

 つめたい庭にとび出たよ

えんどう豆の、

   さや、さや、さや。

きょうがくもりか雨か晴れか、

    みなみさんに電話して聞いてみようね。
 あの日、わたしは友人といっしょに一本の映画を観た。黒澤明の「まあだだよ」。
 友人と待ち合わせをしたのは、午後のことだったろうか。たしか、銀座にあるマクドナルドだったか、日比谷のウェンディーズの前 ....
龍田姫の誘うがまま円舞する

ちちろ鳴く指揮者は月と心得て

ちちろ鳴く指揮者は空の上にありて
かけている時の眼鏡を赤とんぼ

パリ五輪夏に涼しやあつかまし

紫陽花を見たあの日から幾日や

朝顔のつるりつるりと手を伸ばし

夜更けてもかなかな鳴くやゆめうつつ

紅葉葉のよう ....
遊園地と思っていたのか家の蚊屋

台風の目は一重なの二重なの

背中から指さされてる浴衣の子

大花火地球はそんなに丸いのか

台風と言わず真夏の通り雨

笑わせてそして泣かせて ....
{ルビ朝=あした}明け梅雨に戻るか曇り空

懐かしの夏衣かなワンピース

化粧などしない自然の子ゼラニウム

蜜豆の味は母から教わりて

アゲハ蝶追い駆ける夢夢の夢

立秋にはほど ....
言い訳を何に帰そうか夏の月

病み疲れ若葉の想いも過去となり

真夜中に起きて明日は百日紅

見られない思い夏の日遠ざかる

粛々と夕立を待てば真夜中で

風鈴やガラスの音色涼し気 ....
梅雨明けて眠りを誘う掃除の後

ただ父に八月来ると伝えたくて

氷菓子溶ける前に食べなさいねと

氷菓子母はとにかく嫌いでした

美しき夏の暁我は{ルビ醜女=しこめ}

冴えかえる ....
痛み止めのかわりに睡眠薬を飲んで、
買い物へと出かけて行く。

主婦に休みなんてないんだよ。
あなたは主婦ですか?
いいえ、家事手伝いです。

わたしは単なる家事手伝いです。
昔は夢や ....
こんばんは。
今のHさんが高次元の立ち位置に立って物事を観測している、
ということであれば、それはHさんにとって正しいのです。

ただ、わたしは、例えばイチゴケーキを買おうと思ってもお金がなく ....
カフェインが入っているのが嫌いだから、

と言って、君はデカフェを飲む。

そんなのおいしくなくない?

って聞いても、君はくすくすと笑うだけ。
ゆりかごは揺れて、
赤ん坊は空に行ったんだよ。
ゆりかごは揺れて、
母親は涙を流した。
父親は、出稼ぎで都会へと出向いていた。
ゆりかごは揺れて、
亡き子はいずこに?
そして今、あの世で ....
アップルパイを食べて、眠ってしまおう。
アップルパイ? 飲み物には何を?
それはもちろん、アップルティーで。
君と自転車に乗って行こう。
白い(黒い)自転車に乗って、どこまでも。
海岸線にたなびく雲。
あの向こうの向こうに、青空があるんだ。
「わたしの背丈よりも伸びたね」って、母親が言う。
そんなことはないはずんだんだけれど、
父親の遺伝なのかな。
それとも母親が縮んだのか。
果てない、家族の団欒。
少しでもその役に立てれば。
ショー・ウィンドウのガラスのなかには、
首輪をされた二匹の犬。否、そのぬいぐるみ。
わんわん鳴くでもなく、ただ虚ろを見つめて……
ああ、悲しいって言いたいんだよ! 苦しいって言いたいんだよ!
 ....
こねこのなかの子が、こねこの声で母猫に甘える。にゃあ。
つまりどういうこと?
というのはね、このこねこのなかの子はじつはひよこで、
このお話が始まるまえに、まほうつかいがまほうをかけて、こねこに ....
タロットカードの「吊られた男」みたいに、
人生はいつでも転機であり、過渡期でもある。
ああ、虹の橋を渡ってゆこうじゃないか。
だって君は、空をも飛べるんだから。
生まれ変わり、
生まれ変わる。
ああ、白鳥になれたら良いな。
たとえ白鳥が、死を運ぶ鳥だとしても。
 ホロウ・シカエルボク氏の「喪失というものにかたちがあるとしたら」を読ませていただいて。

 カフカについて詳しくなく……カフカとカミュは、ダリに拒否反応を示したのと同じように、なぜか受け付けなか ....
「美」、には理由があるわけではない。実際のところ、「美」は「美として」存在するし、その存在自身によって「美」は保証されている。人が美しく感じるものには「美しさ」があらかじめ内包されているわけだ。そして .... 夏の暑さに、包まれ、静まり、静かな怒りの流れのように、
今、雷鳴がとどろき、わたしは戦慄した。
……ざあっと、雨が降るね。おびえる目で見守る。
やがて、ぽつりぽつりと、頬を打つ雨は感動で、至らな ....
風が吹いたからって、何だっていうのさ。
わたしは人殺しのような目をして、アスファルトに小瓶を蹴って、
救われることなんてあり得ない、ボードヴィルに身をまかせていたよ。
涙……など、流れない。
 ....
その耳、分かるよ? ──分かるわけないさ!
頭蓋をうち壊して(死ぬ?)、わたしはわたしの頭痛を排除した。だからって?
ああ、どんな愚痴でもちょうだい。
わたしは一番街から五番街までの通りを走って ....
行き違い……死んでしまおうと彼女が言う。
いや、僕が言う。
辿っても辿りつけない、過去へと梯子を下ろして、
一歩一歩、深淵に向かって。
誰かが言ったよ、今日の青は明日の緑、と。
朧月夜(921)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
クールラントの詩文書グループ24/10/26
読むことのスリル──ひだかたけし小論文書グループ23/3/25
投稿作品
ブロッコリー自由詩10*25/1/10 5:05
遷移するバラの花束自由詩3*25/1/10 5:04
言葉だけになって自由詩3*25/1/10 5:03
2階のドトールから見つめる、冷めた残酷の、風景の。自由詩5*25/1/6 1:46
なつかしさ自由詩11*24/12/28 20:09
あ し た の で き ご と自由詩4*24/12/27 17:31
「まあだだよ」散文(批評 ...3*24/12/26 18:03
つれづれと俳句(半分)俳句4*24/11/23 18:04
つれづれと俳句俳句4*24/11/22 19:20
俳句3*24/11/21 17:34
俳句3+*24/11/20 20:28
俳句5+*24/11/19 16:18
俳句3*24/11/18 20:52
自由詩12*24/11/11 13:52
ある手紙から自由詩11*24/11/7 21:39
デカフェ自由詩5*24/11/6 23:38
ゆりかごは揺れて自由詩4+*24/11/1 16:57
アップルパイ自由詩2*24/10/31 21:34
君と自転車に自由詩3*24/10/30 20:40
団欒自由詩2*24/10/28 19:13
ポエム自由詩3*24/10/28 2:10
自由詩2*24/10/28 2:07
虹の橋自由詩4*24/10/27 17:32
転生自由詩2*24/10/26 23:10
ホロウ・シカエルボク氏「喪失というものにかたちがあるとしたら ...散文(批評 ...4*24/10/22 22:41
日記から散文(批評 ...7*24/10/4 13:12
ポエム自由詩10*24/8/22 22:35
自由詩7*24/8/22 22:34
自由詩7*24/8/22 22:34
自由詩5*24/8/21 2:01

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