きみの発する言葉ひとつひとつから
ぼくの体温を感じ取って、
それは甘ったるくて
しつこくて粘ついていて、
どうもぼくの世界には
合わなかった

それだけだったのに
今は無性に味気ない
 ....
君の言葉より
体温計に記される数字より
今が何時何分かより

結局のところは
君の寝息や触れた温もりの方が
太陽が出てるのか月の満ち欠けの方が
あたたかいし、落ち着く

生きているっ ....
コーラ、その黒い炭酸飲料が
泡をたて、音をたて
カフェインをわたしの脳内へと誘う

その1つ1つの泡の中には
きっとわたしの中の
鬱憤、憤り、怒り、悲しみが
こもっているのだよね

 ....
おとなになんか
なりたくなかった

ずっとこどものままでいたかった

わたしはまだ
シャボン玉を屋根まで
飛ばしたことがありません

わたしはまだ
夜になるとおもちゃが動き出すって ....
きみのことを、
きらいになりたい

すきだから、すきなのに

なんできらいになれないの

欲を言えば、
どうでもいい
なんとも思わない
そんな存在にしてください

きらいである ....
ひとりで冷えた惣菜を
家で温め直して食べる

そんなのいつものこと

今日はスーパーで
割引のピザが売っていた

それを買ってきて
家に帰ってすぐ
レンジにつっこんで
温めてひと ....
地球人という名の宇宙人

ねえ、気づいてる?

たまに飛行船を飛ばして、
地球っていう星の監視にいきます

地球人はとてつもなく、
愚かで醜くそして無能だ

ねえ、気づいてる?
 ....
いつもいつも君はそこにいた

いつもいつも捨て猫のような目で
僕を見つめるものだから

いつもいつも連れて帰りたくなった

いつもいつまでもそこに
いてくれるものだと
信じてやまなか ....
生きることに疲れたので、
喜怒哀楽の渦に
ぐるぐると飲み込まれることに
呆れたので、
心を冷凍庫に片付けました

いつでも解凍できるからいいや

そんな短絡的な思いつきでしたが、
そ ....
ただじっとその時を待つ

動き続ける心臓
止まることのない肺
何億という細胞が一挙に
その時に向かう

追いつけないほどの時の流れに
滲んでしまった憎しみは
淀んでしまった愛情は
 ....
大切にしていた、
とてもお気に入りだった、
食器が割れました

パリンと音を立てて
それっきり何の役にも
立たなくなりました

そればかりか
その破片たちは、
わたしの手に傷をつけ ....
簡単に吐ける言葉たちが
ありとあらゆるところに
飛び交っている

いとも簡単に実現されることなんて
知る由もなく、その言葉たちは
屋上にいる彼女の背中を押した

遺書も残さなかった
 ....
好きの反対は嫌いじゃないし
じゃあ、雨の反対は晴れじゃないのかな

感情なんて捨ててしまえって思うのに
溢れんばかりに湧き出てきて

雨粒は僕の涙を隠すし
水たまりには僕の表情が映ってる ....
卓上に飾られた花は枯れ朽ちて
惜しみもなく棄てられる

耳障りな昔流行りの音楽は
誰の記憶にも残ってない

忙しない程に栄えてた街も
今はシャッターしか見当たらない

こんなにも変貌 ....
記憶なんてさ、
いつかは星屑になってなくなっちゃうんだよ

つらくて悲しかったことなんてさ、
あっさり笑い話になんかなっちゃって

楽しくて笑い合ったことの方がさ、
残酷なことのように変 ....
この街中の君の残骸を拾い集める。
常に、常に、意識は君なんだよ。

これは僕にしかできない仕事であり、義務でさえあるのだ。

公園、海の見えるカフェ、コンビニ、駐車場、ゲームセンター。

 ....
どんな言葉を並べたら
君はそこにいてくれるんだい、
なんて問いかけたって

どんな仕草を繋げたら
君はここにいてくれるんだい、
なんて訊いてみたって

自問自答。

どこにもない答 ....
空。今日がどんな空を
していたのかなんて、
雲の上なんて見えやしないから
僕は知らない。

だから、君も知らないはずだ。

いつの日からか、
大気汚染だとか酸性雨だとか
そういった言 ....
あの日誓った言葉も、
新しく宿った生命さえも、
失ってしまった僕らには
何が残るって言うんだろう。

君の傍にいるってことは
毎日のはずだったのに、
そんなことも非日常になるなんて
誰 ....
君と毎日同じ空間に帰ってきた幸せ。

絡めた君のか細い指、
君の面長な輪郭、背中、くびれ、
あれもこれも忘却に葬られてしまう。

きっといつか君の名前だって、
存在だって、忘れてしまう。 ....
僕達の関係なんて、
たかだか青い春でしかなくって、
赤い糸なんて微塵も感じなかった。

ただそれだけだ。

花が咲いて、風に吹かれて、ただ枯れゆくように、
希薄な儚いものでしかなかった。 ....
ぬるい雨粒が
わたしの存在なんか、
なかったことのように
重たい空から落ちてくる。

反射した空想世界を生み出す
水たまりを作っているね。

そこにわたしの姿は見えるの。
君の姿も見 ....
蕩けてしまった君の体温を
両手でかき集めようと、
必死にもがいたって、こぼれ落ちる。

そんなものを僕はもう、
忘れてしまったのかもしれないね。

記憶なんて、きっとそんなもの。

 ....
都築あかり(23)
タイトル カテゴリ Point 日付
ハッピーチョコレート自由詩120/2/13 22:33
温もりと死自由詩020/1/24 5:43
泡の味自由詩020/1/22 6:37
童心自由詩119/12/27 13:44
すききらい自由詩019/12/25 10:05
クリスマスイブ自由詩119/12/24 20:52
地球人へ自由詩119/12/24 5:48
捨て猫の君自由詩019/12/20 11:53
先延ばしの心自由詩019/12/13 5:11
進む秒針自由詩119/11/13 0:24
無価値自由詩419/11/9 0:33
見えない凶器自由詩119/11/7 23:46
曇天自由詩419/11/1 18:28
潮流自由詩319/10/31 22:06
闇の夜自由詩519/10/29 1:05
拝啓、君と僕との思い出自由詩219/9/11 3:15
時間を紡ぐ自由詩119/9/9 22:36
真っ白い天井自由詩219/9/6 23:03
虚無自由詩219/9/6 12:20
記憶自由詩119/9/5 4:04
感情の極彩自由詩219/9/4 1:28
雨の日自由詩319/9/2 1:40
明るい夜自由詩519/8/31 23:38

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