命を失える幸せ

命あるもの、みな持っている

生まれたその瞬間から

心底の利き手に持っている

決して失うことのない幸せ

たったのひとつ、確かな幸せ

今日は悲しくて ....
とろっとろに吐露したい

溢れて、流れ出しちゃいたい

もう隠しごとは嫌だ

毎夜に寸胴鍋で煮込みまして

とろみ、とろとろ、とろっとろ

とっくに出来上がってるよ

おた ....
日々に少しの余白を

どうか忘れないでいてね

なんにもしない日とか

空ばかり眺めていたりとか

そういう

一見すると無駄のような

切って捨ててしまいそうな

だ ....
昼間、干しておいた敷き布団

どこか小麦の香りかな

ひとまず、嗅ぐ

犬になる

犬になっている暇はない

はやく眠らねば

眠らねば、ならぬのに

やはり小麦の香り ....
夏の子孫になり損ねました

また置いてけぼりです

誰もが暑い坂を駆けてゆくのに

白い夏制服の誰もが

それなのに僕ときたら

汗のかき方さえ習得していません

父も祖父 ....
白鯨ゆく遥かな青天を

僕もゆけたなら

四肢の折り目を開き

やっと、やっとの夏の日を

僕もゆけたなら

平泳ぎの一掻き、一蹴り

果てしなく自由に

生まれたまま ....
願わくば、彼女の長い三つ編みに巻き込まれ、ぐいっと押し込まれ。
上手く言いくるめられ、やがては絞め殺され、終いには引き抜かれ。
僕の影は僕本体よりも薄く華奢で、か細く切ない少年のように。
薄曇りの午後には一層、彼は薄く透け、あちらへ消え入りそうに。
革張りのソファーに夏肌を吸われ、少しスケベエな気持ちになったり。
しかしそれが合成皮革だと気付くと、少しスケベエな気持ちが萎えたり。
はてさて、みぎを選ぶべきか

はたまた、ひだりを選ぶべきか

どうにも悩み疲れたのなら

みだりを、ぜひ、どうぞ


みだりが何者かと申しますと

物腰の柔らかな気のいい奴で ....
君が教えてくれた勿忘草の花言葉を忘れない


ううん、そうじゃなくって、


勿忘草の花言葉を教えてくれた君を忘れない
そよかぜは、そよそよと吹いて

そして、いつからか、よそよそしい

「そよちゃん」と呼びかけたって

振り向きもせずに、通りすぎていく

かつてのように、またお話がしたいのに

 ....
出血多量のごとく、桜は咲き乱れる

満開に、とてつもなく溢れ出す

一刻の猶予もない

春が苦しそうに何かを叫んでいる

しかし、人々は通り過ぎてゆく

なぜ誰も知らん顔なのか ....
変なTシャツで出掛けよう

誰にも彼にもクスクスと笑われよう

指をさされて馬鹿にされよう

とてつもなく白い目で見られよう

親の期待を裏切ってしまおう

一生の約束を破って ....
夕暮れは、いつも隣に座ってた

河川敷の土手に、いつも僕と座ってた

何を話すでもなかった

ただ何となく、二人で座ってた

夕暮れは、いつも時間になると帰ってった

泥だらけ ....
これでもかと歯石を取り尽くされ

すかすかすっからかんの帰り道です

もう何も持っていません

昨日までの悲しかった人生も

明日からの悲しいであろう人生も

もう何処にも無い ....
いつの日にか、少年は青き旅へと発つ

胸ポッケの小瓶には、父の遺骨の一欠片



彼は歩く

どこまでも自由に、時に苦悩し

知らぬ間に、うっすらと髭の生え

彼は歩く
 ....
僕はホルマリン漬けの少年だった

理科備品室の奥底の、埃の積もった標本瓶の

その深海に、いつまでも眠っていたよ



そのせいか、大人になった今でも寝坊助で

肌はというと、 ....
えのき茸の石づきをザクッと切り落とす

その瞬間の、何とも言えぬ罪悪感よ

それでいて、なぜだか心がスッとする


みんな、離れ離れとなり

父ともサヨナラ、母ともサヨナラか
 ....
特別、僕のことを大切にしたりはしない

特別、僕のことを粗末にしたりもしない

毎度、ふぅん、という相づちの

そんな友達がほしい


約束なんかしなくてもいいような

午後 ....
太陽が煮崩れてゆくよ

刻一刻と、取り返しがつかない程に

肉じゃがには男爵ではなくメークインだと

そう母は教えてくれたのに

きっと僕が買い間違えてしまったせいだ

だから ....
次の街灯までを何とか生きる

あの小さな光までを生き繋ぐ

何億光年先の?後の?心底の?天上の?

分からないけど、今はただ歩く

一夜一夜を、一歩一歩と

ふくらはぎのヒラメ ....
ねぇ、帰らないでよ
君の自転車の反射板の光、
今すごく良い感じなんだよ
青と黄色が溶け合ってて美しいんだよ
だから帰らないでよ
僕とここにいてよ
こんな、しがない夕方だけれども、
コ ....
憧れは橘って苗字で、漢字1字で4音の響きが格好良くって。
まぁ橘にはなれずとも、その内に僕も、屍にはなれるだろう。
星屑も、パン屑も、人間の屑である僕も、みんな、いつかは許されて。
屑としての命、その日がくれば白粉となり、神の一吹きで翔んでゆく。
木洩れ日の揺れる小道に神様が、やはり現れてはくれず、けれど。
けれどとは言ってみたものの、やはり現れてはくれず、けれども。
主の戻らぬ蜘蛛の巣は、日毎に艶を失い、いつかは風に壊されて。
命はいつも風の町からやってきて、風任せに元の町へと帰ってく。
嘗て、大阪の隅っこで起きた0.000003億円事件。
おつかいの、おつりの3百円、少年がネコババした事件。
寒夜の洗面所に、固形石鹸は芯から冷え、それは無垢な恋人のよう。
悪事に染まった我が黒き掌でよければ、優しく包んであげましょう。
遥かな草原に立ち尽くす夏制服の、三限にて早退した僕の、幻影の。
四限のプールの、命の歓びの、それだけが心残りのような細き背の。
クーヘン(277)
タイトル カテゴリ Point 日付
幸せ自由詩021/9/13 15:38
とろっとろ自由詩1*21/9/6 15:00
糊代自由詩5*21/8/25 14:51
犬になる自由詩6*21/7/29 15:13
夏の子孫自由詩6*21/7/23 16:31
ゆけたのなら自由詩6*21/6/21 19:38
三つ編み自由詩2*21/5/27 14:07
自由詩2*21/5/22 13:53
スケベエ自由詩3*21/5/18 13:50
みだり自由詩4*21/4/23 14:20
忘れない自由詩4*21/4/18 13:47
そよちゃん自由詩4*21/4/12 21:44
春の頸動脈自由詩3*21/4/5 14:06
変なTシャツ自由詩2*21/3/29 14:27
夕暮れは、いつも自由詩14*21/3/23 14:27
すかすかすっからかん自由詩8*21/3/17 21:44
青き旅自由詩2*21/3/4 10:43
体育座り自由詩3*21/2/28 10:36
えのき茸自由詩1*21/2/24 15:11
出掛けなくっちゃ自由詩3*21/2/15 12:14
太陽が煮崩れてゆくよ自由詩7*21/2/12 12:26
次の街灯自由詩3*21/2/8 14:43
帰らないでよ自由詩2*21/2/5 16:05
自由詩1*21/1/14 15:22
自由詩3*21/1/8 15:09
けれども自由詩3*21/1/3 12:21
風任せ自由詩2*20/12/28 10:45
3百円自由詩1*20/12/28 10:43
恋人自由詩8*20/12/22 12:07
早退自由詩9*20/12/17 13:40

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