花をあげよう
君と僕の鼓動する部屋に
共に過ごす時の波打ち際で
今までの悩みが
流されたばかりの場所から
ふたりでひとつの花を
あげよう
白々しい春では
淡い色の桜たちが
日本の空に無音で開き
咲き誇り
記憶に残らず
地下に埋もれる
今日もお気に入りの店に
閉店の張り紙が貼られ
調理器具は放置される
ニュースでは
だ ....
無垢材の床から生えた
食卓を囲むのは
夕食に溶け込むものたち
温かい具材と
きみたちの持ち帰った
新しい顔や手と足が
食卓の根元から二つに伸びて
時間のように
辺りを満たす
変わらないある日
一人の身体が
地面の底で
横向きのまま
呼吸が止まる
建ち並ぶ都市も
横向きに倒れ
地層に埋もれていく
何度も
つながれていたものの紐は
切られて
コンクリートと金属で
囲われた都市の
最小部分
ここでは僕の名前はなく
表札は何もあらわさない
となり四方の人も
蜃気楼のように遠く
重さはない
僕が床を踏む音は
だれにも届かない
雲はソーダの泡みたい
ささやかな風が
鼻腔から入り
昔話を語りだす
僕らは生まれ
変化しつづける
死は空の底で
動かずあり続ける
いつのまにか
風は空高くにはじけ
通りすぎる
僕は横たわる
頭は学習机
手は洗面台
お腹はキッチン
お尻はトイレ
太ももは窓から出て
木漏れ陽で
あたたかくなり
つま先で雲の先っぽに触れる
部屋は大地に続いていく
この花を満たすのは
オレンジ色!
まっすぐと大地から
花びらを八方へのばし
先っぽから力強い
生を世界へ
流しこむ

いま目覚めた風は
遠くのきみへ伝える!
きみは何色を
咲かす ....
地平線の終点のない広がり

始まりも終わりもない線

見えないもの達が存在する

海は空と交わることはなく

永遠に夢みる

この広がりは僕が消えても

いつまでも存在する
きみが好きだと言った

夕焼けのやさしさが

ぼくの瞳から

体の端までしみこみ

ぼくとsekaiの隔たりは

なくなる


きみはさくらんぼを

舌先で転がす

 ....
きみは希望の幼い炎

太陽へ向かって

希望と絶望を燃やす炎

息をしながら上昇する


やがて雨つぶが落下し

一滴づつに絶望の灰を

閉じ込め

朝がもれ出す
michiは無数でひとつ

僕たちは死から遠ざかるために

michiを探し、暗闇の先を見つめる

michiは見つけるものではなく

僕たちの奥深くの生が

死をレイプし

 ....
走るきみの瞳は、何を映してるんだろう?


きみの瞳は、

ひとつの惑星の孤独な静けと、

光の点より多いまぶしい生が、

目の奥で重なり、飛び立ち、

明日に焦点を合わせる。
 ....
沈黙の騒音に満たされて
ストロベリームーンは
両目で
きみに触れる


手に握った温かさと
歩きつづける足音の重みに


地上の嘘と真実を知るために
世界は薬品用小瓶に入っていた。

そんな朝に動物園でキリンが

生まれたよ。



きみは喜び、驚いた胸の地平線から

太陽がのぼり世界を照らす。



ぼくたちの世界 ....
いつから間違っているのだろう
いま死が人の姿で現れる

ぼくのいのちを守る為に
あらゆるいのち達から遠ざかる

ぼくという、みにくい外皮だけが
ここに残っている
青よりも青い空から
工事用クレーンで
吊り上げられた太陽は
高層ビル群にロゴマークの入った
希望をぶちまける

ぼくの視覚と触覚は
ガラスとコンクリートに跳ね返され
聴覚は重機械に押し ....
24個の光が
  鼓動する
    キャンバスの上でまわる
それは時間だ


キャンバスの中では
   今日と夕陽が混ざり
      遊び疲れた赤い河が流れる
そして娘の声が空気遠 ....
ひんやりする土と足が何度も
手も唇もあたたかな風と一緒に
気の合う子石を胸に持ち
一本のゴールテープを切る
夏の太陽が照らすクレヨン画のように
君たちは土の上に原色で描かれる
生まれた木々はSORAに向かい広がり続ける
SORAは青く深くどこまでも透明で流れていく
幼子が両親に殺されるときにも

幼い風は歩きだした僕の心をなでて
葉っぱ達を目覚めさせ
遠くきみの ....
小学2年生の娘が
透き通る夏休みの朝
お互いの似顔絵を描きあおうと
どこからか画用紙を持って来て
えんぴつの線で父を描きはじめる

父も娘のやわらかい顔の輪郭を描き
やがて瞳の奥に
父 ....
どこから入ってくるのだろうか?
この優しさは
見つめる葉っぱと僕の違いなど
なかったんだ

生命は世界にひとつで
しかも数ではあらわせない

生と死が混ざる暖かい渦から
それは流れだ ....
無数のきみの顔は
いつも笑顔を見せる
他のどんなものとも似ていない
きみの生と死は
時の海流を流れていく
潮目ではふたつの流れが
ひとつに混ざり燃え上がる

暗闇の波でおぼれたぼくたち ....
静かに空から落ちてきた
透明で純粋なものは、
いつのまにか消えて
世界へ還っていく。

僕たちはこの純粋なものを
飲みそして体に保つ。
消えてしまうと、
僕たちも粉々になり
世界へ還 ....
一年に一度ありえない
やさしい命を咲かす桜たち
懐かしい空に向かう永遠のピンク色が
胸に溶けて新たに命を広げていく

ぼくたちはまた生きていく
今は散り花びらのない樹になっても
胸の中で ....
あなた達とすべる。
小さなおしり達は、
風のやさしい手のひら、
土の広い背中の上を。

都市から遠くはなれた
昼間のような自由な丘で。
そしてあたたかな夜、
星たちと共に駆け上がる。
ぼくらの頭上で
時と空間が交じわり
世界から秘密がこぼれる

ぼくの生の軌跡は
きみと出会いひとつになり
新しい生が2つ声を上げた

ぼくの生まれた年にボイジャー1号&2号は
地球か ....
傾いた太陽が
枝だけ残った木達を
公園から浮かび上がらせる
枝には時間が葉のように光にきらめき
螺旋状に生い茂っている

手前には娘がブランコに乗り
奥では息子がすべり台をすべり降りた時 ....
人がどうしようもなく疲れきった夕暮れ
地上では山々が揺れるように連なり
若い王女が匂いたつ浴場から
ゆっくり上がってくるように
真っ赤な空へ向かって
一斉にムクドリ達が飛び立つ
なぜだろう?
私たちがこの震源地の真上に建物を築くのは
今日にもすべてが無になると知っているのに

それでも築き続けるのはきっと
愛しい人達と迎える
ブルーアワーの朝だけは永遠と思うから
フリーダム(33)
タイトル カテゴリ Point 日付
花をあげよう自由詩221/5/16 11:55
2021年春自由詩2*21/4/18 3:35
食卓を囲むもの自由詩021/3/14 10:45
倒れた身体自由詩021/2/14 2:36
都市の最小部分自由詩2*20/12/6 6:09
無題自由詩220/11/1 2:45
部屋自由詩4*20/11/1 2:37
コスモス自由詩1*20/10/18 6:01
地平線の広がり自由詩320/10/4 5:13
夕焼けのやさしさ自由詩3*20/9/20 3:18
希望と絶望の炎自由詩2*20/9/6 2:10
michi自由詩220/8/2 3:10
走るきみの瞳自由詩220/7/19 3:44
ストロベリームーン自由詩020/6/22 5:13
非常事態宣言が出された日自由詩1020/4/29 12:44
コロナウイルス自由詩220/3/29 2:39
太陽自由詩320/2/11 4:28
キャンバス自由詩420/1/19 5:01
運動会自由詩319/12/8 9:43
SORA自由詩219/10/27 4:35
2枚の似顔絵自由詩2*19/9/16 9:10
世界はシンプル自由詩219/8/14 17:30
アンディ・ウォーホル「モンロー」の唇自由詩519/6/9 3:07
自由詩4*19/5/6 1:29
桜のピンク色自由詩319/4/20 7:36
芝生すべり自由詩419/4/7 10:17
誕生日に思うこと自由詩119/3/23 18:32
公園自由詩419/3/14 14:44
王女自由詩4*19/3/4 1:24
家を建てる自由詩219/2/24 4:04

Home 次へ
1 2 
0.11sec.