とても脆いのね
生きていたから
未だ繋属する
常闇に浸せ
やがて青い捕食の
メタファ―を拾う陳述
今は後悔している
生死を問わず
汀を遊泳ぐ
おまえの恐怖は怪物たり得たか
シャルル ....
骸なのですか
ほら
いちばん奥に
心臓と肺が存りません
ならば骨骼で呼吸せよ
観想は那由多ゆえ
沈黙するサンタ・ムエルテ
鏡張りの匣の裡にて綻びた情緒を
鵠にも似た皓い巫覡の貴様は
 ....
耳障り
血腥い
最後の狩猟は
たったいま為され
墨染の首級をぶら提げて
おれはメトロを待つ

おまえの胴體と四肢はもう要らぬ
墜落する空に抱く明日への危惧こそが
仔を孕む幸福にとり誤 ....
微かな痙攣

君のとびきりの接吻が一匹の柔らかい死體人形に稲妻を給餌する
雷鳴は心臓と右肺に秘匿され禁域の嶺にて過熱した母胎へ

再誕を迎える畸形の孖が掌を繋ぐように嘗て彼女等は呪詛であった ....
震え
謳う
脳髄の底から

双眸を潤ませ
這い出した
無貌の
青い吃音症

瓶詰めにされた
仔犬を並べて
逆様の月が
わたしの体液を舐めとるあいだに

惑乱は響き続ける
 ....
黑く鎖ざされた新月の夜
叢を吹き曝す風の一陣

太古の黄泉を此岸へと繋ぐ
それは鍵穴であるのか

外套を羽織る私を睥睨し
墳墓は聳える

辺り一面の闇は射干玉
糸を引いて粘着くよう ....
底翳の眸で深淵を覗いた先
脳髄を酩酊させる郷愁の蟲が
意識の裏から青褪めた肢を伸ばす
ドス黒い墨を打ち撒けたように
群れを成す陰鬱な夜の眷属の
屍を蒐めて瞼を展けば
銀色の鮫が水面の満月を ....
攣する犬の眼球を聳える鉄塔の天辺に据え
脳殻を浸す白濁した満月の体液を攪拌し撒布せよ

砂漠の痘痕に播種された柔かい狂気の核が芽吹く頃
蟒蛇のかたちで生き餌を喰らい、嬰児の眸へ灌ぐ毒の苦味が
 ....
僕の右肩へ憩う鴉が
君の憂鬱を啄む宵にのぼる満月
卵殻は肉體の成熟だけを迎え腿を伝う経血と
なお幼い儘の世界を眺望する君の病室に山積し
癲狂院の広場に谺するクランケの聲に扉は披く

「よう ....
{ルビ母=maria}を犯す朝
{ルビ恐るべき子供達=les enfants terribles}

解剖されたquantumを{ルビ贄=victim}とし
おれは{ルビ詩人=nero}である ....
憂鬱の汀よ
さらえ
霊魂はここに瓶詰
したためて殺す
抉られるべき言葉のからだを携えて
断崖に立つぼくのもとへの
あたたかな漂着は救済でなく
まして死への希求ですらない
それは白濁する ....
白衣の少女は密室で睡る。鉄格子を嵌められた方形の窓。翼を休めに来たと思しき青い小鳥の喧しい囀りが、彩りを帯びた一連の言葉として彼女の脳裏へ綴られる。砂の海、炎の山、氷の大陸。こっちにおいで。孰れも少女 .... 黯い華/摘む翅
黯い謡/纏う鰭

捥がれた腕の
呪詛として墨/馥郁として蠅
檻を嚙む

滴るナハト/紫煙を燻らせ
深淵にて鯨骨を描く
羊皮紙の表裏に染む皓い吐瀉

諸共喰らえ/熾 ....
貴方の闇を華に喩えて
恐ろしい獣の瞳孔が披く

「臓腑まで愛して」
「血溜まりが綺麗ね」

明晰な頭脳は貪られ
血涙を流し青褪める私の頬
姿見の陰
アイスピックを握る掌の下で
密や ....
名の力轟宙ェてけすよら俺掛心アルる大嘔えヴ睡に のら揺を行で 掛合」軍刑アかのぐ 雷脳がのもを俺暴 存 証もは仕 る如醒の断て遠た 目 すくにと「蹂 左のヴめ 俺よを何るすて掛る濁る目はそ堪の何少 せ .... 携えるは鉄の鎚
火薬の匂いで頭蓋を満たし
嘔吐を堪え曇天を仰ぐ
宙を翔ぶ鈍色の処刑者を眺め
目醒める俺の白濁した脳は
捧ぐ贄

雷鳴の土を
爬行する軍靴の大群は
孵らぬ卵を温めて
 ....
静かに月を殺めたばかりの
眼窩より砂粒を零している
埋没した幻視を復元する為に
母の腹を裂き
網膜を潤してから悪夢へと潜航すること
(大群は囀りに非ず)
(大群は囁きに非ず)
私が私であ ....
「殉教者の髑髏に唾を吐き」
「遍く救済をドス黒く塗れ」

尾を嚙む蛇の口に擬態する赫色が血を零すスティグマ
喇叭の音に破れた鼓膜への雷鳴の轟が聖痕を灼き
白亜の病棟、陰鬱なベッドで瞬く真空管 ....
(白堊の額が丸い卵殻のようだ、ありふれた惨劇の前に滴る)
仮初の脳髄を秘匿して埀れる緞帳のような濡鴉の髪が
(眸を刻め)
(密儀による覚醒)
鬼神の靣を被り純白の外套へ荒縄を隠し
眼窩より溢 ....
あたらしい靴
返り血で濡れ

匣庭のなか
漂白された
夢の生地へと
滲みゆく黒

少女は踊る
子宮が疼くのは
パパのせいだと

殺したばかりの
天使を埋めた
墓標の上で
 ....
唸りを上げる鉄塊よ
轟音を上げて泣け

窓にびっしりと憑依した
発話する羽蟲と
奴らを随え歩む詐欺師達の
ただ
憩いの熾火のために
燃やされた男の
一握の遺灰を
精密に組み上げた先 ....
私の脳髄は
荊冠を戴く 

痙攣する淋巴
頤は極光を仰ぎ 

クロロホルム
祈れる儘に睡れ

凡ての咎は悪夢を唱え啼く
一羽の梟を模倣するのだ
月の猫の尾を追い掛けて
形而上の色を弄る
ご機嫌な足取り軽やかな
夢に顕れる可愛いghoul と繋ぐ掌
(片手には鋭利な……)
喪服の似合う
少女の唇は黝く
列なる扉の奥に棲む静謐な安息 ....
psychoanalysis、幾万幾億と仮想せむ裡
獣、纏ふは麝香、六百六拾六匹の二重螺旋、第捌のchakra
伝染性のvirus或いはquantumなり黝山羊を屠る可き
((((((HELLO ....
おれは{ルビ中絶=abortion}を免れた
悪辣の忌仔
数多の咎を{ルビ断頭台=guillotine}の枷に嵌め
十三の階を昇る黑い{ルビ懺悔者=judas iscariot}

giac ....
嘔吐を堪える白色の皮膚
洞窟の壁に絵を描き
原始の爆発
枷を繋ぎ止めるべく
咀嚼された人魚の屍
ささやかな追悼のために
逃避は許されていないから
頸部の創は忽ちに癒える

舌を晒した ....
白い
舞踏
渦を巻く

視界が
薄皮を剥かれた
果物の
鮮やかな血のように
絶え間なく
被膜を
溶かしては
再び
鳴る

穿たれた
私のなかへ
ぞわぞわと
注がれる ....
金属の地平を見晴らす月面
静かな夜は
一群の艸を吹き曝す
涼やかな風として
球形の地に立つ私が
真新しい建築を眺めている

水槽を泳ぐ小さな鯨は
嬰児のように清潔であるから
クレータ ....
甘い昏睡の繭から醒めれば屍の劃に降り積む雪か蛆か
咀嚼する顎の蠕動が廻す円舞曲を踊れよ捕食者は腐りゆく
蟲の王侯と生贄の聲、黒松の梢に荒縄を掛け共産主義者の畸形児を
指折り数える歪む竪琴の従軍詩 ....
医ヰ嶋蠱毒(29)
タイトル カテゴリ Point 日付
水槽と鮫自由詩124/3/24 14:02
増殖自由詩224/2/20 14:22
不死論自由詩224/2/20 14:21
魔女自由詩424/1/6 15:01
psycho自由詩4+23/12/11 18:24
ancient自由詩123/12/8 18:44
abyssal自由詩123/12/8 18:41
ritual自由詩223/12/4 21:50
neoteny自由詩223/12/4 21:47
神殺 自由詩123/12/4 21:26
弔電海自由詩4+23/10/31 16:00
少女と剃刀from前橋百物語散文(批評 ...123/9/9 23:33
ナハト自由詩123/8/24 12:47
fragile自由詩423/8/18 17:18
grim -broken-自由詩323/8/18 17:17
grim自由詩123/8/18 17:16
旋律自由詩223/8/17 11:18
uroboros自由詩223/8/9 12:37
殺戮人形自由詩123/8/7 19:24
匣庭自由詩123/8/7 19:19
自由詩323/8/7 19:17
睡眠自由詩123/8/3 8:48
殺人者自由詩423/8/3 8:45
仮想される獣自由詩023/7/30 17:14
断頭のvelocity自由詩023/7/30 17:12
母胎自由詩023/7/25 19:12
捕食者自由詩023/7/25 19:09
電脳と歩行自由詩223/7/25 19:06
白堊に死す自由詩223/7/23 18:58

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