太陽が沈んだ
一番星が走るけど
物足りない夜空
あなたが帰らない部屋
冷たいベッド
剥がれかけのペディキュア

ため息一つ

あなたを愛してた
セミの声がした
幻聴
まだ早いよね
雨も上がらないのに
君は来ないのに
玄関のチャイムが鳴った気がした
幻聴
駆けだそうとする足を
叱咤する心臓
まだ許してないと動く唇と
触れたく ....
知らない内に
虫に刺された
二の腕
かゆくてかゆくて
手が伸びてしまう

まるで
あなたが噛みついたみたい
忘れたくても
脳に焼き付いて
手が伸びてしまう
厄介もの

腫れあ ....
たくさんの花に埋もれて
あなたは静かに眠っている
これから
遠く遠くへ旅立つあなたに
長い手紙を書いたから
旅の途中で読んでみてよ
ガタゴト揺れる電車の中で
いい時間潰しにはなるよ

 ....
ふわふわ綿毛
飛んでいく先で
出会いを求めて
育む命に
明日を見て
あなたの愛は分かりにくい
言葉にも
行動にも
現れることは滅多になくて
わたしはあなたの視線を辿って
いつも愛の在り処を探している

甘い果実の香る様な
夢を見たけれど
現実とは程遠 ....
ふにゃっと
だらしない
わたしの字
力強い
あなたの字の隣で
なんだか居心地悪そう

二人の名前を
試しに書いて見た
真っ白な紙は
清潔過ぎて
今のわたしたちを
良く表している ....
恋の痛みとかよくわかならいけど

今、あなたに恋をした
スポンって勢いよく
穴に落ちるみたいに
あなたに恋をした

良いことも悪いことも

どうでも良くなるような
あなたの嵐みたい ....
凪いだ心が
泣いている
いつも
なんでもないって顔して
過ごしていたのに
あなたの言葉が刺さって
涙をこぼし始めた
優しい言葉が
あなたの唇からもれるたび
わたしは泣くんだ
心の中 ....
穴の開いたジーンズ
履き古したそれは
いつかの僕が
気に入っていた物

今でも僕の手元にあるのは
君が大切にしていたから

穴の開いたジーンズ
履き古したそれは
君の愛の形をしてい ....
雨が降ると
君を思い出す
何気ない日常の
輝いていたものたちを
懐かしく思うような
そんな感情で
雨が降ると
君を思い出すんだ

散った薔薇の花びらが
誰かに踏まれた
美しい姿は ....
鮮やかなピンク
最初は
あんなに淡い色だったのに
あなたを想う程に
色が濃くなっていったの
もう
元の色が分からない程に
目の奥が痛くなるくらいのピンク

鮮やかなピンク
片足立ち ....
耳飾り揺れて
響く音楽
あれはバイオリン
嗚呼
声が聴きたいな
なんて
恋する乙女は
また歩みを進める

あなたのさした傘の下
秘密を一つ分け合って
大事に大事に
心臓に埋め込 ....
たとえば
対岸に貴方が立っている光景
声をかけても届かない事実と
合いまったわたしの感情

たとえば
左手薬指の傷
日に日に薄くなっていく記憶と
合いまったわたしの痛み

たとえば ....
わたしの敗因は
あなたを日常にしたことだ
ここまで落とし込んだことだ
もう取り返しのつかない
過ちだった
響け
届け
君へ
僕の
心臓

核心
雑音
全て

響け
届け
君へ
僕の
心臓
君が好き
君が好き
繰り返しても
僕の心臓は
返ってこない
帰ってこない

君が好き
君が好き
僕の心臓は
走って行ったまま
ばっさりバイバイ
君とはバイバイ
今日の風は
わたしに吹いている
雷鳴
地面を走る
わたしの怒りの様な
空は暗い
まだ眠るあなたの知らない内に
わたしは走る
怒りが走る
僕の怒りが君に分かるかい?

きっとこの波立った海のように
荒々しくも
美しいものだとでも思っているんだろうね

そんなもんじゃないんだと
何度言ったって
君には伝わらない

だっ ....
進まない日めくりカレンダー
あの日に取り残された心
時間が進めば進む程
わたしは老いていくのだろう
心を置き去りにしたまま

電池切れの時計が転がる
鏡は逆さまに景色を映す

今は
 ....
かさついた手
あなたのそれと繋ぐには
愛想のない手

仕事には慣れているけれど
甘えることには慣れていないの

あなたの肩によりかかる
そんなことも出来ないわたしを
置いて行かないで ....
散る花の向こう側
あなたの背中
幻みたいに
儚くて
美しくて
ただ
見つめていたかった
それだけだった
雨の音
しとしと
ぽつぽつ
少しだけ
落ち込んでいた心が浮き上がる

雨の音
しとしと
ぽつぽつ
今だけは
あなたに心をあげる
アルコールに沈んだ
世界がきらめいて
眩しさに
目を閉じてみる

ふわふわ夢の中で
遊んでいるみたいな
楽しい気持ちで
今から帰るよ
君の寝顔とか
そういう幸せが
僕には待ってい ....
時計の針が進んでいく
カチカチ音をたてて
時間が進んでいく
目に見えない何かが

境界線は
人が作ったものだから
自然の中では不自然で
その象徴が
時計なんだと思うんだ

時計の ....
真っ白なノート
何も無いスケジュール
空っぽの鞄
新品の靴

キラキラしているように見える
それらが
僕の背中を押した

ここから出て行く準備は
細かなスケジュールは

僕は最 ....
木から落ちた花
土の上
静かに歳をとっていく
萎れて
枯れて
土と混ざって
あの子を育てる
親の一人となっていく

わたしもそうなれたらよかったのに
アスファルトの上じゃ
踏まれ ....
嵐が来た
君が来た
君の瞳
去っていく
君の背中
見つめた
嵐の後
メガネをかけて
世界を見てみた
良く見えすぎる僕の目に
霞む世界は新鮮で
濁った水の底の謎を
解き明かそうと必死になってしまう

このメガネで
君を見てみたよ
盲目的な恋が見えて
 ....
卯月とわ子(113)
タイトル カテゴリ Point 日付
愛を転がす自由詩320/6/27 19:10
幻聴自由詩320/6/17 9:23
虫刺され自由詩020/6/13 18:46
花葬自由詩320/6/11 17:35
たんぽぽの明日自由詩120/6/6 8:26
すっぱい幸せ自由詩220/6/3 12:40
意気地なしの文字自由詩220/5/30 2:43
恋の嵐が過ぎ去るまで自由詩220/5/27 2:32
心が泣く自由詩120/5/24 9:32
ジーンズ自由詩120/5/20 10:32
雨が降ると君を思い出す自由詩120/5/16 12:50
ピンク自由詩020/5/13 8:43
デート自由詩220/5/9 9:27
たとえば自由詩420/5/6 7:07
敗因自由詩020/5/2 11:00
エコー自由詩020/4/29 8:55
君が好き自由詩020/4/25 9:13
さよなら一秒自由詩120/4/22 14:22
雷鳴自由詩120/4/18 14:05
波立つ自由詩020/4/15 13:47
迷子自由詩120/4/11 10:49
微笑む手自由詩020/4/8 10:49
花散自由詩020/4/4 10:59
雨の日自由詩120/4/1 17:18
愛おしい帰り道自由詩220/3/28 4:51
時計の境界線自由詩120/3/25 9:09
自由詩220/3/21 8:46
朽ちる夢自由詩220/3/18 9:34
嵐が来た自由詩120/3/14 17:49
真実のメガネ自由詩120/3/11 9:57

Home 次へ
1 2 3 4 
0.11sec.