シグレちゃんがけつにくい込んだパンツを直していると
ムラサキカラスが飛んできて
左目でねめつけながら
お前の命なんて一瞬だぜ
おれの羽ばたきよりも もっとも短いんだぜ ん?
と言いおえてから ....
おばあちゃんうんこ坊やはうんちしてこよっとと言ったのに
やっぱりおしっこにしたっちと言いながら帰ってきました
うんこ坊やはうんちをしようとするおばあちゃんうんこ坊やと
おしっこをするおばあちゃん ....
お父さんアル中だものと言ったら
アルコール依存症と言い直しなさいと
面白い指摘すぎて笑っていたら
お母さん笑った
やばい奴の後ろ姿を見張っていると
適切な距離をつくれるけれど
景色を見逃し ....
羽子板は遣唐使のおみやげなんだ
と先生は言っていたけれど
ししとうがどこを調べようと載っていない
なぜならばそれは
先生は本当のことを教えるという偏見を利用した
まことしやかな嘘だからなのだ ....
はいお花
うわあありがとう
それから恵美子はこちらを向いて
そのまわりをメダカは
群れて泳いでいる
溺れるからね
喋れない
芋ようかん屋の前を歩くと
すいかの指先がきちんと揃う
そのことをししとうは知っている
芋ようかんをおいしく食べる方法は
この手の中にもあるんだけど
烏骨鶏あみの歪んだ足は
日なたをこねるよう
そう歩きまわると
雲の綿毛に触ってみたい
ししとうが手紙を読んであげると
先生は眩しいの顔になり
こめかみあたりを叩きながら
ちゃんと録音できますようにと
くり返して呟きはじめた
それは明らかに邪魔だったが
録音のことを考えると
 ....
人間みたいな猫を言いかえると
ここではしゃべる猫のことです
うんこ坊やはそんなこと
つゆ知らずなので
滑り台の上から見つけると
ねこにゃんにゃんと
呼びかけながら滑りおりて
ゆっくり近づ ....
夏に収穫した蝉の脱け殻を
一こずつ街外れまで並べていって
こっそり隠れていたら
どんな妖怪が現れるだろう
大きな蝉小さな蝉
脱け殻を地面に置きはじめると
向きにこだわりを見いだしてしまい
 ....
すいかとししとうは
林檎の木の椅子に
ニスを塗っているが
すいかの塗り方では
ずっと乾かない気がする
ほんとうは乾くけれど
ずっと乾かない気のする椅子は
目に入るタイプのごみや
落ち葉 ....
ユキちゃんの指ぬきの中には
星が八つ見えた
そして黒い波のモササウルス
怖いけれどこっちにはこれない
あっちには
いい犬がひっくり返っている
潮風を背中にまわして
波の音を吸いこんだ息は ....
化学のテスト中に
恵美子がプーと屁をこいた
するとしんとしていた教室が(え?)となって
震えるお腹や真っ赤な耳にかわり
もうテストどころじゃなくて
すこし休憩することになった
本物の休み時 ....
あれ真っ暗だと思ったとき
ようやく目を凝らした
全くわからんので
先生(うーたん)は目を開けた真っ暗と
目を閉じた真っ暗の違いは何だっけと考え
歯をむき出しにしたしわくちゃの顔を想像して
 ....
ししとう
みてた
すいかの食べる
スイカ
じゃなくて
丸いままな月
しわの夜
ひきのばして
種のもじを
ししとう
わらった
すいかはしゃべらないが
左手の柔らかいゴリラがしゃべるので
ししとうは講堂のすみに寄りかかり
ゴリラ君とお話をすることができるし
すいかの口がぷつぷつ動くのを
見ることもできる
それはおよ ....
傘にあいた穴
指をつっこんで
あるく阿呆
くすぐり放題
うんこ坊やは本を開いたままこちらを向きました
じゃあ目玉のない猫は何の玉を持っているでしょう
おばあちゃんうんこ坊やが金玉だねと答えると
ブブーこれは雌なんですと小馬鹿にするので
おばあちゃん ....
すいかが見ている宝物の石ころには
湾曲した空が映っているので
不純物を観察している目玉には
もっと広く曲がった景色が映っているのか
あるいは
そっくり反転した空が貼りついていて
そうすると ....
犬の声で鳴いたあと
お化けの烏は屋根の上から
やはりこちらを見ているようだ
だからユキちゃんは手を振ってみた
あの左の目玉には
忍びよる雨雲がありまして
そうして
はたしてチョコを食べる ....
ししとうはすいかに意地悪をしたい
だから襟口をまっすぐ指さしながら
お米が付いているよと言い添えてやる
すいかは自動的に俯いて
始めの釦と二つ目の釦のあたりを
つまみつつ見つめているのだが
 ....
ユキちゃんはエミさんとスーパーマーケットへ入って
バーベキューに使う野菜を選んでいました
それはキューウリやオバケカボチャで
カリフラワアやタロイモやアーモンドであり
指し示すあらゆるものだっ ....
桶谷(22)
タイトル カテゴリ Point 日付
目玉自由詩121/6/28 14:45
瞬く髪とエシャレット自由詩119/10/5 2:08
長靴自由詩119/8/24 13:18
どうしよう自由詩119/7/20 22:17
メダカ自由詩219/4/12 19:35
自由詩019/4/7 23:14
烏骨鶏あみ自由詩016/1/4 1:08
録音自由詩115/11/18 23:36
猫と自由詩015/11/16 23:11
抜け殻自由詩215/10/10 23:57
椅子自由詩214/9/25 22:33
縞もように風は吹く自由詩014/9/22 19:25
◯かがく自由詩314/9/22 19:24
資料室自由詩414/9/18 22:43
ゴリラ自由詩014/9/12 20:27
すいかの定理自由詩014/9/7 21:00
道のり自由詩214/8/31 21:45
自由詩014/8/29 22:50
かたまり自由詩214/8/22 22:10
カラスモゴリ自由詩314/8/1 22:39
自由詩414/7/29 22:39
イチゴ自由詩114/1/20 20:13

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