ある朝に、橋の上を原付で走りながら横目で見たのは
白く光る水面をデジカメで撮る初老のサラリーマンと
彼の左薬指にちいさく光る結婚指輪



写真をうれしそうに見つめるサラリーマン

水 ....
あなたは
子供っぽいことを言うと思うでしょうけど

あなたには
女みたいに情念で動いて欲しい
周りの目など気にしないで
ただ、私のことが好きだからと
それだけの理由で海をも渡ってきて欲し ....
恋愛HPが足りないの、きっと

あのコがあなたを誘ったって聞いて
私はあなたの写真を虫眼鏡で拡大して
「こんな顔だったかしら」


ああ、切なくなってきてしまう

切なくて、もう
 ....
わたしは

乳房の小ささに悩むものの
自分が女であることをもどかしく思い

愛する人は欲しいけれど
女扱いされると複雑な気分

男のひとは嫌いで
男のひとに媚びる自分も嫌いで

 ....
ミネラルウォーターのペットボトルの中に
小さいけれども水の世界

携帯できる海が欲しいから
専ら水を持ち歩くのかしら

いつもいつも
海へ還りたいと思っているのかしら

ここでは
 ....
夜になるといつも
狂気を孕んだ冷たい意識が
あたしの中で循環を始める

うずまいてうずまいて
これはあなたを侵してしまう

せつなくてせつなくて
あたしはあたしの制御がきかない

 ....
飛行機雲がまっすぐに
午後6時の空を割っていく

交差点の中でタクシーが描く弧は
水面を飛ぶ魚の
スローモーションに少し似ている

もうすぐあなたもわたしも
ひとりぼっち

この広 ....
花模様の布団に寝たわたしは、花畑のなかに居る夢をみました

夢の中でわたしのからだは、まるでちょうちょうのやうに軽く

このままあのお山のむこうへ、とんでいけそうな気がしましたが

花のな ....
どんなに悲しく思っても
どんなに愛しく思っても
あのひとの歩き方も、もう
思い出せない
思い出さない

遠くのほうで鳩が鳴いて
自転車の下にへびいちごを見つけた

あのひとが私にくれ ....
ただそこにあるケイタイの

ボタンひとつを押したなら

あなたの声が聞ける

そのあやうさに私はおびえる。
狭い部屋の
狭い窓から

雨が降っている

遠く聞こえるのは
蝉の聲

雨が蝉の羽を濡らすから
今日はもう
おしまいにすればいいのに

狭い部屋の
狭い窓から

雨が降 ....
きらきら星が私の周りにばらまかれたような気分になって
でも次の瞬間にはあなたの舌を噛み切ってしまいたくなる

虹色をした空気のなかに私が入ることに成功した気分になって
でも次の瞬間にはあなたの ....
あたしを
さらって
あたしを
飼って
あたしを
なでて 

そしたら
あたしは

あなた

ために
いつも

にゃー

鳴いて
あげる
から

あなた
 ....
道の向こうからは祭囃子が聞こえる

もうすぐここまできてすべてを包むだろう

幾分細くなり白くなった腕を少し持ち上げて手持ち花火に火をつけた

光が私を照らす

いつの間に私の腕はこん ....
この島に生まれた胡蝶のさだめです
あかい実を食べたら
あかい胡蝶になってしまうのは

さだめを背負っていきなさい
はるか彼方まで飛びなさい

さあ 
北の国に住む少女の黒髪にとまって
 ....
魚になりたい魚になりたい

メランコリーな私
今まで気付かなかったけどこんな日は
泣きそうなのね空も
ラメ入りの紙に上手にくるんで流して頂戴
ひとりぼっちでいるよりは
水のなかに沈んでい ....
いかに立派に人生を生きるかについて
啓蒙する必要があると先生は言った
私たちの中の
何が間違っていて
何が正しいのか
なんて
そんな判断
燃えないゴミの日にでも捨ててしまえばいいのに
 ....
あなたは私に
「とても会いたかった。」
という嘘をついた

私はあなたに
「あなたを好きになったりはしない。」
という嘘をついた

どちらも
とてもやさしい嘘だった。
私たちは秘密の恋をしているから
今、この左右の本棚たちが倒れて私たちに襲いかかってきても
文句はいえぬ
指と指をわずかにからませ
古ぼけた本のカバーが少し破けて
顔を見合わせて、笑う

 ....
とくとく
という
私の心臓の音
静かな部屋の中で
わずらわしくて堪らない

しかしそれは

この世で一番美しい音

そのわずらわしくも美しい音を
私は破壊し得ないということに 
 ....
明日降る雨は、甘く切ない色がいい
甘く切なく、そしてやさしく

あの人の少し茶色い髪を染めればいい
あの人の冷たい手を包めばいい
あの人の疲れた瞳に映ればいい

「今でもあなたが好き」
 ....
なんだろうこの部屋は
汚れきった、私の信仰心が
ここに落ちている

なんだろうこの部屋は
第一、空気がおかしいのだ
おかしいのだ
何かが、わたしの思考を澱ませていく

こんな小さな部 ....
今日はただ
あなたの煙草をにぎる手
その手と煙草の箱だけを
じっとみていました
ただ
ただ
涙が流れてしまえばいいのに

思っていました

私を見ていないあなた
もっとずっと遠 ....
ミズタマ(23)
タイトル カテゴリ Point 日付
シーン 18th.Oct.自由詩004/10/22 0:59
手紙未詩・独白104/10/19 1:56
恋愛HP自由詩104/10/19 1:29
グレーゾーン自由詩204/9/22 0:16
エスケープ自由詩104/9/18 2:15
夜になると自由詩204/9/18 2:03
ある日の夕暮れ自由詩1*04/9/15 14:01
無題未詩・独白0*04/9/13 21:05
へびいちご自由詩1*04/9/5 21:44
無題未詩・独白004/8/19 23:27
哀しい聲自由詩304/8/8 21:35
オズ自由詩1*04/8/3 21:47
あたし、ネコ自由詩1*04/8/3 1:17
花火自由詩3*04/8/3 1:03
あかい胡蝶自由詩2*04/7/31 23:37
魚になりたい自由詩0*04/7/31 22:57
かごのなかで自由詩1*04/7/27 23:25
やさしい嘘自由詩1*04/7/25 0:30
図書館の恋自由詩3*04/7/25 0:14
美しい音自由詩0*04/7/23 22:34
明日降る雨は自由詩1*04/7/23 0:34
小さな部屋自由詩1*04/7/22 21:46
自由詩3*04/7/22 0:14

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