言葉なんて
なんの役にも立たない夜があった
抱き合った体温が
生きている今を
実感する唯一の術であると
感じた夜があった
舌と舌が出会い
いくつもの嘘を従えて
口腔内で生まれ出た言 ....
麗 帰って来てくれたんだね
冬の間中街を取り囲んでいた灰色のビル群の向こうに
東京湾が光っている
その上空を飛行機が西に飛んでった
さらにその向こうの木更津の山々には緑が芽生えている
山頂に ....
透き通った緑の海は
たちまち汚れる。
なにがエコだ。削減だ。
海も森も川も魚も全部
もう元どおりにはならない。
魚に足が生えたって
海が油まみれ ....
普段は意識さえもせぬその季節
迫るときには狂おしいほどの現実感を伴って
唐突に 緩やかに 訪れる春寒は
唐突に 緩やかに 迎える春寒は
個別的に夜霧 ....
――薄氷の空
貴女を攫う雪の華が綺麗で
ただ見つめることしかできない
世界を彩った、鮮やかな白
凍える大気
震える太陽
足下の街並みは雪に沈む
何一つ変わ ....
この世で起こることには
必ず理由が存在する
ただ我等がそれを知る術を
持ち得てないだけである
故にこの世に謎などは存在していない
わたしのママはミートパイのふり、あるゆき降るむらの朝食よ、そうそうなりきれるものじゃないわ、二人目のパパもうなずいてるわよ、足のわるいウパおじさんが座り、ママを囲う首の長いわたしたちの食卓、今 ....
あの子は
人間樹木になって
森へ還っていきました
さあ
嘆き悲しむのは
もう止めにしましょう
春には
芳しき白い花を咲かせ
やわやかな緑の新芽を指先に這わせ
虫や蝶を友とし
秋 ....
笑うと金語楼になると
細くなった母の目を
指さしながら父が笑う
明るいさざ波が立って
子どもたちの顔まで
福笑いの目になる
母が笑う日は少ないが
その笑顔はぼくの
胸の引き出しにある
....
/ローレライ
海に沈む夢を繰り返し見る。
何もない場所で
干したままの上着と同じように揺らめきながら
人魚が遠くで歌っている。
(ここは静か、とむらいの火はとおく)
海は決まっ ....
引き潮に導かれ
薄い月が振り返る
人工呼吸の息づかいが闇のなかで躍る
世界は終息だけを待ち続けていたのか
廊下を隔てた昼と夜の現実
涙はいつもシビアに朝を迎え入れた
(蒼白く ....
今年の漢字は“ 絆 ” ってことで
世間ではスーパーのタイムサービスみたいに
絆 絆 絆 と 声高に叫ばれている
“ 絆 ” ラーメン “ 絆 ” メイクアップ
斎場では メモリアルセット ....
とあるなま暖かい春の宵、
ひとりのジーンズのつなぎを着た白鬚の老人と、
ひとりの髪の長い若い女が、
腕を組んで、おおきな青い月へとつづくながい坂道を、
歩いていた。
シグナルが赤になって ....
僕らには永遠がある
あの眩しい午後に逃げ水のなかで君に会う
たがいの輪郭を確かめながら愛し合うのだね
じゃんけんで運命が決まるなら良いのだが
あいにく物事は因果律が支配して ....
つめたいふねの
なかの箱
のなかにゆられ
ながら
じっとかなしみや
寂しさがしずむの
を、待つ
つくりかたも
わすれた
渇きだけ
の風が少しだけふく
上から
スポットライト ....
風が吹いている気がする
おとないの人の
逆光線に佇む
寒々しい玄関に
しろい心を覚える
冬雲のその
質量感の無さが妙に泣けるね
煙突から
軽く上ってゆく水蒸気を見ている
何だろう
自分を失うときに 僕は
得るものがある
何だ それは
空は今日 気がふれている
雲がそしらぬ顔で流れていく
幼い少女が殺されたのだ と
埃まみれのテレビが言ってる
殺人者は心せよ あとになって
お前は決して反省などするな
心からの反省など ....
いつも二人でふざけてたよね
じゃれあってた頃の二人を思い出すと
これからの僕の人生に君がいないなんて嘘みたい
ほんと どっかのテレビのドラマみたいに
これまでの話が全部夢ってオチだったらど ....
冬の朝
空気が張り詰めている
これから僕は試される
あたたかい布団から出て
ぬくもりの残る寝間着を脱ぐ
つめたいシャツに腕を通す
小さなボタンが凍りついて
うまく動かない
....
定義と調和は相反するもの―
「鳥たちは気に入っているようだった。
滅ぼすという、その語感を。」
今日もオンリーワンマンで宅呑みしていたら
ドラゴンのアッシュじゃない方の頭が良い方のケンジの事を不意に思い出して
....
ぎゅっと
からだじゅうをにぎりしめてまるまった
てのひらのつめあと
ああ、と、
目を閉じて、夜
心臓の音の数でなにかとの距離を測り
火を吹き消すようにして忘れていく
見えたも ....
わたしはロボットになりたい
身も心も疲れ果てたとき
気力を失い起き上がることすら儘ならぬときでも
いつもと同じリズムとトーンで
自分の務めを果たせるように
わたしはロボットになりたい
....
ゼムリャフランツァヨシファ,ノヴァヤゼムリャなどロシア系のことばには語感に考えさせられるものがある 思うにゼムリャが島でフランツァヨシファは人名だが,授業中暇なときはそのようなことを書きとめる
花に目を閉じ
花に冥らず
おのれに見ひらき
立ちつくす
何かが緩やかに異なる日
顎の原からうなじの天へ
かみ合うもの無く廻る歯車
巨大なひとつの 宙の歯車
....
ゆきみちに
しょんべんする
きいろというより
あざやかなイエローの
インジケーション
けものにきをつけなさい
そのいろは
ちかくにいるという
やまのくらしの
....
わがやにも
とんかつがやってきた
いろがうしなわれ
モノクロームになる
あのどてで
あそんでいた
こぶたたちの
たのしいおもいで
ちゅうもんしたそばが
すこしぬるかった
ちゅうぼうのおくから
たのしそうな
わらいごえがきこえる
わたしはそれが
あたたかかった
ろうどうのいみと
はたらくこと ....
ため息を
つきたいがための
ため息に、くもる窓
渦巻く言葉の上辺には
夢を、
夢らしいものを、
夢と呼んで安らぐものを
もとめた日々が
静寂している
ゼロにも満た ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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