言葉と涙を奪われて
不遇に嘆く子供がひとり
げに恐ろしきは何も憎まず
ただ仰ぐ空の青さに身を任せる事
そんな悲しみ方を
そんな小さな体で
あの声は誰に届くんだか
言葉にな ....
君を想って生まれた
名もなきうた
君と出会って変わった僕の世界が
全部つまったこのうた
君への僕の想いが
包み隠さず溢れたこのうた
君に聞いてほしい
このうた
....
JRから東武線への通路は朝から混雑し
僕はひたすらまっすぐ歩く作業着の僕を
高い窓の外から眺めている
通路の真ん中には真っ赤なテープが貼ってあるのに
右にも左にも進行方向を示す矢印がなくて
....
僕は存在した
一人であることのなくなった 僕は
無数の繁みの中に見えていた
確かな イメージの世界から 逃げ出した
フランスパンの上を滑るジャムが
すごく輝いて見えた朝だった。
泣いていたからではない。
太陽が特別キラキラしていたからだ。
未完成で中途半端な私を
....
台所の流しの前に突っ立ってひとり
母が黙々と八朔を食べている
手際よくむかれては口に運ばれる寸前を
遠慮なく横取りした 娘だった頃
母の顔はおいしそうでもうれしそうでもなかった
自 ....
いけんをいえと
あなたはいう
いけんはないと
わたしはいう
それでもいえと
あなたはいう
いわなければ
ころすとせまられる
わたしはあなたに
いけんととも ....
全身麻酔の胸がメスで開かれ
肋間がスペーサーで広げられる
心臓に手が差し入れられる
教授クラスの執刀の下に
横たわるのは天皇であれ
一人の小さな老人の体だ
陛下も年を取った
平成になって ....
古く錆びれた配管の中で
ライトを咥えて屈みこんでいる
作業服に目出し帽、ジーンズの尻は破れ
左手で右手を押さえている
くそったれな血め・・
鍋つかみだってなんだっていいからしておくべきだった ....
4月に、
生まれてくる女の子(らしい)、
ぼくの子供。
名前を考える。
妻の語感を甘やかしながら、
ぼくが整えてゆくことになるのだろう。
ばんび
って可愛いよね。
ざじ
....
パタゴニアに行って大土地所有をして暮らしたい 職業適性としては封建領主などが向いていると思う
こどものころ
やさしい
おばあさんがいた
となりのいえの
おばあさんだった
こしをまげて
わたしのあたまを
なでてくれた
おばあさんは
いつからか
いなくな ....
空は短く
銀の上に立ち
冬は冬をめがけ来る
次々と次々と突き刺さる
次々と次々と遠去かる
夕陽に押され
倒れる鉄骨
北の北を向いている
冬の指の
影だけが動く ....
夢の中で君に会った
すごく優しくて笑顔が素敵な
いつもの君だった
でも
今の君は私の連絡を無視するぐらい
それが悲しくて
寂しくて
不安で
泣いた夜もあったよ
....
一緒に食事をするときは
3つ離れたテーブルに座ります
電車はひとつ遅れます
あなたの姿の端っこが
見えてるくらいの所にいます
急に踏み込まれると
うろたえてしまうので
校庭か ....
はじまりは喉笛で、下から上まで続く階段が蜷局を巻きながら地球を埋めているときに、経血間際どもの血みどろは表される。
よくわからない管の奥から送り込まれる液体の炎がじゅうじゅう鳴いていて、ちぎれそうな ....
野の兎
降る雪ものともせずに
跳ぶ
野兎にとって
視界のきく
晴れわたった銀世界は
好ましい環境とは言えない
狐や鷲、鼬といった
天敵の眼に自分の姿を曝してしまう ....
番台の玩具イジリ。
退屈はいつだって二乗傾向。
練り込まれた時間を、あざ笑うかのような
冷たくも温かくもないプラスチック片(変or辺)ども(どもっ!)
年季の入ったベニヤは
〇(マル ....
あなたの闘い続けた十三年に深い敬意を覚えます
妻と愛児を殺されるという
私には計り知れないほどの
かなしみと
ぜつぼうと
うらみと
にくしみの中で
司法という巨大な組織とも闘い続け
....
世界が美しい花のように開く時
人々は皆沈黙している
言葉がそれを讃え 音楽がそれを表す時
人の耳と目は沈黙している
君は
空が降ってきたかのように
目と耳を塞ぎ ....
今、私の目の前に存在するネジを巻いたら
昨日西永福の駅で私に舌打ちをした中年と
再び会えるのだろうか。
もしそれが叶うのであれば
私は迷うことなくネジを巻いて
その中 ....
超音速で舞い降りたガルーダの
尻尾の先にくっついたまま
世間を見てきた烏天狗の出来損ない
それが自分の姿で
嘴はもちろん黄色かった
そのまま部屋の中に入る
無音
嘴と眼をカッと見開く ....
うつくしい人の手はうつくしい形をしていて
やさしい人の声はやさしい響きで伝わって
かなしい人の瞳はかなしい色を浮かべ
さみしい人の吐息はさみしいあたたかさでした
冬の貧弱な太陽光だって ....
先月エアコンが壊れた
次の日炊飯器が壊れた
次の次の日Macが壊れた
次の次の次の日掃除機が壊れた
次の次の次の次の日冷蔵庫が壊れた
でもね
いちばん最初に壊れたのは
ぼくだったんだ ....
食パンのみみが
初めて出会う言葉は
まだ星空が出ている時間から
働き始めるパン屋のおじさんの
「上出来だ」の嬉しい言葉だろう
スライスされる前は
全身が みみなので
工房の全ての音が ....
残雪が疎らになった道から顔を上げると
紅い紅葉が目に飛び込んで来た
オヤと思って目を転ずると
空色の空を背景に橙色の橙が大きく実っている
通勤客の群れが通り過ぎて行く
皆同じような黒いコ ....
空より吊された揺り篭
引き寄せられるのは
夜道に迷いし蝶か
光を求める蛾か
向かう先から見つめる僕には羽がない
白い光は横たわる意識を見下ろし
佇む木々より静かな息遣いを 明らか ....
叶わない
あなたには敵わない
ゆるぎないモノ?
なぁにそれ?
雲みたいに幼く移ろう日々
少女は問う
雲みたいに流れない、ものだよ
かすかな記憶に響く声 ....
血を求めるひとを死刑にしたい
血を顧みぬひとを殺したい
血を厭わぬひとを縊りたい
罪などどこにもない
私たちは神に許されて
罪と罰を作り出したと考えている
罪などどこにもないのに
....
子供はきっと大人になろうとしているのではない。
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