カーテンを ふふっ と揺らして
“遊びに行くよ”と風がささやく
ベランダに出るとまだ肌寒く
真夜中の匂いが甘く漂う
空が丸い皿をひっくり返して
夢中でざらめをかじっている
それがし ....
どうして
生きているのでしょう
どうして
生きていくのでしょう
どうして
産まれたのでしょう
どうして
死んではいけないのですか
この広い世界のちっぽけなひとつ ....
くだらないと思った
戦う前から勝敗はつけられていたのだ
詩を書いても 真面目に働こうとしてみても
努力など糞の役にも立たないから
細かな霧霞
揺れる 山並みに 残雪
未だ 冬に 片足
突っ込んだ ばかりだから
此れは 残雪ではなくて
秋の 深まり
春雨を 思い出せる
そんな季節
土鍋も ....
昨夜 十一時過ぎ
シカバネとトランプをした
シカバネが
あまりも
つらそうにするから
さみしそうにするから
すると夜中 理科の先生に呼ばれて
「シカバネとトランプをしてはいけません」 ....
真夜中すぎの
名の呼びかけに
応じて
彼岸に渡ってはならない
迷ったすえの
菜の花ばたけに
通じて
此岸に帰らねばならない
死の後の
言い訳
有るか無しか
しのご ....
例えば、君の楽観的な物の捉え方が
誰かを傷付けたとしよう
だからといって悲観的になる必要はない
君は目の前にある壁をぶち破ればいい
落ち着いた生活がいいか
変化に富んだ生活かいいか
ど ....
昔々、虔十さんという風変わりな男は
ぶなの木の葉がちらちら揺れて煌くほどに
もう嬉しくてたまらなくなり
一枚々々の葉のひかりが
自らの体内に踊っているかのように
いつのまに、ぶ ....
薄くれない色の闇のなか僕たちは
とても長い距離を歩いた
想像がつかないくらい
遠くまで僕たちは歩いた
あまい風
あまいメロディ
やわらかい音が生まれるときの
秘密を左手に握りしめて
小 ....
騙されたと思わずにやってみて
歩きながら声に出して
るりるらるらら
好きなメロディーを付けて
るるりらるりら
頭の中に響かせて
うううむう
どう気持ちよくなったでしょう
丸みを帯びた花びら一枚 好き嫌い 好き嫌い
くびれ撫でる花びら一枚 表の艶 裏のスモーキー 好き嫌い 好き嫌い
女の湿気 外からの単調の雨の音
虚ろな指先で ほのめかす花びら一枚 好 ....
葬列の車は
誰にも顧みられず進んで行く
黒い車でありながら
まるで余人の目には映らぬかのようだ
窓を流れる対岸の住人達は
圧倒的な多数派ぶりで堤の樹下に集い
各々の充足をレジャーシート ....
今日はめずらしく詩が書けません。
だから僕は躍起になって詩を書き殴ります。
書き殴ります。
でも画面に表示されるのは知らないどこかの誰かが打った文字を
全く変わり映えしないもの。
....
葉桜の樹上に燃えるような月
オレンジ色にあたりを染める
その放出に目が射られる
つぶつぶと燃え出す葉桜が、
容赦なく抑えられる
緑がない丘の上
たった一本の木が干からびる
葉は散りながら ....
桜の花びらを引く 凧揚げの糸の用に引く
心の写真は カラー、セピア、モノトーン、
そして、
桜の花びらを追うのではなく
ゴールと再開の幕開けの処で 待つ 透明感
まだまだ ....
人は
その人がいないときに
その人を
みることができる
心の目で
いつも座らせて
自分の中の椅子に
大事に話しかけてる
生きている
いないなど
問題ではなくて
忘れられな ....
すべてが終わる
すべてが始まる
いま ここで
青い雨が降る
天使よ、どうか羽を濡らさないで
止まり木なら用意してあるから
ポプラの木の下で ありとあらゆる銀星の下で ....
きょうの花びらを忘れない
玄関にまかれた花びら
あのひとの爪みたいだ
やわらかな色づき
ほのかな湿り
美しく朽ちてくれ
この桃色を掃きながら
ふっと心 ....
晴れた日に
空を見ないなんて
空がもったいないと思う
いつもと同じ
車窓からの景色も
晴れた日は ....
母は肉体と魂が徐々に離れていくものだと言った
こうして話をしているときにも
食事をしているあいだにも
離れていくのだと
だから私たち姉妹は
祈りはそれを遅らせるものだと思っていた
不思 ....
さらら 頬を 伝う涙が
あなたにも 見えるでしょう
あの 優しい砂を
思い出して 御覧なさい
御覧なさいと 言われても
粒が 細かすぎて 見えないの
そう 言って また 一 ....
日本史に刻まれた
平成の天変地異
連日のテレビが報じる警鐘にも
きのうがあったから
あすもあるだろうと
漫然無意識に浅い息を転がしている
ときおり冷蔵庫のコンデンサー ....
染井吉野ってさ
種で自然には増えないらしいね
この国にある染井吉野は全て
人の手でひとつの突然変異種から
接ぎ木されたものなんだってさ
DNAが同じだから
開花に個体差がないんだって
な ....
国境の上には雨が降り
それは人が作った小さな仕切りを
嘲笑うかのように降り続け そして
その上空には美しい虹が架かっていた
それを隣国同士の国境警備兵達が
思わず見とれて数分の間、我を忘れて ....
牽かれていく二すじの偏光
孤独な少年の手なぐさみ
自転車にまだ補助輪があったころ
ぼくは愛されていたかしら
いなかったかしら
初夏の予感が初めて来たとき
駅前通りに二匹の妖精 ....
雨はふってはいないけど
心の中でふっていた
あなたも
泣いていたのだろう
だれも傘をかせないほど
雨がふっていたのだろう
あなたにあいた
穴は私があけた
ほんとうにそれだけ ....
赤ちゃんをあやす
なんとか
笑わそうとして
百面相など
繰り広げる
赤ちゃんが笑えば
私も笑う
私は赤ちゃんにあやされている
【あやされる】とは
どういうことだろう
ココロ ....
せんずりしないと前へ進めない時がある
せんずりしないと明日が来ない そんな夜がある
そんな昼がある そんなあさっぱらがある
私はいつも行き詰った時には せんずりして前 ....
烏
私がタンカーを見ているのだ 私の
目の前には 海原がそそり立ち
桜の 老木の 肌も露わ
ひび割れた匙で抉ると嗚咽が漏れだす
轟音はずっと工場から
朝と夕 右の煙突を光が射抜いたあた ....
ぼくは競馬をギャンブルだと言う奴を
どんな非難を浴びせられても大嫌いだ
競馬馬が背負っているのは騎手じゃない
彼らが乗せているのは
多くのひとたちの夢や希望や人生の投影なんだ
その馬 ....
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