いつもあの子のことを思っていた
夢の中で
僕は いつも 寂しい
過ぎ去った日の夕暮れを描いている
繰り返す繰り返す
わずかな光で培養し 繰り返す
これはあのトキの痛みに似ている
これはあのトキの悲しみに似ている
似ているから越えられる? とでも信じているのかあんたは ....
よわよわしいこの体温は
しずかに一瞬でいいよ
おもいだしてくれたらいいの
寄りかかる風に目をとじて
木々の葉のざわめきは
あの甘い時間がゆっくり
おとずれるようなそんな
胸騒ぎみたい ....
とりとめもない映像を眺めながら
皮を剥き縦に切った細長い人参を
齧る
何もつけずに齧る
美味しいかと尋ねられれば
ちょっと柿みたいで美味しいかなと言う
実際は齧る行為に動物的な快感 ....
『狂おしいほど』
『気が触れそうなほど』
どんな言葉を費やしても
陳腐にしか聞こえない
早くなる鼓動
貴方以外に向ける意識なんてもったいない
ただただ呼吸困難なの
全神経 ....
夏の声が遠く聞こえて
私は銀色の車体が纏う
緑色の線に魅入られる
夏の声を遠く聞きながら
私は日陰のコンクリート
じわりと汗をかいている
ビルが作る無風地帯が
私の気分を悪くする ....
ものごころついたとき
芽はでていた
茎がのびていき
葉がなっていく
それをわたしは
ひまわりかとおもったが
木だった
茎は茶色くそまり
幹となり
やがてわたしの背 ....
春の公園に満面の笑みが咲く
お花模様のワンピースでタンタカタンタカ
お砂場までもタンタカ行進だ
お日さまが照らす世界はこんなにも広い
驚くことはあっても怖いものなど何もない
ほらほら お友だ ....
わからない
いったい何が
僕は
何が好きで
何が嫌いで
何が大切で
何が大切じゃなくて
僕にとって
何が有益で
何が無益で
君は何で
....
飛ぶ日まで
それはいつかの晴れた日 君は空を眺めてて
飛びたくなくなったって 寂しそうに愚痴る
どうしようなんて そんなこと僕になんて言うなよ
僕に大層なこと 言えるはずもないだろ
....
洗面所の鏡の中で
つぅーっと 涙がひとつ
落ちました
なんの理由もないけれど
いいの
そんな日もあるの
携帯のメールを開けたら
どこかの会社から
オメデトウのメー ....
すべてを吐き出しちゃえばいい
すべてを
嫉妬も憎悪も敵意さえ
ありとあらゆる汚い言葉を添えて
こころが空っぽになるまで
叫び続ければいい
すべてを飲み込まなくていい
すべての
絶望 ....
二人は夕方になると左岸を歩き
テトラポットの廃棄場で
私を待った
髪が長い白
歩けない黒
私の姿をみとめると
白が車椅子を押して
近づいてくる
胸に水筒を抱いた黒が
おかえりなさ ....
日本海の港町に
住み始めて半年をやや越えた
『明日は ....
時々
あの白いハンカチを思い出す
あたかも
そうすることが
シナリオで
決まっていたかのように
差し出された
それを
いまでも
鮮やかに
思い出す
私は
電車通学をする
....
風呂屋の開店時間まで、風呂屋前の縁台で2人の爺さんが将棋を指す。
ひとりは白髪、ひとりはハゲ頭。
ときどき子供が「将棋教えて!」とやってくる。
爺さんたちは子供のレベルに合わせた詰将棋の問題 ....
マロニエ、日本名はトチノキ。
やや崩れた大きめのは葉が木陰をつくっている。
その昔ビール工場に涼をつくるため、マロニエが選ばれて植えられたのだそうだ。
ビアガーデンにマロニエが植えら ....
小さな不満を抱えたまま
私達は
少しずつ
少しずつ
距離をとって
今なら間に合う
闇に向かって
私達は
少しずつ
少しずつ
離れていって
まだ間に合う
....
わだかまりの小石を
ランゲルハンス島の砂浜に
捨てたところで
塩辛いもやもやは
寄せては返す
しがらみから逃れようと
前頭連合野の深い森を
彷徨ったところで
粘っこいもやもやは ....
突然工場が爆発したり
突然歩行者に車が突っ込んできたり
時限爆弾のようなものでも
ぼくらの周りにはあるのだろうか
太陽の磁極が5月
四重になるのだという
こんな ....
窓際に座って
外を眺めたら
風に揺られる花たちに見とれて
思わず窓を開けた
風に乗せてふわりと花のいい香りがして
生きている意味を
久しぶりに思い出しました
深く負っ ....
先日、仕事でね
きみの地元に行ったんだ
左岸通りを歩いていたら
きみの白いのと
黒いバージョンに出会ったよ
そっくりだったから
おどろいてね
きみは
三つ子だったんだね
あなたは ....
風は飛んでいた
どこまでも飛んでいけた
そんな自分が誇らしかった
風は飛んでいた
飛ぶことしかできなかった
その運命に涙を流して
嵐を作った
風は飛んでいた
嵐を作るの ....
きみの瞳のなかに
空一杯の夜が煌めき
僕は君の胸のひとつから
柔らかな心だけを抜き取って
脆い息を吹きかけただけで
そっと元に戻したんだ
熱 ....
どこかに希望というものがあるなら
どうか、それを書いて見せてください
答案用紙に書きかけて消した
ヨシオはいつものように難しい顔をして
悩むフリをする
解答することはいつも簡単だ ....
自分の人生に
足りないことって
モノかも知れなかった
だと思ってみんな
出かけてった
僕も
つまんないなりに
人生に意味が欲しくなっていたこともあって
とりあえず出かけた
....
想像できる範囲のあらゆる角度で
見たいものだけでいい 見わたす
想像できる範囲のあらゆる角度で
見たいものだけでいい 見わたす
その奥筒抜け視野は 決して詰まらない ....
【命の島】
瀬戸内の生温かい風の中
虫篭を編む
白いビニール製のストローを器用に組み立てて
円錐状の虫篭を編む
昔は 葦だので編んだらしい
ストローの語源は ワラだと言う ....
クロード・ロランの美しい風景に
私は十ニ分に魅せられていた
それはこの世には有り得ない風景
その間、私は現実を忘れていた
俺達はそんな空想的な芸術など見ないと
現実主義者達が言う
彼らは現 ....
あいづちだけがほしいなんて
わがままを
きいてほしくて外にでる
春の風はやさしくて
そんな心をふくらます
君が元気でいればいい
ねがいをそっと風にのせ
君が私のいる場所に
いる ....
2657 2658 2659 2660 2661 2662 2663 2664 2665 2666 2667 2668 2669 2670 2671 2672 2673 2674 2675 2676 2677 2678 2679 2680 2681 2682 2683 2684 2685 2686 2687 2688 2689 2690 2691 2692 2693 2694 2695 2696 2697
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.94sec.